応募先企業の担当者から面接中に重要な話をされた場合、忘れないようにメモを取っていいのか悩む人は多いようです。例えば、今後どのような選考がいつごろ行われるのか、就業規則や勤務形態、実際に仕事をする雇用条件などをメモに残しておきたいと思う方もいるでしょう。
ここでは面接中にメモを取る際の注意点や、面接担当者に失礼にならないようなマナーについて、分かりやすく説明していきます。
目次
面接でメモを取りたい場合は面接開始前に確認を
面接中の話をメモに残したい場合、面接開始前に「面接中、メモを取ってもよろしいでしょうか?」と担当者に確認することをおすすめします。
仮にメモを取ってよいとなっても、メモを取るタイミングなどには注意した方が無難です。例えば、担当者が質問をしている時にメモを取っている場合「質問に集中していないのではないか?」と受け取られる可能性もあります。また、メモを取る時間があまりにも長すぎると、担当者を待たせることになってしまい、印象が悪くなる場合もあるので注意しましょう。
面接でメモしていい内容
面接ではメモする内容を最小限に抑えることが大切です。どのような内容の際にメモをとってもよいのかについて説明します。
勤務条件
雇用形態や労働時間(フレックスタイム制や裁量労働制)などは、実際に仕事をする条件として重要です。しかし、最終的に労働条件通知書などの書面で説明されることが多いため、メモは正社員採用が契約社員雇用になった等の大きな変更が生じたときだけに抑えるとよいでしょう。
就業規則
試用期間の有無などは基本的に求人票に記載があるはずなので、メモの必要性は高くありません。しかし、求人票には使用期間が6ヶ月と書かれていたが実際は3ヶ月だった等の変更・訂正がある場合は、メモしておくことをおすすめします。
採用の流れ
今後「採用がどのように進んでいくのか」「どのような選考がいつごろ行われるのか」「その際に提出する書類や持ち物は何か」「内定結果はいつごろ分かるのか」などを忘れないようにするために、メモを残しておくと役立つでしょう。スケジュールを組んだり、面接対策を立てたりする際に役立ちます。
応募先企業の情報
上記のような事務的な内容だけでなく、企業理解を深めるために面接担当者が教えてくれた企業の強みや展望、組織構成などはメモするとよいでしょう。企業への興味関心を示せる効果もあります。このとき、長い時間メモをとりすぎないように気を付けることが大切です。
面接でメモをする際の注意点
実際に面接でメモをする際の注意点について説明します。
メモは最小限に抑えて「会話すること」を第一に
面接は応募先企業の担当者とあなたが「会話」しながら、自分をアピールしたり、より企業理解を深めたりする場と考えられます。そのため、まずは人との会話のマナーをふまえ、相手の顔を見ながら話す、相手の話を聞いて理解することに力を入れ、メモを取るのは最小限にとどめておくことをおすすめします。
また、メモを取っている時間が長いと会話が途切れたり、面接担当者を待たせてしまったりする可能性も考えられます。メモを取っている間も「会話」していることを意識し、スムーズに面接が進むよう配慮しましょう。
面接中にメモを取るべきタイミングとバランスに注意しよう
面接の内容は、これまでのあなたの職歴、経験してきたことや身に付けたスキル、志望動機や入社後にどう貢献できるかなどを面接担当者に話す時間、面接担当者からの質問に答える時間、あなたから面接担当者に質問する時間で構成されることが一般的です。
いずれの場合にしても、自己アピールや入社への熱意を伝えるタイミングでは会話に集中することをおすすめします。
メモを熱心に取る姿は、一生懸命だという良いイメージを与えることもありますが、あまりにメモを取ることに集中してしまい、会話にならなかった、あるいは伝えるべきことを伝えられなかったとなると、メモを取ることが逆効果になる可能性も考えられます。会話とメモのバランスを考えながら面接に臨むようにしましょう。
メモ帳の大きさとデザインはビジネス向けにする
面接中にメモをとる場合は、メモ帳をビジネス向けの大きさとデザインにすることをおすすめします。大きさはカバンからの取り出しが簡単で、メモするスペースも確保できるポケットサイズが便利です。デザインは面接担当者の目に入ることも考えて、汚れていないシンプルな物を選びましょう。
メモを見ながら面接を受けてよいの?
では、メモを取るのではなく、事前に準備してきたメモを見ながら話すのは問題ないのかについて説明します。
メモに頼らず回答できるのがベスト
一般的には想定される質問に対し、メモに頼らずに回答できるのがベストと考えられています。なぜなら面接は、あなたと担当者が直接「会話」する場であると考えられているからです。あなたの職歴やアピールポイントを話す場合、担当者は「当然、自分のことは分かっているだろう」と思っているでしょう。この時にメモを見るのは、面接に対する準備不足などの印象を持たれてしまう可能性があります。
メモを見るのは逆質問にとどめる
「メモを見ながらでないと不安」という人でも、メモを見ながら会話するのは「逆質問」の時にとどめておくことをおすすめします。「逆質問」とは、一通りの話が終わった後、担当者から「何か質問はありませんか?」と尋ねられることです。「逆質問」は、事前に下調べをしないと質問できないことが多いです。そのため、調べた結果、確認したいことをメモに取っておいたと考え「しっかり調べている」という印象になる可能性もあります。ただし、この場合も質問された際にメモを見てもよいか確認しましょう。
Web面接でもメモを見ないで話す方が無難
Web面接でも対面の面接と同じスタンスで話す方が無難です。その理由について説明します。
棒読みになって想いが伝わりにくい
Web面接で話す内容をメモしていると、面接担当者からはメモが見えないとしても、言葉に感情が入らず想いが伝わりにくくなってしまう可能性があります。受け答えが棒読みになってしまうと、面接担当者が違和感を覚えたり入社意欲が弱いと感じたりしてしまうので注意が必要です。
目線が不自然になる
Web面接では、パソコン画面のカメラや面接担当者を見て話すことが一般的です。しかし、メモを見ながら話すと目線が泳いでいるように見られてしまいます。この結果、面接担当者にメモを見ていることが伝わってしまったり、良い印象を与えられなかったりする恐れがあります。
面接担当者がメモを取らないのは不合格のサインではない
面接中に、面接担当者がメモを取らないのは不合格のサインではないかと感じる人がいるかもしれません。しかし、面接担当者がメモを取らないからといって不合格であるとは限りません。面接担当者は応募者の話を聞くことに集中し、所作や言葉遣いを確認している可能性もあるからです。
面接担当者がメモを取るかどうかを気にしていると、自分の受け答えに集中できない可能性が考えられます。面接中はとにかく「会話」することに集中して臨みましょう。