転職エージェント トップ > 転職成功ガイド > 転職準備 > 転職の時期は何月が多い? ボーナスなどケース別や転職市場から見るタイミング

転職の時期は何月が多い? ボーナスなどケース別や転職市場から見るタイミング

「ボーナスをもらって辞めたい」「有利な条件で転職したい」――そうした理由から、いつ転職活動を始めて、何月の転職を目指すべきかについて悩む人は多いようです。当然ながら、転職活動のベストタイミングは人によって異なりますが、判断材料の一つとして、目的別の転職事例や、一般的な転職市場の動向をつかんでおくといいでしょう。さまざまなケースでの転職活動に適した時期について、組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタントの粟野友樹氏と、社会保険労務士の岡佳伸氏に伺いました。

転職時期は何月が多い? 【目的別】

「ボーナスをもらって辞めたい」「ライバルが少ない時期に転職したい」などの目的別に、どのようなタイミングで転職する例が多いのかを見てみましょう。

転職活動にかかる期間は3〜6カ月が一般的

転職時期のタイミングを図るためには、まず転職活動にかかる期間を把握することが必要です。一般的に、転職活動開始から新しい会社に入社するまでの期間は、3〜6カ月ほどと言われています。現職の忙しさや転職活動のスタイル、退職交渉の進捗などによって幅がありますが、「転職準備・書類作成」約2週間、「応募・面接」約2カ月、「内定・退職」約1カ月半をおおよその目安とし、自分の状況に当てはめて考えるといいでしょう。

ボーナスをもらって辞めたい場合

ボーナスをもらって辞める場合は、就業規則で賞与の支払い規定(○月○日時点で会社に在籍しているのが条件など)を確認した上で、転職時期を判断することが必要です。一般的には、ボーナスが支給された少し後に退職の意向を会社に伝えて、退職交渉に入るのが安全だと考えられます。従って、7月上旬にボーナスが出る場合は6月頭から、12月なら11月の頭からというように、ボーナス支給時期の1カ月ほど前から転職活動を始め、支給時期後に内定を獲得すればスムーズでしょう。

第二新卒の場合

中途採用の方法には「通年採用」と「一時的な採用」の2種類があり、志望する企業によって転職できる時期は変わる傾向があります。
例えば、事業が急成長しているベンチャー企業などでは、常に人材が欲しいため、通年で第二新卒を受け入れるケースがあります。一方で大手などでは、新卒の一括採用が充足できなかったときなどに、第二新卒の中途採用に切り替えるケースもあります。この場合、新卒採用の状況が判明した7月〜9月頃に、一時的に第二新卒の採用をすることが多いようです。また、新卒と同時に研修をするために、4月入社を目指して第二新卒を採用するケースもあり、この場合は1月〜3月に採用活動が行われます。

社会保険料等の負担を軽くしたい場合

退職交渉で「退職日」を調整する場合、退職日によって社会保険料の負担額が変わることにも注意が必要です。

前提として、社会保険は退職日の翌日が被保険者の「資格喪失日」となり、「資格喪失日」を含む月に新たな会社に入社しない場合、自分で退職月の社会保険料を負担することになります。

例えば6月15日に退職し、7月1日に転職先に入社した場合、自分で6月分の社会保険の変更手続きをしたうえで、それまで会社と折半してきた保険料を全額負担するか、または家族の被扶養者となる対応が必要です。一方、同じ入社日で6月30日を退職日にした場合、資格失効日は7月1日となるので、6月分の社会保険料は前の会社が半額負担し、7月以降の社会保険料は、転職先の会社がこれまでと同様に半額を負担してくれます。
さらに、6月10日に退職し、6月20日に入社した場合、離職中の社会保険の変更手続きは必要ですが、6月分の社会保険料は新しく入社した会社が半額負担してくれます。

従って、転職時の社会保険料の負担を軽くするには、退職日と入社日が月をまたがないようにするか、またぐ場合は月末を退職日にすること。理想としては、退職日の翌日を入社日とし、離職期間を作らないことでしょう。

