履歴書の免許・資格欄を書くときは、どのような点に注意すればよいのでしょうか。免許・資格欄にも書き方にルールがあるため、正しく記載する必要があります。そこで、ルールやポイント、書き方例を組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタントの粟野友樹氏に解説いただきました。
履歴書の免許・資格欄の書き方
免許・資格欄の書き方にはいくつかのルールがあります。免許証や合格証書などを確認し、以下を参考に正しく記載しましょう。
アピール力の高い順に記載する
記載の順番は、古い順に記載する方法もあるものの、応募先へのアピールにつながるものから記載することをおすすめします。応募先の業種や職種に関連する免許や資格を優先して記載する方法です。たとえば、経理職への応募では簿記の資格、教育関連の職には教員免許など、その仕事で活用できる資格を優先しましょう。
これにより、採用担当者に対して仕事に適したスキルや知識を持っていることを効果的にアピールできるでしょう。
取得年は和暦か西暦で統一する
免許・資格の取得年については、学歴・職歴や誕生日などの他の欄と和暦・西暦を統一して表記します。取得月も合わせて記載します。
免許・資格名称は正式名称で
略称や通称を用いずに、正式な名称で記載しましょう。略称・通称では正確な免許・資格名称が分からない場合や、どの免許・資格なのか混同する可能性があるからです。取得時から名称が変わっているものは「〇〇検定(現:△△検定)」というように、現在の名称を添えると親切です。
「取得」「合格」は正しく使い分ける
免許・資格によって「取得」「合格」など文言が異なるため、正しく使い分けましょう。合格ラインが設けられている免許・資格は「合格」、仕事をするために必要な免許・資格は「取得」とするケースが多いです。これらを記すときは、正式名称の後に半角程度のスペースを設けると見やすくなるのでおすすめです。
階級・種別・スコアなども記載する
「実用英語技能検定〇級」「△級ファイナンシャル・プランニング技能士」などのように階級や種別、 TOEIC® L&R TEST などのようにスコアがある場合は、併せて記載することをおすすめします。実際にどの程度の知識があるのか、正確に伝えるためです。
※ TOEICはETSの登録商標です。このウェブサイトはETSの検討を受けまたはその承認を得たものではありません。
取得予定の免許・資格を記載してもよい
資格等の取得を目指している、または近い将来取得予定がある場合、成長への意欲や将来性をアピールする良い機会なので、「〇〇資格取得に向けて勉強中」などと明示のうえ記載することをおすすめします。ただし記載する内容は、求人情報に載っている推奨資格など、応募先の仕事に関連するものが望ましいでしょう。
最後は「以上」と記載する
すべての免許・資格を書いたら、最後に「以上」と記載しましょう。
免許・資格欄の書き方例
記載することが多い免許・資格の具体的な書き方を紹介します。実際に履歴書に記載する際の参考にしてください。
自動車運転免許の場合
年 | 月 | 免許・資格 |
令和X | 3 | 普通自動車第一種免許 取得 |
取得日は運転免許証の左下に記載されています。交付欄には免許証発行日が記されており、取得日と異なる場合があるので注意しましょう。
また、「二・小・原(二輪・小型特殊自動車・原付)」など同じ種類で複数の免許を取得している場合は、運転免許センター発行の運転免許経歴証明書を参考にすることをおすすめします。
■各自動車免許の正式名称は以下の通りです
大型 | 大型自動車免許 |
中型 | 中型自動車免許 |
準中型 | 準中型自動車免許 |
普通 | 普通自動車免許 |
大特 | 大型特殊自動車免許 |
大自二 | 大型自動二輪車免許 |
普自二 | 普通自動二輪車免許 |
小特 | 小型特殊自動車免許 |
原付 | 原動機付自転車免許 |
その他の免許の場合
年 | 月 | 免許・資格 |
令和X | 3 | 食品衛生責任者 取得 |
検定試験の場合
年 | 月 | 免許・資格 |
令和X | 1 | 日本商工会議所簿記検定1級 合格 |
簿記などのように主催団体によって階級が異なる検定もあるので、念のため合格証書を確認することをおすすめします。
資格の場合
年 | 月 | 免許・資格 |
令和X | 12 | 宅地建物取引士 取得 |
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。