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20代の転職を実現するポイント|未経験・スキルに自信がなくても転職できる可能性を解説

転職 20代

20代で転職を考えたとき、「スキルに自信がないと厳しいのでは…」「未経験でも異業種に転職できる?」などの不安を抱える人もいるでしょう。
20代の転職市場の傾向や、未経験転職などの可能性、転職実現のポイントなどについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

20代の転職率は約4割。うち「転職回数2回以上」も約4割に

株式会社リクルートの調査(※1)によれば、20代で転職を経験している人は37.4%となっており、全体の約4割が転職を経験していました。また、20代の転職経験者のうち、転職回数が「1回」と回答した人は62.6%、「2回」は23.1%、「3回」は8.3%、「4回以上」は5.9%となっており、約4割が「2回」以上の転職を経験していました。20代で転職を経験している人は相当数いることがわかります。

転職経験状況(現在「正社員・正職員」の20~50代就業者/単一回答)

転職経験者の転職回数について(転職前・現在「正社員・正職員」の20~50代転職経験者/実数回答)

参考(※1):「就業者の転職や価値観等に関する実態調査2022」第1弾 転職経験や転職意向等について(株式会社リクルート)

20代で未経験転職を実現した人は約5割に

株式会社リクルートの調査発表(※2)では、『リクルートエージェント』の転職者分析から、異業種・異職種に転職した人の割合も公開しています。2022年度の転職決定者の業種・職種の異同パターンを分析したところ、20代前半(20〜24歳)で「異業種×異職種」に転職した人は53.5%。全年代のうち、最も割合が多い結果となっていました。また、20代後半(25歳〜29歳)も42.8%が「異業種×異職種」に転職しており、20代全体で未経験から異業種・異職種に転職する人は、5割程度いることがわかりました。

転職時の業種・職種異同のパターン別割合のグラフ

参考(※2):「異業種×異職種」転職が全体のおよそ4割、過去最多に 業種や職種を越えた「越境転職」が加速(株式会社リクルート)

転職したい20代が転職先に望む希望条件のランキング

それでは、20代が転職する際には、どのようなことを重視するのでしょうか。
先に紹介したリクルートの調査(※1)における、「今後5年後の希望する勤務先条件」をもとに、転職意向がある20代の希望条件のランキングのトップ5を以下に紹介します。

【転職意向がある20代の希望条件】

1位 福利厚生や給与等、制度や待遇が魅力的である(41.8%)
2位 業績が安定している(40.8%)
3位 自分のやりたい仕事(職種)ができる(29.3%)
4位 テレワークで働くことができる(24.9%)
5位 経営者や社員、社風が魅力的である(24.2%)

20代が転職で重視していることは、「待遇・制度の魅力」「安定性」「やりたい仕事・職種」「テレワークも可能な働き方」「魅力的な社風」であることがわかります。

20代の転職市場の傾向

ここでは、20代の転職市場の傾向について識者の経験をもとに解説していきます。

20代前半の場合

20代前半の場合は、「第二新卒」として採用を行う企業も見られます。20代後半と比較すると、ポテンシャル採用を行う傾向があり、経験・スキルに自信がない場合でも転職を実現しやすいと言えるでしょう。また、新卒採用で充足できなかった人員を、第二新卒などの人材で補おうとする企業もあります。社会人経験のある20代前半に対し、ビジネスシーンで求められるマナーなどを習得していることに期待するケースも見られます。

20代後半の場合

20代後半の場合は、一般的に社会人としての経験年数が増えていくため、それに応じて経験・スキルを重視されるようになる傾向があります。応募企業・職種に対し、「即戦力としての活躍が期待できる人材」として、応募書類や面接でいかにアピールするかが重要になると言えるでしょう。

また、20代後半に対し、リーダーシップを求める企業も見られます。新入社員の教育を担当した経験や、チーム・リーダーを務めた経験などがある場合は、応募書類や面接でアピールしたほうがより評価につながる可能性があります。

