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履歴書「職歴欄」の正しい書き方と書ききれない場合の対処法【見本あり】

履歴書 職歴

履歴書の「職歴欄」を書く際に、「正しい書き方がわからない」「転職回数が多くて書ききれない」「どこまで書けばいいのか?」と悩む人もいるでしょう。組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント・粟野友樹氏が、履歴書の職歴欄の正しい書き方や、書ききれない場合の対処法などを解説します。書き方の見本も合わせて紹介するので参考にしてみましょう。

職歴欄の正しい書き方と注意点を解説

履歴書の職歴欄は、自分がいつ、どの企業で働いていたのかを応募企業に理解してもらうためのものです。書類の正確性は自分自身の責任となるので、正しく情報を伝えるように心がけましょう。

職歴欄に記載するのは、「職歴」「入社・退社年」です。また、「所属部署」「雇用形態(正社員以外の場合)」「退職の理由」も記載しておくと事実を正確に伝えることができます。

ただし、履歴書の学歴・職歴欄は行数に限りがあるため、あらかじめ何行程度になるかを考え、学歴・職歴欄に収めるようにしましょう。

【ポイント1】時系列に沿って書く

履歴書の学歴・職歴欄は、時系列に沿った「編年体式」で書きます。履歴書と一緒に提出する職務経歴書では、現在から過去へと時系列をさかのぼる「逆編年体式」や、特定の切り口に沿って職歴を記す「キャリア式」を用いるケースもありますが、履歴書は時系列に沿った「編年体式」で記載しましょう。

また、在職中のまま転職活動をしている場合は、すべての職歴を記載した後に「現在に至る」と記載します。退職日が決まっている場合は「現在に至る(令和○年○月末退職予定)」と書きましょう。

【ポイント2】「すべての職歴」を正式名称で書く

学歴の後に一行空けて「職歴」と記し、次の行からは、今までに経験した職歴をすべて書き入れます。その際、会社名は略さず、法人格も記載しましょう。部署名も正式名称を記載します。また、履歴書に退職理由を書く場合は、「一身上の都合により退職」と記載するのが一般的です。契約社員として勤務し、契約期間が満了したことで退職した場合は、「契約期間満了により退職」と記載しましょう。

職歴欄に余裕がある場合、会社名・部署名の後に、「〇〇業務を担当」「△△に従事」というように業務内容を添えます。募集職種に関連する職歴はアピールにつながる可能性があるので、明記することをおすすめします。昇進や表彰、営業成績などの実績がある場合も、履歴書に記載してアピールしておくと良いでしょう。

【ポイント3】年号は揃える

年号を記載する際には、西暦と和暦を混在させずに揃えましょう。どちらを選んでも構いませんが、職歴・学歴・記入日などで記載する年号は、すべて統一することが大事です。また、学歴の卒業年などを和暦から西暦にするなどの際には、年数を間違えないように注意が必要です。卒業年早見表などを活用し、正しく記載しましょう。

また、未就労の期間を隠したり短くしたりするために、前職の勤続年数を操作することも避けましょう。虚偽の記載は、雇用保険の記録などから発覚する可能性があるため、包み隠さず記載しましょう。

卒業年早見表

 【ポイント4】最後の行は “以上”でしめる

すべての職歴を記載したら、最後の行には “以上”と記載しましょう。

また、履歴書を書き終えた後には、間違いがないかきちんと確認することも大事です。年号や漢字などの表記ミス、社名の書き間違いなどがあれば、マイナスの印象につながってしまう可能性もあるので、書き終えた後にはきちんと確認することが大事です。
場合によっては、「職歴を詐称している」と受け取られてしまう可能性もあります。すべてを書き終えたら、間違いがないか、よく確認しましょう。

部署異動、派遣社員、アルバイト、自営業からの転職などの正しい書き方【見本あり】

部署移動、合併による社名変更、出向・転籍した場合などの職歴欄の書き方を紹介します。また、派遣社員やアルバイトとして働いていた場合、自営業から転職する場合の職歴欄の書き方も紹介するので、書き方の見本も参考にしましょう。

