転職活動で面接の時間に遅れそうになったとき、どのように対処すべきでしょうか。また、面接に遅刻をしてしまったら不採用になるのではと心配になる方もいるでしょう。
もちろん遅刻はあってはならないことですが、交通機関の遅延や運転中止など万が一の場合に備えて連絡方法を理解しておくことが大切です。応募先企業にマイナスの印象を与えない対処法について、組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタントの粟野友樹氏に解説いただきました。
面接で遅刻しても不採用にならない?
面接に遅刻すると選考に影響を及ぼす可能性がありますが、必ずしも不採用になるとは限りません。人身事故や天候などによる遅刻は、事前に気をつけていても避けられない場合があります。
大切なのは、遅刻しそうだと判明した後の対応方法です。採用担当者に真摯な態度で連絡できれば「対応力がある」と捉えてくれるかもしれません。また、やむを得ない理由で遅刻してしまうと伝われば、再度スケジュール調整を行ってくれることも考えられます。
面接に遅刻しそうな場合はすぐに電話をする
面接時間に間に合わなさそうとわかったら、その時点で企業に電話を入れましょう。電話する際は次のように伝えます。
【電話で遅刻を伝える例文】
採用担当の○○様はいらっしゃいますでしょうか。ただいま御社に向かっている途中なのですが、電車遅延の影響により到着時間が○時○分となる見込みです。貴重なお時間をいただいているところ大変申し訳ございません。
本日このまま御社に向かってもよろしいでしょうか。または改めて日程を調整していただくことは可能でしょうか。ご確認いただけますと幸いです」
h3:遅刻理由を述べ、謝罪する
まずは、面接担当者に取り次いでもらいましょう。「○時より面接のお約束をしている○○と申します」と名乗ってから遅刻しそうな旨を伝えます、
その後、誠意をもって「貴重なお時間をいただいているところ大変申し訳ございません」と謝罪します。このとき、必ず遅刻理由を添えましょう。
到着予定時間を伝える
次に到着予定時間を伝えますが、ギリギリの到着時間でなく余裕を持たせた時間を伝えることをおすすめします。仮にギリギリの時間に間に合わなかった場合、再度電話をかけることになってしまいます。また、面接担当者に何度も予定を変更してもらうなど、手間を取らせてしまう可能性もあるからです。
面接で改めて謝罪とお礼を伝える
遅刻しても面接を実施してくれる場合は、面接の冒頭で改めて遅刻したことに対する謝罪と、面接を行ってくれることに対するお礼を述べましょう。
伝える際は「本日はお忙しいところ貴重なお時間を割いてくださったにもかかわらず、遅刻してしまい大変申し訳ございませんでした。急な時間変更にも柔軟にご対応いただき感謝しております」と丁寧に気持ちを伝えることが大切です。
転職エージェントを利用している場合も、まずは企業に電話する
転職エージェントを利用している場合も、まずは企業に連絡します。面接案内メールなどに緊急連絡先として企業の採用担当者の連絡先が入っているケースが多いので、事前に確認しておきましょう。その後、エージェントの担当者にも連絡を入れ、状況を伝えます。
電話をかけられない場合
在籍企業でのアポイントが長引いてしまったなどの理由で、電話での連絡が難しい場合もあります。そのようなときは、以下のような対応方法があります。
メールで連絡する
採用担当者のアドレスを知っている場合、取り急ぎメールで遅刻しそうなことを伝えます。電話連絡と同様、まずは謝罪し、遅刻する理由と到着予定時間を伝えます。電話番号を知っている場合は、通話できる状況になったら電話もしておきましょう。
【メール文面例】電車遅延の場合
株式会社●● ●●様
お世話になっております。本日●時からの面接に伺う●●(名前)と申します。
本来ならお電話を差し上げるべきところですが、電車移動中のためメールにて失礼いたします。
誠に申し訳ございませんが、電車が遅延しており、貴社に伺うのが遅れてしまいそうです。
▲時には到着する見込みですが、このまま貴社に向かってもよろしいでしょうか。
ご確認いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
転職エージェントに連絡する
転職エージェントを利用している場合も、まずは企業の採用担当者に連絡し、その次に転職エージェントの担当者に連絡して対処法について指示を仰ぎましょう。
当日になってあわてないために
遅刻に十分注意していても、交通機関や天候の影響など、不可抗力による理由も想定されます。アクシデントに備えて、採用担当者の連絡先(電話番号・メールアドレス)を携帯電話に登録しておく、メモを取っておく、メールを保存しておくなどの方法で控えておくと安心です。面接当日は、連絡先を控えた携帯電話やメモを忘れずに持参しましょう。
前もって遅刻することが判明した場合は
面接当日ではなく事前に面接の時間に間に合わないことが判明した場合は、その時点で企業に電話で連絡し、謝罪とともに指定の時間に到着できない旨とその理由、変更が可能か相談しましょう。
できるだけ早いタイミングで電話するのが望ましいですが、応募先企業の就業時間外であれば取り急ぎメールで伝え、追って就業時間内に電話で連絡をしましょう。
転職エージェントを利用している場合は、エージェントの担当者に時間に間に合わない旨を伝え、面接日時の変更が可能かを打診します。
面接後にお詫びのメールを入れる
面接に遅刻をしてしまった場合は、できるだけ当日中にお詫びのメールを送りましょう。遅れてしまったことへの謝罪に加えて、時間調整をしてくださったことへの感謝も合わせて伝えます。早く伝えようと焦って面接の帰り道で文面を作成するのではなく、自宅に帰って落ち着いてからメールを作成すれば問題ありません。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。