20代未経験の場合

先にも述べた通り、20代前半の場合はポテンシャル採用を行う傾向があるため、未経験の業種・職種にキャリアチェンジできる可能性があります。

一方、20代後半の場合は、20代前半に比べて経験・スキルが重視されるようになる傾向があるので、職種にかかわらず活かせるポータブルスキルをアピールする必要があるでしょう。例として、「調整力」「分析力」「傾聴力」などが挙げられます。応募企業・職種の業務に活かせるポータブルスキルをアピールしましょう。

「スキルに自信がない…」20代転職を実現するためのポイント

社会人経験が比較的短い20代の転職では、「スキルに自信がない」という不安を抱く人もいるかもしれません。しかし、先述の通り、20代の場合はポテンシャルに期待されて採用される可能性もあります。20代で転職を実現するためのポイントの一例を以下に紹介するので、意識してみましょう。

転職理由や転職の目的を明確にする

転職理由や転職の目的を明確にしていない場合、ミスマッチな転職先を選んで後悔するケースもあれば、企業から入社後の定着性に不安を抱かれて選考に苦戦するケースもあります。「なぜ転職したいのか」「転職先で何を実現したいのか」を明確にすることで、自分に合う応募企業が見つかりやすくなり、企業からの早期離職に対する懸念も払拭しやすくなるでしょう。

特に、今の職場や仕事への不満のみを転職理由としている場合は、入社後の定着性を懸念される可能性があるので、「不満を解消するために転職先で何を実現したいのか」を考えることがおすすめです。

転職の軸を決める

先にも述べた通り、20代の場合は、未経験転職などの可能性も広がっていますが、選択肢が多いために、キャリアの方向性に迷ってしまうケースもあるようです。転職理由や転職の目的を明確にしたら、それをもとに転職の軸を決めることが重要と言えるでしょう。
また、転職先に求める条件の優先順位づけも大事です。

転職の軸や優先順位を決めておかないと、条件の異なる複数の企業から内定が出たときに「年収が高いA社を選ぶべきか、それとも人間関係が良さそうなB社や、ワーク・ライフ・バランスが整っているC社を選ぶべきか」と悩んでしまうかもしれません。後悔しない選択をするために、必ず軸や優先順位を決めておきましょう。

情報収集や企業分析をしっかり行う

20代の場合は、転職先の選択肢が多い傾向にあるからこそ、情報収集や企業分析は欠かせないと言えるでしょう。特に未経験転職を希望している場合は、どのような業界・職種が自分に合っているのか、何をアピールすればいいのかなど、調べておきたいことは数多くあります。自力だけで不安がある場合は、友人や先輩などに話を聞いたり転職エージェントに相談したりして、情報収集をしておきましょう。

応募企業にアピールできるポータブルスキルを洗い出す

経験・スキルに自信がない20代の場合は、業種や職種が違っても発揮できるポータブルスキルや自分の強みを洗い出すことがおすすめです。キャリアの棚卸しで、これまでの経験・スキルを一つひとつ確認してみましょう。企業分析の成果と併せて、応募企業や応募職種でどのように自分の力を発揮できるのか考え、具体的にアピールすることで入社後の活躍可能性をイメージしてもらいやすくなります。

志望動機では、キャリアに一貫性を持たせる

転職の面接では志望動機を聞かれることがほとんどでしょう。志望動機では、転職理由や転職の目的、転職の軸をもとに、「転職で何を実現したいと思い、入社後にどのようなキャリアを築きたいと思ったのか」「なぜ応募企業でそれができると思ったのか」を伝えることが一つのポイントになります。転職を目指した経緯と転職先で築きたいキャリアに一貫性を持たせることで、定着性や入社後の活躍可能性を感じてもらいやすくなるはずです。

自ら学ぶ姿勢をアピールする

ポテンシャル採用では、入社後の成長性に期待されているものです。そのため、自ら学ぶ姿勢をアピールすることで、「成長に期待できる人材」として評価される可能性があります。