違う部署に異動・転属した場合

同じ会社で違う部署に移動した場合は、部署名と異動年月を記載します。

【違う部署に異動・転属した場合の見本】

         職歴
20XX 4 ○○株式会社 入社
インターネット事業部 開発チーム
システムエンジニアとしてネットワーク構築を行う
20XX 1 カスタマーサポート事業部へ異動
顧客からの問い合わせ。修理等の対応を行う
20XX 3 一身上の都合により退職
20XX 4 株式会社△△入社
販売促進本部 首都圏エリアを担当
現在に至る
                           以上

合併などで社名が変わった場合

合併などで勤務していた会社の社名が変わった場合は、正しい情報を伝えるために、変更前の社名と変更後の社名をどちらも記載する方法があります。当初の社名を記載した後、現在の社名を括弧でくくって記載します。その際、現在の社名の頭に「現」という表記を入れるとわかりやすいでしょう。

【合併などで社名が変わった場合の見本】

         職歴
20XX 4 ○○株式会社 入社
インターネット事業部 開発チーム
システムエンジニアとしてネットワーク構築を行う
20XX 1 △△株式会社(旧・○○株式会社)
一身上の都合により退職
20XX 3 株式会社△△入社
販売促進本部 関東エリア(現・首都圏販売開発部)担当
PCおよびPC関連機器の量販店向け営業を行う
主任としてメンバー5人の指導・育成
現在に至る
                           以上

出向・転籍した場合

グループ会社などに出向した場合は、出向先の社名を記載した上で「出向」と書く方法があります。また、元の会社に戻った場合は、元の会社の社名を記載した上で「帰任」と書きます。

【出向してから元の会社に戻った場合の見本】

         職歴
20XX 4 ○○株式会社 入社
インターネット事業部 開発チーム
システムエンジニアとしてネットワーク構築を行う
20XX 1 △△株式会社に出向
事業開発部 システムソリューション課
新規サービスのシステムの企画開発を行う
20XX 1 ○○株式会社に帰任
ソリューション推進部 新規事業開発チーム
主任としてメンバー5人の指導・育成
新規事業のシステム開発にてプロジェクトリーダーを担当
現在に至る
                          以上

転籍した場合は、転籍先の会社名を記載の上、「転籍」と記載します。

【転籍した場合の見本】

         職歴
20XX 4 ○○株式会社 入社
インターネット事業部 開発チーム
システムエンジニアとしてネットワーク構築を行う
20XX 1 △△株式会社に転籍
事業開発部 システムソリューション課
新規サービスのシステムの企画開発を行う
新規事業のシステム開発にてプロジェクトリーダーを担当
現在に至る
                          以上

派遣社員として働いていた場合

履歴書の職歴欄には基本的に在籍していた会社名を記載します。派遣社員として働いていた場合、履歴書には「派遣元の会社名」を記載の上、「派遣先の会社名」と所属部署や仕事内容を記載しましょう。

派遣先での詳細な仕事内容は、応募書類として合わせて提出する職務経歴書に記載します。ただし、募集職種と関連性のある業務経験がある場合は、「〇〇会社で△△業務を担当」というように、履歴書でもアピールするのがおすすめです。

【派遣社員として働いていた場合の見本】

         職歴
20XX 4 株式会社××(派遣元)より株式会社○○へ派遣
インターネット事業部 開発チーム
システムエンジニアとしてネットワーク構築を行う
20XX 1 △△株式会社に出向
事業開発部 システムソリューション課
新規サービスのシステムの企画開発を行う
20XX 1 ○○株式会社に帰任
ソリューション推進部 新規事業開発チーム
主任としてメンバー5人の指導・育成
新規事業のシステム開発にてプロジェクトリーダーを担当
現在に至る
                          以上

 アルバイトをしていた場合

一般的に、学業期間中のアルバイトは職歴として記載しませんが、卒業後のアルバイト就業や学業期間中のアルバイト就業で、応募企業にアピールできそうな内容は書きましょう。なお、リクルートエージェントでは、1週30時間以上就業するアルバイト・パート社員として、雇用契約を締結した場合は、社数の記載をお願いしています。

また、履歴書と合わせて提出する職務経歴書には、「なぜ正社員として転職せず、アルバイトをしていたのか」という理由も添えると良いでしょう。「資格取得の勉強をしていた」「新卒の就職活動で希望する仕事に就けなかったため、アルバイトをしながら就職活動をした」など、採用担当者が納得できるような理由を書くことがポイントです。