選択肢が多い時期を選びたい場合

なるべく多くの求人を比較検討して転職先を選びたいという場合、求人の増える次の3つのタイミングを狙って転職活動をする方法があります。一つめは企業が4月に向けて人員体制を整えようと採用活動を行う1月〜3月。二つめは企業の中途採用の計画が実行され、大量採用をするケースもある5月〜7月。三つめは下半期の求人が動き出す9〜10月です。

ライバルが少ない時期を狙う場合

転職が初めての人や、転職時期にこだわりのない人は、一般的にボーナスをもらった時点で転職活動を始める傾向があります。従って、競争相手が少ない状況で転職活動をしたいのなら、そうした人たちより一足早く行動を起こすといいかもしれません。多くの企業が6〜7月にボーナスを支給するとすれば、5月から転職活動を開始。12月の支給であれば、10月頃から動き出せば、比較的ライバルが少ない状態で進められる可能性があります。

準備期間にじっくり考えたい場合

多忙で転職活動に時間を割くのが難しい人の場合、ゴールデンウィークや夏期休暇、年末年始などの長期休暇を利用して、業界研究、企業研究、履歴書や職務経歴書作成に取り組むケースが多いようです。その時期は企業の採用活動も停滞していることが多いため、じっくりと応募先の比較検討ができます。休み明けに本格的な応募を始め、内定を得て転職できるタイミングとしてはだいたい7月、10月、3月頃となるでしょう。

1年間の転職市場から考える転職時期は?

では、1年を通して転職市場の方はどのように動くのでしょうか。企業側の事情による、それぞれの時期の一般的な傾向をご紹介します。

1月~3月は、新年度の体制づくりを目的とする採用が活発

新年度が始まる4月に向けて、1月頃から新年度の事業計画にもとづく求人が増えます。「新卒入社者と同時に研修を行える」というメリットもあり、4月1日入社が可能な人を対象とする求人が多く見られます。また、年度末で退職する社員の欠員補充のニーズも生まれます。ただし、3月後半には新卒採用活動が始まることもあり、人事が多忙になることから、中途の新規募集はやや鈍ります。

4月は中途採用活動が停滞

4月は、人事担当者が新入社員の受け入れや翌年の新卒採用活動で多忙になるため、中途採用活動を一旦ストップする企業が多数。新卒採用と中途採用の担当が分かれている企業では中途採用も継続しますが、新年度は何かと慌ただしく、選考まで手が回らないこともあります。一方、大手企業の採用活動が鈍るこの時期を狙って、採用活動を強化する中小ベンチャー企業も見られます。

5月~7月は採用計画が始動

ゴールデンウィークが明ける頃には、今年度の事業計画・人員計画も定まり、採用が動き始めます。「大量採用」が始まるのもこの時期です。なお、6月~7月はボーナスをもらって退職する人が増えるため、欠員補充のための求人も出てきます。

8月も採用は継続するが、選考スピードが落ちる

8月は、10月にスタートする下半期の計画に向けた採用が動いています。しかし夏休みをはさむことから、選考のスピードは遅くなります。この時期をはさんで転職活動をする人は、通常より活動期間が長引くことを想定しておきましょう。

9月~10月は下半期の事業計画にもとづく求人が発生

上半期の業績が見えたこの時期、それをふまえた下半期の事業戦略が立てられ、それにもとづく求人が出てきます。

11月~12月は、翌年4月入社者の募集がスタート

次の年度に向け、「4月1日入社者」の募集をスタートする企業が現れ始めます。また、ボーナスをもらって退職する人が増えることから、欠員補充のための求人も出てきます。しかし、12月はクリスマスや年末の忘年会・会合、冬期休暇などのイベントや休みが多いため、選考が進みづらくなります。

時期にこだわらずチャンスを逃さないことも大切

上述のような求職者側からの理由と、企業側の採用活動の事情を総合すると、転職活動を開始する人が増えるのは、ボーナス支給時期が近づいた頃、ボーナス支給直後、及び9月や3月といった人事異動のタイミングが多い傾向にあります。

また、ゴールデンウィークや年末年始など、長期休暇の後に転職活動を開始する人も多く見られます。このほか、大手企業が大規模なリストラ策などを打ち出すと、その対象となる人たちが一斉に転職市場に押し寄せることになります。企業側もこうした転職希望者の動きをふまえ、その時期に募集を強化する傾向がありますが、多くの転職希望者が動く時期は、「ライバルが多い」とも言えるでしょう。

いずれにせよ、自分の希望にマッチした求人がいつの時期に出るかは予測できないもの。チャンスを逃さないためにも、市場動向などは参考程度にとどめ、自分にとってのベストタイミングを見極めて動くことをお勧めします。

転職時期に関するQ&A

Q)転職活動に適した年齢はある?

