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営業職の志望動機でアピールすることは?面接や履歴書での伝え方を紹介【例文付き】

営業 志望動機

面接の質疑応答でよく問われる「志望動機」。経験・スキルが同程度の応募者が複数いた場合、より説得力がある志望動機を語った応募者が選ばれるケースがあります。さらには、経験が少ない人や営業未経験者が意欲や成長性を志望動機によって評価され、採用されるケースも少なくありません。営業職への転職を図る場合の志望動機の伝え方のポイントについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。営業タイプごとの例文もご紹介しますので、参考にしてみてください。

営業の「志望動機」を伝えるときに必要なこと

営業職に応募する際の志望動機として、「取り扱う商材の魅力」を挙げる人が見られます。しかし、企業側は「自社の商材を気に入ってくれるか」という点以上に、「自社で活躍してくれる可能性」を確認していると考えられます。そうした「企業側の視点」「企業側のニーズ」を意識してアピールすることが大切です。具体的にご紹介しましょう。

応募企業が求めている経験・スキルをピックアップする

営業に必要なスキルは、営業の種類によって異なるでしょう。一例を挙げますので参考にしてみてください。

  • 個人向け営業
    初対面の人とも早く打ち解け、安心感を持ってもらえるコミュニケーション力など
  • 法人向け営業
    論理的なプレゼンテーション力、フットワークの軽さ、関連部署との連携力など
  • 無形商材の営業
    顧客のニーズや課題を引き出すヒアリング力、企画提案力など
  • 有形商材の営業
    製品の機能・特性・使用方法などをわかりやすく説明するプレゼンテーション力。納期などのスケジュール管理力、生産部門や仕入れ先などとの折衝・調整力など

このほか、扱う商材や顧客層、営業手法などにより必要なスキルが異なります。応募企業の営業の特性を調べて、求められている経験・スキルと自身が持つ経験・スキルの共通点をピックアップしましょう。

自分の強みを応募企業でどう活かせるかをアピール

自分が強みとしている経験やスキルを応募企業でどのように活かせるかを考えて、志望動機に盛り込みましょう。例えば、「応募企業がこれから開拓しようとしているマーケットの知見を持っている」「応募企業がまだ使っていない営業手法のノウハウを持っている」などです。

強みを伝える際には、これまでに成果を挙げた具体的なエピソードや数字を用いることで説得力が高まるでしょう。

応募企業に感じた魅力や働きたいと思った理由を伝える

企業研究をしっかりと行い、魅力に感じたポイントを伝えます。このとき、条件面や成長性といったことだけでなく、自分の価値観や志向にマッチしている部分に注目してみてください。

転職する理由や目的、今後のキャリアビジョン・プランを整理し、働くうえで自分が大事にしたいこと・こだわり・目指すものを明確化します。応募企業であれば、「大事なことやこだわりを実践して成果を挙げられる」「目指すキャリアを実現できる」と考えていることを伝えましょう。

「業績給」「歩合給」制度がある企業の場合

「業績給」「歩合給」など、成果重視の制度を設けている企業の場合、次のような表現で志望動機を伝えると、「自社に合いそう」という印象を与えられる可能性が考えられます。

「成果に応じた評価を得られる働き方を求めている」
「営業としての力を、結果で評価される厳しい環境に身を置くことによって磨きたい」

併せて、営業目標に対する達成意欲の高さ、行動力、粘り強さ、やり抜く力などが強みであることが伝わるエピソードや実績も意識して伝えると、採用担当者は入社後の活躍イメージを持てるでしょう。

営業職でNGとされる志望動機

どのような商品・サービス、営業形態であっても、営業職であるからには「売上数字」の目標達成がミッションとなることが一般的です。目標に向けた積極的な取り組み姿勢や達成意欲が不足していると受け取られるような志望動機は避けるようにするとよいでしょう。

例えば、「チーム目標のみで個人目標を設定されないところに魅力を感じた」などの発言は、「営業活動や目標達成に対する意欲が高くないのではないか」といった懸念を抱かれるかもしれません。

また、志望動機では触れなくても、転職理由として語る前職への不満が「厳しく目標管理されるのが嫌だった」などであれば、目標達成意欲の低さを疑われかねません。

なお、「商品・サービスが魅力的だから」と語るのは問題ないのですが、それだけで終わるのは志望動機としてやや物足りなさを与えるかもしれません。「御社のサービスを○○といった顧客層にも新たに営業していきたい」「○○サービスをより効率的に拡販していくための方法論を確立して業績貢献をしたい」などのプラスαを語れると評価アップにつながる可能性があります。

未経験の場合の志望動機の伝え方

未経験で営業職への転職を目指す場合、「営業職を選んだ理由」「営業職の中でも、この会社を選んだ理由」「どのような強みを活かせると考えているか」を、セットで伝えることが大切です。

その業種・仕事に興味を持った背景・理由や、その会社だからこそ実現できると感じたことを語りましょう。また、業種や職種が変わっても、「ポータブルスキル(業界や職種を越えて持ち運びができるスキル)」を活かしてどのように活躍したいと考えているかを伝えるようにしましょう。

志望企業の企業研究をする

志望動機の説得力を高めるためには、志望企業の研究をすることが大切です。企業サイトを読み込むのはもちろん、ニュースリリース、各種メディアのインタビュー記事など、多角的に情報を収集することが重要です。

「新卒採用」サイトにも目を通すと、学生向けに事業や仕事の内容がわかりやすく説明されていることがあり、理解がしやすいでしょう。上場企業であれば、IRページなどで決算資料に目を通しておくのもお勧めです。

