大学を途中退学した方が履歴書を作成する際、「中退と履歴書に書くべき?」「中退はマイナスイメージになってしまうのでは?」などの疑問があると思いますが、実際はどうなのでしょう。ここでは、人事担当者に聞いた「大学中退者の扱い」についてのアンケート結果とあわせて、大学を中退した場合の学歴欄の書き方・面接での伝え方を解説します。大学を途中退学した方が履歴書を作成する際、「中退と履歴書に書くべき?」「中退はマイナスイメージになってしまうのでは?」などの疑問があると思いますが、実際はどうなのでしょう。
ここでは、大学を中退した場合の学歴欄の書き方について解説します。
目次
履歴書に大学中退について書くべき?
履歴書には事実を記載するのが大切なポイントでもあるため、大学を中退した事実があれば、学歴欄に書きましょう。
大学中退を記載するのは、気が進まないと思う方もいると思いますが、もし記載しなかった場合、高校卒業から就職までにブランクが生じるため、企業側は「この期間、何をしていたのだろう?」という疑問が生じ、面接で書かなかった理由を聞かれることもあるでしょう。
大学中退を明記することで、その大学に入学できるだけの学力があったことを証明できますし、企業によっては入学した事実を尊重して高卒者よりも昇格や給与面で優遇するところもあります。
人事担当者に聞く「大学中退者の扱い」は?
人事担当者が大学中退者の学歴をどう見ているのか、リクルートが企業の人事担当者に実施したアンケート調査をみてみましょう。
総務省では最終学歴は「最も高い教育期間を卒業した経歴」と定義しており、その定義では大学中退の場合、最終学歴は高等学校卒業等の扱いになります。しかしアンケート調査では、大学中退者の最終学歴は、「大卒」とみなす人事担当者が12.3%、「場合による」とした人事担当者が16.7%、という回答になりました。
また、「場合による」と回答した人事担当者に内容を聞いてみたところ、「在籍期間」「人物」によって判断しているケースが半数を超えていることが分かりました。
※調査概要:一年内に中途採用に関わった人事担当者300名を対象(2019年3月実施)
調査会社:クロス・マーケティング
大学中退の「理由」は書いたほうがいい?
大学中退の理由を書くかどうかはケースバイケースです。ネガティブな理由の場合は、無理に書く必要はありません。下記のような、やむを得ない事情が理由の場合やポジティブな理由がある場合は記載したほうがいいでしょう。
【やむを得ない事情が理由の場合】
・家庭の事情
・体調不良
【ポジティブな理由の場合】
・新たな目標ができ勉強のため
・留学のため
・ビジネス経験を積むため
大学中退の履歴書の書き方例
大学中退の書き方は、中退した年月・学校、学部学、科名のあとに「中途退学」と記載します。「中退」と略さずに書きましょう。また、中退理由を記載するなら「中途退学」のあとに記載します。記載するスペースがない場合は、本人希望欄や職務経歴書に中退理由を記載しましょう。
【理由を書かない場合】
年 | 月 | 学歴 |
20XX年 | 9月 | 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 中途退学 |
【病気療養の場合】
年 | 月 | 学歴 |
20XX年 | 9月 | 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 中途退学 (病気療養のため:現在は完治しており勤務に支障なし) |
【経済的理由の場合】
年 | 月 | 学歴 |
20XX年 | 9月 | 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 中途退学(経済的理由) |
【海外留学の場合】
年 | 月 | 学歴 |
20XX年 | 9月 | 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 中途退学 (英語習得を目的とした海外留学のため) |
【大学中退後にアピールしたいアルバイト経験がある場合】
年 | 月 | 学歴 |
20XX年 | 9月 | 〇〇大学〇〇学部〇〇学科 中途退学(経済的理由) |
年 | 月 | 職歴 |
20XX年 | 9月 | 株式会社○○(ECサイト作成:広告担当)アルバイト入社 |
大学中退の場合の面接での伝え方
面接では中退理由を聞かれることもありますので、答えられるように準備をしておくとよいでしょう。その際、注意したいのはネガティブな中退理由の場合です。他責的な表現をしてしまうとマイナスイメージをもたれかねませんので、中退を経験したことで「今の自分にどうプラスになったのか」、「どのような成長があったのか」を軸に考えをまとめておくことをおすすめします。
大学中退にこだわる必要はなし。前向きに転職活動を
「大学中退=マイナスイメージ」ではなく、中退したからこそ得られたものに目を向け、これからどう仕事に携わっていくか、あるいは応募先企業にどれだけ貢献できるかということを考えましょう。大学中退したことで「自分の進む方向性がかたまり、それに向けて努力をしてきた」など、アピール材料につながる可能性もあります。納得できる理由を示せば、企業は必ずしもマイナス要素としてとらえるとは限りません。経験を重視し、学歴にはこだわらない企業もあるため、自信をもってあなたの強みをアピールし、転職活動に臨んでください。