A)「○歳が転職適期」と一概に言うことはできませんが、年代によって企業から求められる要素・役割が異なるため、それに相当する経験・スキルを身に付けていれば、転職成功の可能性は高まります。一方で、「自分の年齢にしては、経験・スキルが不十分なのではないか」と感じたら、経験を積める環境へ早い時期に移るという選択肢もあります。いずれにしても、自分の年代に求められる経験・スキルを意識しておくことが大切です。

業界や企業によって差はありますが、大まかには、各世代に対して次のような経験・役割を期待する傾向が見られます。

  • 第二新卒(20代半ばまで):ポテンシャル(素養・基礎能力)や成長意欲
  • 20代後半~30代前半:基本的な業務スキル+チームリーダーとして後輩の指導・育成経験
  • 30代後半~40代:高度な業務スキル、あるいは専門性+マネジメント経験(役職に就いていなくてもプロジェクトマネジメント経験が評価対象となる)

中でも30歳・35歳・40歳などは、企業の見る目が変わる境界線といえます。求められるレベルが一段階上がりますので、この時期を一つの目安として転職を検討してみるのもいいでしょう。

Q)転職活動は、在職中にする?退職後にする?

A)やむを得ない事情がないかぎり、在職中に転職活動をすることをおすすめします。転職活動は予想より長引くこともあり、既に会社を辞めている場合、無収入期間が続くと経済的な不安が大きくなります。焦りのあまり妥協して入社を決めてしまい、ミスマッチが起きて再び転職を繰り返すことにもなりかねません。また、転職活動に苦戦して、ブランク(離職期間)が半年~1年以上に及ぶと、企業から「働く気持ちがあるのか」「ビジネス感覚が鈍っているかもしれない」と懸念され、選考でも不利となります。

Q)入社したばかりだけど、すぐにでも辞めたい。しばらくは耐えるべき?

A)短期で離職するなら、次に応募する企業から「定着性」への懸念を持たれることを覚悟する必要があります。しかし、短期離職の理由について、相手が納得するような理由を語れるのであれば、必ずしもマイナス評価にはなりません。単なる不満や感情的な理由ではなく、「自分にはこんな目標があるが、この企業では実現できないことに入社してから気付いた」といった理由であれば、納得を得やすいといえます。「転職によって何を実現したいのか」をしっかり伝えられるようにしましょう。

Q)近々、昇給の予定がある。昇給してから転職したほうがいい?

A)企業が採用した人の給与額を決定する際は、前職の給与額を考慮します。そうした面では、昇給後に活動を開始するのも一つの選択肢です。しかし、時間を重ねるうちに、チャンスが消えていくこともあります。転職市場においては、一時期豊富にあった求人案件が、景況の変化や人員充足などを理由に、半年~1年後にはぱったりと消えることもあるのです。くれぐれもタイミングを見誤らないでください。なお、「現職では、来期より昇給予定」と伝えることで、昇給後の額を考慮してもらえるケースもあります。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

社会保険労務士法人 岡 佳伸事務所代表 岡 佳伸氏


大手人材派遣会社、自動車部品メーカーなどで人事労務を担当した後に、労働局職員(ハローワーク勤務・厚生労働事務官)としてキャリア支援や雇用保険給付業務、助成金関連業務に携わる。現在は開業社会保険労務士として活躍。各種講演会講師および記事執筆、TV出演などの実績多数。特定社会保険労務士、キャリアコンサルタント、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。

記事作成日:2019年06月05日 記事更新日:2023年2月13日

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。