このように多角的に情報収集すると、「自分が仕事において大切にしたいこと」との共通点を発見しやすくなり、志望動機を明確化しやすいでしょう。また、「自社のことをよく調べている」と、採用担当者にプラスの印象を持ってもらえる可能性があります。

【営業タイプ別】応募書類・面接で使える「志望動機」の伝え方の例文

志望動機の伝え方の一例を、営業タイプ別にご紹介します。自身が目指す営業タイプ・業種に近いものを参考にしてみてください。

法人営業

例文①IT・ネット営業(業界経験者)

「中小企業の業務効率化を支援するプロダクトで、日本の産業を支えていく」という理念に共感し、志望いたしました。現在は、大手企業向けのセールス・マーケティングを支援するITツールの営業を担当しております。

ITの力で生産性アップに貢献することをやりがいに感じており、まだまだ非効率な部分が多く残る中小企業に特化することで、変革のインパクトをより強く感じられるのではないかと考えました。

御社のプロダクトは提案の幅が広く、多様な業界の中小企業を支援できると思います。前職で身に付けた提案力・課題解決力を活かし、顧客の変革の支援、利益向上に貢献したいと考えております。

例文②人材営業(業界未経験者)

これまではシステムインテグレーターで法人営業を務めてきました。顧客の課題をヒアリングしていると、「人材」の悩みが深刻であることを実感し、「採用」という側面から課題解決を支援したいという思いが強くなり、志望いたしました。特にシステム導入だけでは解決できない部分が多くあると感じていたからです。

人材業界は未経験ですが、顧客へのヒアリングで課題を引き出し、ソリューションを提案してきた経験が活かせると考えています。特にITエンジニアは前職でも接する機会が多く、価値観や志向性を理解しているので、その視点も活かしたいと思います。

ポイント

法人営業の採用選考においては、「論理的思考力」「分析力」「課題発見力」「提案力」などが重視されることもあります。これまでの経験でそれらを身に付けており、応募企業でも活かしたいと考えていることを伝えると、プラス評価につながる可能性があるでしょう。加えて、働くうえで大切にしていることや今後の目標を伝えると、成長性に期待感を持たれるでしょう。

個人営業

例文①不動産営業(業界経験者)

営業数字のみならず、顧客満足度を重視する企業風土に魅力を感じ、志望いたしました。現職では住宅営業を行っていますが、高額商品だからこそ、お客様の要望を丁寧にヒアリングする、不明点がなくなるまでわかりやすく説明する、心から納得いただかない限り販売しない、といったことを大切にしてきました。

例文②生命保険営業(業界未経験者)

顧客対応に最大限集中できる営業体制・組織体制に魅力を感じ、志望いたしました。現職では、お客様に対する誠実な対応や、お客様ごとの状況や想いを詳細に把握して細やかに対応することで成果を挙げています。お客様から新規顧客を紹介いただけるほど信頼を得ることに喜びを感じています。

しかし、現職の組織体制では、顧客対応以外の業務も多く、また一人ひとりの顧客を長期にわたって担当できない点に物足りなさを感じています。御社の顧客志向の高い仕組みの中で、自分の強みを発揮していきたいと考えています。

ポイント

個人営業の採用選考においては、「気配り」「ホスピタリティ」「誠実さ」「わかりやすく伝える力」「傾聴力」などが注目されることが考えられます。これまでの経験でそれらを発揮してきた経験を伝え、応募企業でも活かそうとする意志を伝えることで、説得力が高い志望動機となるでしょう。顧客とのエピソードを語れるように準備しておくのもお勧めです。

無形商材の営業

広告営業として、お客様のターゲット像を踏まえた訴求内容・表現の提案に注力してきました。自身のアイデアで効果が改善し、利益につながることにやりがいを感じています。

現職では自社メディアの提案しかできませんが、御社は○○業界に特化した広告代理店として、多様な媒体や手法を組み合わせ、一気通貫で提案できる点に魅力を感じています。これまでに培ったノウハウを活かし、お客様のプロモーション効果を最大化させ、業績に貢献したいと考えております。

ポイント

IT・ネット、広告、人材、金融など、形のない商材を扱う場合は、その人ならではのコミュニケーションスタイル、企画力、提案力などが注目されることもあります。「データを分析し、お客様自身が気付いていない課題を洗い出す」「目の前のお客様の心を揺り動かす」など、営業活動の中で自分がやりがいや面白みを感じる場面を挙げ、それができる環境が応募先企業にある、といった内容を伝えるようにするとよいでしょう。

有形商材営業

御社の商品は他社商品と比較しても○○の機能が特に優れているとお見受けしますので、自信を持ってお客様にお勧めできると考えています。私はお客様に嘘をついたりごまかしたりすることは絶対にしたくありませんし、自分が提供する商品に必ず満足いただきたいと思っています。また商品ラインナップやオプションも豊富なので、一人ひとりのお客様のニーズに合うものを提供できるところに魅力を感じています。

ポイント

有形商品を扱う企業の場合、志望動機で「商品の魅力」を語る人が多く見られます。しかし、面接担当者からは「商品力が強いから、営業の努力や工夫をあまりしなくてよいと考えているのだろう」と捉えられる可能性もありますので、注意が必要です。商品力の強さを活かした上で、自分がどのような営業をしたいのかを語りましょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2019年03月12日 記事更新日:2024年11月05日

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