一方、「働いた経験はアルバイトのみ」という場合は、職歴欄にアルバイト先で担当した仕事の詳細を記載することをおすすめします。職歴を空欄のままにすると、「就労経験がない」と思われる可能性があります。

【アルバイトをしていた場合の見本】

         職歴
20XX 4 ○○株式会社 入社
インターネット事業部にてネットワーク構築を行う
20XX 1 一身上の都合により退職
20XX 4 △△株式会社 入社 (アルバイト)
飲食店にて接客、新人スタッフの育成、シフト管理に従事
一身上の都合により退職
株式会社△△入社
販売促進本部 首都圏エリアを担当
PCおよびPC関連機器の量販店向け営業を行う
                        以上

自営業や個人事業主から転職する場合

起業して自ら会社を経営していた場合は、起業・相続した会社名を記載した上で、「設立」と書きます。会社をたたんだ場合は「解散」と書きます。

【会社を経営していた場合の見本】

職歴
20XX 4 ○○株式会社 設立
Webサイト制作を中心とした事業を展開
20XX 2 ○○株式会社 解散

個人事業主(フリーランス含む)として起業した場合は、屋号を使っていた場合は屋号を記載した上で「開業」と書きます。やめた場合は「廃業」と記載します。会社に勤務していた場合と同様に、事業内容も添えましょう。

【個人事業主(フリーランス含む)の場合の見本】

職歴
20XX 4 〇〇〇〇〇〇 開業
Webサイト制作を中心とした事業を展開
20XX 2 〇〇〇〇〇〇 廃業

職歴が多い!履歴書の職歴を省略してもいい?知られたらどうなる?

パート・アルバイトの仕事を複数経験したり、転職回数が多かったりするなどの場合は、「職歴が多くて書ききれない」というケースもあるでしょう。ここでは、「どこまで記載することが必要なのか」「どこまでなら省略してもいいのか」という疑問にお答えします。

パート・アルバイトの場合は省略していい?

先にも述べた通り、一般的に学業期間中のアルバイト経験については記載しません。ただし、卒業後のアルバイト就業や学業期間中のアルバイト就業で、担当した職務内容が応募企業の職務内容に関係している場合や、一定以上の責任を任されていた場合、さらに、ビジネスマナーの基本を習得していることをアピールできるような場合などは、「アルバイトであること」を明記した上で記載しましょう。パートの場合も同様です。

リクルートエージェントでは、1週30時間以上就業するアルバイト・パート社員として、雇用契約を締結した場合は、社数の記載をお願いしています。

試用期間中の退職など、就労期間が短いものは省略してもいい?

短期間で退職に至った会社や、試用期間中に辞めた会社などについて、「短い期間しか働いていないのに書いてもいいのだろうか」「わざわざ書く必要もないのでは?」と考える人もいますが、省略せずに記載しましょう。就労期間が短い場合や試用期間中に退職した場合でも職歴に該当するため、原則、履歴書に職歴として記載することが必要です。

履歴書の職歴欄、省略したらわかる?知られたらどうなる?

職歴を省略して転職活動をした場合、省略した期間は「ブランク(空白期間)」として認識され、面接で「その期間に何をしていたのか」を聞かれるでしょう。回答に詰まってしまうなどで省略していることが発覚し、採用担当者に不信感を抱かれる可能性もあります。

また、面接で聞かれることがないまま内定を得た場合にも、応募企業に採用された後、社会保険の加入歴や、離職票の提出を求められるなどで、省略していたことが発覚するかもしれません。省略していたことが発覚した場合には、経歴詐称を疑われて内定取り消しになったり、入社後の立場が悪くなってしまったりする可能性もあるでしょう。

職歴が多くて履歴書に書ききれない場合の対処法

転職回数が多いなどで、「職歴が多くて履歴書に書ききれない」という場合の対処法を紹介します。

転職回数が多い場合の職歴欄の見本

学歴・職歴
20XX 4 ◯○高等学校 入学
20XX 3 ◯○高等学校 卒業
20XX 4 △△大学◯◯学部××学科 入学
20XX 3 △△大学◯◯学部××学科 卒業
職歴
20XX 4 ○○株式会社 入社(2007年7月 退職)
20XX 8 □□株式会社 入社(2009年9月 退職)
20XX 9 株式会社△△ 入社(2012年8月 退職)
販売促進本部にてPCおよびPC関連機器の量販店向け営業を担当
20XX 9 株式会社〇〇〇〇 入社(2019年4月 退職)
営業支援本部にて営業支援の企画を担当
20XX 5 株式会社□□□□ 入社
経営企画部にて組織体制の整備と中長期経営計画立案・策定を担当
現在に至る
                        以上

