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事務職の転職「自己PR」の効果的な伝え方

「自己PR」は、自身の「強み」や「応募企業にどう貢献できるのか」をアピールするものです。事務職から事務職への転職を目指すにあたり、「自己PR」をどのように伝えればいいか、リクルートエージェントのキャリアアドバイザーが解説。事務職の「自己PR」を書く際のポイントや例文を交えてご紹介します。

自分では「当たり前」と思っている経験が高く評価される

事務職の皆さんから転職相談をお受けしていると、自分の「強み」「アピールポイント」について「特にない」「誰でもできること」「当たり前のことを当たり前にしてきただけ」と思いこんでいる方が多く見られます。

しかし、私たちキャリアアドバイザーがお会いしてきた事務職の方々の中には、「大した経験・スキルではない」という方は一人もいません。皆さん、自分の「強み」に気づいていないだけなのです。たしかに事務職という仕事は、「正確に処理にして当たり前」と見られがちで、職場で褒められた経験があまりない方が多いため、無理もありません。

実際には、事務職の皆さんは、仕事の中でそれぞれその人の強みを発揮していらっしゃいます。転職活動では、それをしっかり相手企業に伝えることで評価アップにつながります。まずは、自分の経験について細かく棚卸しを行い、それぞれの業務でどんなことを心がけてきたかを振り返ってみてください。

金融業界で事務職を務めていたAさんのケースをご紹介します。Aさんもキャリアアドバイザーとの最初の面談で、「普通の仕事を普通にこなしてきただけ」とおっしゃいました。しかしAさんの経歴をお聞きすると、「業務改善」で成果を挙げていることがわかりました。

Aさんは、業務フローの中で同じミスが繰り返し発生するポイントを発見します。それは、明確なマニュアルがないため、部署や個々のメンバーの認識がバラバラであることが原因だと考えました。そこで業務フローの設計を見直し、マニュアルを作成。全部署に伝達して浸透させた結果、ミスが起こらなくなったそうです。

Aさんは「ミスを防ぐように対策するのは当然のこと」と言いますが、このプロセスからはAさんのさまざまなスキルが見えました。課題分析力、マニュアルを設計するロジカルな思考力、新ルールを各部署に導入する際の調整力、などです。これらの経験・スキルを整理して応募書類や面接で伝えたところ、高く評価され、転職成功に至りました。

このように、ただルーティンワークをこなすだけではなく、自ら率先して「業務改善」に取り組んだ経験は、企業から高く評価されます。業務改善にあたり、複数の部署・職種・ポジションの人々と折衝、調整を行った経験もプラス評価につながります。

営業事務は「顧客との関わり方」「営業メンバーの支援」が評価ポイント

営業事務や営業アシスタントの場合は、以下のようなポイントが注目されます。企業によってどれを重視するかは異なりますので、企業ホームページなどで紹介されている事業内容や営業職の仕事内容などを踏まえ、必要とされている要素をイメージしましょう。その要素が自分の経験と共通していれば、アピール効果があります。

● 顧客データ管理・分析
● 顧客からの問い合わせ対応、顧客との折衝・コミュニケーション
● プレゼン資料など、営業ツールの作成支援
● 営業担当者のメンタルケア、モチベーションアップにつながる声がけなど

<自己PR例文>

「10人の営業チームのアシスタントを務めてきました。営業担当者1人あたり50社ほどを担当しており、すべての顧客に目が届きづらい状況です。そこで、自主的に顧客データを分析し、そろそろニーズが発生しそうなお客様に対しては私からお電話して次回発注のお伺いをするなど、営業活動の支援を心がけてきました。今後も営業担当者の負担軽減、受注機会の拡大、お客様からの信頼獲得のために自分にできることを考え、工夫していきたいと考えています」

経理事務は「正確性」「緻密なチェック力」が求められる

「お金」の出入りを管理する仕事だけにミスが許されない経理事務は、やはり「正確であること」が重視されます。経理事務の経験がある人もない人も、これまでの経験の中で、「ミスを防ぐ」ためにどんな工夫をしてきたか、どんなことを心がけてきたかを伝えられるといいでしょう。また、「伝票処理の効率化」など、業務改善に取り組んで成果を挙げた経験があれば、ぜひ伝えてください。