また、未経験転職の場合は、「自分なりに業務に必要な知識を学んでいる」「業務に役立つ資格の勉強をしている」「すでに資格取得をした」などをアピールすることで、「自主的に学べる人材」として評価されるケースがあります。

先入観にとらわれず、自分の可能性を探すことも大事

「営業はノルマが厳しそう」「事務職はAIが発達すれば需要がなくなるらしい」など、先入観で仕事を選んでしまうケースも見られます。業界や職種によって仕事内容や将来性などの傾向が違うことはありますが、企業によっても違いはあるものです。まずは、応募する職種や企業は自ら情報収集を行った上で選択しましょう。先入観にとらわれず、事実を確認してみることで、自分にとっての新たな可能性を見つけることができるかもしれません。

転職エージェントを活用するのも一つの方法

20代で経験・スキルに自信がない場合、「自分一人で転職活動を進めることが不安」という人もいるでしょう。

こうした場合は、転職支援のプロである転職エージェントを活用し、客観的なアドバイスを受ける方法もあります。自分では気づいていないキャリアの可能性を教えてもらえたり、意外な転職先を紹介してもらえたりするかもしれません。また、20代で未経験転職を実現した事例などについて質問することもできるでしょう。自分自身の可能性を広げるために、転職エージェントを活用するのもおすすめです。

20代の転職を慎重に検討したほうがいい人とは?【転職実現できた事例・できなかった事例】

先にも述べた通り、転職理由や転職の目的が明確になっていない場合は、ミスマッチな転職先を選んで後悔したり、転職活動に苦戦したりする可能性があります。

現在の職場や仕事に対する不満のみで転職したいと考えている場合は、自分の今の状況を客観的に分析した上で、転職すべきかどうかを検討してみることも大事と言えます。
ここでは、20代で転職を実現できた事例と採用見送りになった事例を紹介するので、参考にしてみましょう。

転職を実現した事例

大手運輸会社に新卒で入社したAさん。入社間もなく、「この会社は、責任ある仕事を任されるまでに時間がかかりすぎる」ということに気づきました。「少しでも早く成長したい」という思いが強かったAさんは、ベンチャー企業の管理部門への転職を目指すことに。

しかし、新卒入社して1年ほどしか働いていないため、応募書類の職務経歴書に書ける内容は数行で終わってしまいました。そこで「仕事で心がけていたこと」を振り返り、「アクシデントが発生するタイミングや原因をパターン別に想定し、即座に対応できるように準備していた」「ミスを防ぐために、関係部署とこまめにコミュニケーションをとっていた」などの行動を自己PR欄に記載しました。「管理部門で重視されるリスク管理や関連部署との連携に活かせるポータブルスキルがある」と評価され、内定を得ることができました。

採用が見送りになった事例

新卒で大手メーカーに入社したBさんは、「残業が多く体力的につらい」「成果が上がらず、肩身が狭い」という理由から、社会人3年目で転職活動を開始。勤務形態の自由度が高く、成長性のありそうなベンチャー企業に応募しました。

ところが、面接で詳しく話を聞いたところ、応募するベンチャー企業の多くは成長中だけにやることが多く、前職以上に残業が発生しそうなことがわかりました。また、事業拡大に向けて、個々の成果を求める厳しい環境がある点にも不安を感じることに。
さらに、面接担当者から「認知度の高い大手企業をなぜ辞めるのか?」「安定した企業を辞めてまで当社に来て、何をしたいのか?」などと問われ、言葉に詰まってしまいました。

転職理由や情報収集が不足していたために、面接を重ねる中で転職の方向性が曖昧になり、Bさんは「何を目指せばいいのかわからない」と感じることに。面接での回答にも一貫性や説得力を持たせることができず、最終的に転職活動を中断することを選択しました。