学歴の一部を省略する

学歴については、小学校・中学校など義務教育の学歴の一部を省略する方法もあります。高等学校卒業以上の学歴を持っている場合は、高等学校入学から最終学歴の卒業歴までを記入することをおすすめします。

1社の職歴は1行に収める

職歴は、一般的には入社・退職を2行に分けて書きますが、職歴が多くて書ききれない場合は、1社の入社・退職を1行にまとめて書いても問題ないでしょう。

【書き方の例】

職歴
20XX 4 ○○株式会社 入社(2007年7月 退職)

配属先と業務内容を省略する

履歴書の職歴欄では、配属先と業務内容の記載は必須とされていないため、省略しても良いでしょう。ただし、応募企業にアピールしたい内容は記載することをおすすめします。

【書き方の例】

職歴
20XX 8 ○○株式会社 入社(2009年9月 退職)
20XX 9 □□株式会社 入社(2012年8月 退職)
販売促進本部にてPCおよびPC関連機器の量販店向け営業を担当

「現在に至る」「以上」を同じ行に書く

学歴・職歴の記入欄にすべての職歴を記載した上で、1行分しか余らなかった場合には、「現在に至る」と「以上」を同じ行に書き込んでも問題ありません。

【書き方の例】

職歴
20XX 5 ○○株式会社 入社
経営企画部にて組織体制の整備と中長期経営計画立案・策定を担当
20XX 9 現在に至る                    以上

学歴・職歴欄が多い履歴書を使う方法もある

履歴書のフォーマットには、厚生労働省が推奨している様式がありますが、職歴が多くてどうしても書ききれないという場合には、学歴・職歴欄を広くとっている履歴書を使うのも一つの方法です。

詳細な職歴は職務経歴書に記載する

履歴書の職歴欄にどうしても職歴が収まり切らない場合は、職務経歴書に職歴の詳細を記載した上で、履歴書には「〇〇年〇月~○○年〇年〇月まで〇社を経験。詳細は職務経歴書に記載しております」など、期間と経験社数を書き添えると良いでしょう。

【書き方の見本】

職歴
2002 4 ○○株式会社入社(2002年7月 退職)
2003 8 □□株式会社 入社(2006年2月 退職)
2009 9 株式会社△△ 入社(2012年8月 退職)
販売促進本部にてPCおよびPC関連機器の量販店向け営業を担当
2012 9 株式会社〇〇〇〇 入社(2019年4月 退職)
営業支援本部にて営業支援の企画を担当
2019 5 株式会社□□□□ 入社
経営企画部にて組織体制の整備と中長期経営計画立案・策定を担当
現在に至る                    以上
※2006年3月~2009年8月まで4社を経験。詳細は職務経歴書に記載しております

社名が長すぎて一行以内に収まらない場合は?

会社名が長い場合も、株式会社を(株)などと省略せずに、正式な名称で書きましょう。
スペースが足りないときは、株式会社を小さめに書いて改行する方法もあります。

転職回数が多い場合、退職した理由を書くべき?職歴欄の書き方は?

「転職回数が多くてマイナス印象につながるのでは?」など、不安を抱えている場合は、それぞれの会社を退職し、転職に向かった背景・理由にも触れると良いでしょう。退職・転職した理由を詳しく伝えたい場合は、履歴書と合わせて提出する職務経歴書に書くことをおすすめします。

【退職理由を書く場合の見本】

         職歴
20XX 4 ○○株式会社 入社
インターネット事業部 開発チーム
システムエンジニアとしてネットワーク構築を行う
配偶者の転勤に伴い、退職
20XX 3 株式会社△△入社
販売促進本部 関東エリア担当
PCおよびPC関連機器の量販店向け営業を行う
主任としてメンバー5人の指導・育成
国内だけでなく、海外での活動を行いたく、転職を決意
現在に至る                     以上
記事作成日:2018年12月25日 記事更新日:2024年10月02日

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