人事・労務事務は「社内調整力」が活かせる

人事・労務部門に勤務する事務職は、社内のあらゆる部署・職種の人々、あるいは応募者や内定者などと関わります。そのため、さまざまな立場に配慮したコミュニケーション、調整などのスキルをアピールするといいでしょう。昨今は「働き方改革」に取り組む企業も多いため、その経験もあれば評価される可能性大。

このほか、業種・部門によって事務職に求められる要素はさまざまです。 目指す事務職に求められているのはどんなポイントかをイメージし、それに応じて「データ処理・管理能力」「業務改善力」「顧客対応力」「メンバーサポート力」「組織活性化力」「社内外との調整力」など、自分の強みが活かせる部分をアピールしてください。

「嫌な顔をせず引き受ける姿勢」も企業から歓迎される

「本来の担当業務以外の仕事を頼まれても、嫌な顔をせず快く引き受ける」
これも、ご自身では「当たり前」のことと思っていても、実は企業から好評を得るポイントです。「明るく元気」を意識し、職場の雰囲気を活性化させている方は、それも十分アピール材料となり得ます。

PCスキルは、「どんな機能を、どんな目的で使っているか」まで伝える

事務職の選考においては、PCスキルのレベルも重視される項目の一つ。応募書類では、「Excel」「PowerPoint」などソフト名を記載するだけでなく、使える機能や用途・目的まで記しましょう。例えば、「Excelのピボット・関数を用いた顧客データ管理」「PowerPointを使ったプレゼン資料の作成」など。

「英語力」および「英語力を磨く意欲」があればチャンスが拡大

国内市場が頭打ちとなる中、あらゆる業種・規模の企業が海外展開を図っています。現在は国内の取引が中心でも、海外市場の開拓を視野に入れている企業は多数。そこで「英語力」があれば応募先の選択肢が広がり、評価アップにもつながります。

企業によって、「海外からの問い合わせを受け、営業担当につなげられればOK」から「英語での会議の議事録作成」まで、求める英語力のレベルには差があります。TOEIC600点以上あれば受け入れられる企業もありますが、TOEIC800点以上、あるいは英語を使った実務経験があれば高評価を得られます。「今後、英語力をさらにブラッシュアップしていく」という意思を伝えるのも有効です。

「人柄」を「第三者評価」で伝える

事務職の採用においては、スキル以上に「人柄」を重視する企業も少なくありません。しかし、「私は○○な人間です」というアピールはなかなかしづらいもの。そこで、「上司や同僚からは(お客様からは)細やかな気配りができると言われます」といったように、他者から言われた言葉を挙げて伝えるのもいいでしょう。

リクルートエージェント キャリアアドバイザー 朝田雄也
リクルート(旧:リクルートキャリア)の転職エージェントサービス「リクルートエージェント」のキャリアアドバイザーとして、主に事務職を担当。

【参考】基本的な自己PRの考え方、応募書類や面接での伝え方

⇒ 転職における「強み」が見つかる自己分析
⇒ 自己PRを面接や履歴書・職務経歴書で効果的に伝える方法
⇒ 面接や履歴書・職務経歴書で使える自己PRの例文サンプル
⇒ 転職の面接で聞かれる「長所と短所」、どう答えるのが正解?
⇒ 自己PRの書き方と面接での伝え方(職務経歴書や面接で使える例文つき)
⇒ 自己PRで「継続力」はどうアピールすればいい?【例文つき】
⇒ 自己PRで「行動力」はどうアピールすればいい?【例文つき】
⇒ 自己PRで「協調性」はどうアピールすればいい?【例文つき】

リクルートエージェントでは、応募した企業の面接で質問されることなどの傾向や、どんな候補者が評価されるかなどの情報をお伝えすることができます。面接対策にお悩みの方はぜひ相談に来てみてください。