20代の転職活動の進め方

転職活動の進め方は、どの年代でも基本的には同じですが、社会人経験が比較的短い20代の場合や、未経験転職などでキャリアチェンジを目指す場合は、より念入りに事前準備を行うことをおすすめします。以下の進め方を参考にしてみましょう。

転職準備

まずは、キャリアの棚卸しをしましょう。過去の業務経験を振り返り、強みや弱み、アピールしたい実績などを整理しておくと、応募書類の作成やアピールポイント選びなどをよりスムーズに進めやすくなります。また、自分の強み・弱み、得意・苦手な分野を整理することで、転職で目指したい方向性を明らかにすることもできます。メモ書きで十分なので、これまでのキャリアを洗い出しておきましょう。

応募書類の作成

転職準備で洗い出した経歴をもとに、履歴書や職務経歴書などの応募書類を作成します。第二新卒など、社会人経験が比較的短い場合は、「職務経歴書に書くことが少ない」と感じるかもしれませんが、自己PRで強みや仕事への姿勢を伝える方法があります。

輝かしい成果や実績がなくても、「仕事で心がけていたこと」「自分なりに創意工夫したこと」などを思い出してみましょう。さらに、「課題分析力」「複数の部署との連携」「忍耐力」など、ポータブルスキルとしてアピールできる強みを言語化し、自己PRにまとめましょう。

求人選び・応募

転職準備で明らかにした方向性に従って、希望にマッチした求人を探して応募します。第二新卒や未経験者も応募可能とする求人の場合は、ポテンシャル採用を行っている可能性があります。

また、20代の場合は、「○○経験5年以上」などの条件が記載されている求人に対し、「自分は経験年数が少ないから応募しても難しいのではないか」と考えてしまうケースもあるようです。しかし、応募条件はあくまで目安なので、経験をカバーできる要素がありそうだと感じたら、応募してみることで可能性を広げられるかもしれません。

面接

面接が決まったらしっかりと準備を行いましょう。いきなり本番に臨むと、スムーズに回答することができなかったり、緊張して伝えたいことを忘れてしまったりする可能性があります。自己紹介や志望動機、自己PRや転職理由など、面接でよく聞かれる定番の質問に対し、アピールする要素を整理しておきましょう。

また、鏡の前やスマートフォンなどで動画撮影をして面接の練習を行うと自分の話し方のクセや表情、テンポなどがわかります。改善点が見つかることもあるので、録画を見返してみるなどし、面接対策を行っておきましょう。

内定~入社

働きながら転職活動を進めている場合は、内定が出たら所属企業に退職の意思を伝える必要があります。引き継ぎや有給消化などの日数を含めて、現職の上司とスケジュールについて相談しておきましょう。また、名刺や入館証、モバイル端末などの退職時に返却するものと、源泉徴収票や各種証明書など入社にあたって準備するものがあります。所属企業と内定企業に必要な書類を確認し、不備がないように準備を進めておきましょう。

20代の転職で悩んだら、転職エージェントに相談を

転職活動を進めるとき、求人が多いことによって方向性に迷ってしまったり、何をポイントに応募企業を選択すればいいのかわからず悩んでしまったりするケースが見られます。転職エージェントは20代の転職支援実績も豊富なため、参考になるアドバイスを受けることができるでしょう。

「何がしたいかわからない」など、転職の軸が定まっていない場合でも、転職エージェントの面談を通じて自分の考えを整理するうちに、やりたい仕事や目指したいキャリアが見つかる可能性もあります。転職活動や今後のキャリアなどに対する自分の悩みや不安を打ち明けてみれば、より親身に相談に乗ってくれるでしょう。

また、応募書類の作成や面接対策などのサポートを受けられるだけでなく、非公開求人を紹介してもらえるメリットもあります。転職支援のプロに協力を仰ぎ、自分に合った仕事を見つけましょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

記事作成日:2019年06月06日
記事更新日:2022年10月28日
記事更新日:2024年06月27日
記事更新日:2025年02月20日 リクルートエージェント編集部

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