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外資系企業への転職、志望動機は英語でどう伝える?

外資系企業に応募しようとしている皆さんに、英文履歴書作成や面接対策のポイントをお伝えします。外資系企業は選考でどこを見ているのか。経験・スキルが重視される外資系企業において、「志望動機」をどう伝えるか。外資系企業の人事を経て、現在はグローバル人材の育成を手がける株式会社AT Globe 代表取締役社長・鈴木美加子さんに教えていただきます。

外資系企業は選考で「志望動機」を重視するのか?

外資系企業の採用においては、何よりも「専門スキル」が評価対象となります。求人ポジションに経験・スキルがマッチしているかどうかで判断されますので、応募書類においても面接においても、経験・スキルをしっかり伝えることが大切です。

とはいえ、「想い」や「情熱」なども選考に影響するのは、日本企業と変わりません。経験・スキルが同じレベルの複数人が最終選考に残ったとしたら、面接官はやはり「この会社に入りたい」という想いが強い人に心を動かされます。

ですから、志望動機を伝えるにあたっては、「自分の経験・スキルを活かして貢献できると思うから」という観点だけでなく、なぜその会社が好きなのか、どんな思い入れを持っているのかもしっかり伝えましょう。

応募書類で、「志望動機」をどう伝える?

一般的に、英文での応募書類には「カバーレター」と「英文履歴書本体」の2種類があります。英文履歴書本体にはこれまでの経歴を記しますが、通常この文書には「志望動機」を書く欄は設けません。書くとすれば冒頭に、1~2行程度で簡潔にまとめます。

一方、書類送付の挨拶状である「カバーレター」。採用担当者が最初に目にする文書とあって、力を入れて書く方も多いのですが、実はカバーレターはほとんど読まれていないのが現実です。

読まれる可能性が低いカバーレターに力を入れるよりも、履歴書本体の内容を充実させましょう。経歴をただ順番に羅列するのではなく、相手企業が求めている経験と自分の経験が共通する部分を詳細に記すなど、志望企業に応じてカスタマイズする作業に時間をかけたほうが効果的です。こうして書類選考を通過すれば、面接の場で「想い」を伝えるチャンスが得られますから。

なお、通常は読まれないカバーレターが、場合によっては読まれることもあります。それは、求人票で指定している要件や職歴と、履歴書に記載されている要件・職歴が合致しないとき。「なぜ要件に合わない人が応募してきているんだろう?」と疑問を抱くと、理由を知るためにカバーレターを読むというわけです。

そこに書かれている志望動機が納得のいくものであり、経験・スキル以上に人物面に興味を持たれれば、面接に進める可能性もあります。応募条件から外れているけれど、強い志望動機を持っている方は、カバーレターに記しておいてはいかがでしょうか。

面接の場で、「志望動機」をどう伝える?

面接の場で、「志望動機」は必ず聞かれます。なぜその会社に入りたいのか、「想い」「こだわり」をしっかり語りましょう。ただし、「それは他社にも当てはまるのでは」と思われる伝え方では納得を得られません。

例えば、航空会社を志望する人が「旅行が好きだから」、製薬会社を志望する人が「人々の命を守り、社会に貢献したいから」と語ったとしましょう。想いは理解できても、「それなら同業他社でも構わないのでは」と思われてしまいます。その会社ならではの戦略や取り組みなどを挙げた上で、その会社に共感していることを伝えることが大切です。

そのためにも、企業ホームページには必ず目を通してください。面接官は、志望動機が弱いと感じると、その会社のホームページを読んでいれば答えられるような質問を、わざとすることがあります。そこで答えられないと、「ホームページも読んでいないとは、当社にそれほど興味を持っていないのか」と、本気度を疑われることになります。

また英語のスキルを活かしたいのであれば、英語力を聞かれたら「TOEICは970です。ビジネス会話には困りません」と伝え、自身のスキルと意欲を最大限アピールしましょう。100ある実力を120、150にみせるぐらいの気概が外資においては大切です。そうでないと、入社してから様々な場面で損をする人材になるからです。

英文レジュメで志望動機を伝える例文

I love traveling and joined ANA upon graduation from University.
I have three reasons why I would like to apply for your company`s open position.
Firstly, I wish I could use English at work. My effort to study English led to TOEIC800 score. I have no opportunity to utilize English at my current employer. Secondly, your company is strengthening direct flights to Asia where economic potential is huge.
Last of all, your company`s mileage program is getting more attractive.
These are the reasons why I would like to apply for the position.

(私は旅行が好きで、大学卒業後ANAに就職しました。今回の求人に興味がある理由は3つあります。まず、やっとTOEIC800点になった英語を職場で使いたいからです。2番目に御社のアジア路線強化を戦略的だと感じています。最後に、マイレージプログラムをどんどん魅力的なものにされていることが挙げられます)

伝える内容だけでなく、「アイコンタクト」を意識しよう

外資系企業の面接においては、「アイコンタクト」も重要です。面接のやりとりが英語であっても日本語であっても、相手の目を見て会話することを心がけてください。

日本では、面接指導やコミュニケーション研修において、「人と話すときは、3割程度は相手の目を見て、7割程度は視線を外して相手の喉あたりを見ましょう」とアドバイスされることもるようです。

ところが外資系では、日本人同士であってもアイコンタクトを取るのが当たり前。会話中に視線を外す人に対しては違和感を抱きます。「英語でのコミュニケーションに慣れていない」と思われると不利になります。「志望動機」という、自分の意思を伝える場面では特に、相手の目を見て話すことを意識しましょう。

株式会社AT Globe 代表取締役社長 グローバル人材育成プロデューサー
Lumina Spark & Leaderプラクティショナー ホフテード認定講師
鈴木美加子さん

大学時代から独学で英語を学び、22歳で英検1級に合格。日本GEに入社し人事部に所属後、製薬会社、証券会社、IT企業など外資系企業数社で人事・人事責任者を務め、2014年にAT Globeを設立。現在、個人向けには英国発のアセスメントツール「Lumina Spark」を用いた個別キャリア相談、転職支援などを行っている。著書に『やっぱり外資系!がいい人の必勝転職AtoZ』(青春出版社)。

リクルートエージェントでは、応募した企業の面接で質問されることなどの傾向や、どんな候補者が評価されるかなどの情報をお伝えすることができます。面接対策にお悩みの方はぜひ相談に来てみてください。