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事務職の自己PRのポイントと例文13選を解説

「自己PR」は、自身の「強み」や「応募企業にどう貢献できるのか」をアピールするものです。事務職から事務職への転職を目指すにあたって自己PRをどのように伝えればいいのか、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。事務職の種類ごとにポイントと例文も紹介しますので、参考にしてアレンジしてみてください。

企業が見ている事務職の自己PRのポイント

事務職の仕事は、どのような業種・部門であっても書類作成やデータ入力・管理が多いため、正確かつスピーディに行えるスキルが重視されます。また、日々のルーティンワークをこなすだけではなく、自ら率先して「業務改善」「効率化」に取り組んだ経験があれば高く評価されるでしょう。

社内外のさまざまな人と接する機会が多い事務職であれば、相手の立場や状況に配慮したサポート力、臨機応変な対応力にも期待されます。自身のサポートによって貢献できたエピソードも交えて伝えるといいでしょう。

ここからは、事務職の種類ごとに、アピールするといいポイントと例文をご紹介します。応募企業や自身の経験・スキルに応じ、アレンジして活用してみてください。

【例文】営業事務・営業アシスタント・一般事務

営業事務や営業アシスタントの自己PRは以下のポイントが注目される傾向があります。

  • 顧客データ管理・分析
  • 顧客からの問い合わせ対応、顧客との折衝・コミュニケーション
  • プレゼン資料など、営業ツールの作成支援
  • 営業担当者のメンタルケア、モチベーションアップにつながる声がけなど
<自己PR例文>
「10人の営業チームのアシスタントを務めてきました。営業担当者1人あたり50社ほどを担当しており、すべての顧客に目が届きづらい状況です。そこで、自主的に顧客データを分析し、そろそろニーズが発生しそうなお客様に対しては私からお電話して次回発注のお伺いをするなど、営業活動の支援を心がけてきました。今後も営業担当者の負担軽減、受注機会の拡大、お客様からの信頼獲得のために工夫していきたいと考えています。」

【例文】経営企画事務・事業企画事務

自社の経営や重要な意思決定に関わる情報を扱い、資料作成をサポートするため、責任感、正確性、スピード、論理的思考力などが重視されるでしょう。

<自己PR例文>
「中期経営計画の策定や新規事業に向けた検討に際してのサポートを行ってきました。各種プレゼン資料作成ツール、自社や業界・市場などのデータ分析ツールなどを活用するスキルを身に付けています。経営判断にはスピードが重要であるため、必要な資料やレポートの作成、社内外の関係者とのミーティングなどの調整をすばやく、正確に行うことを心がけてきました。」

【例文】マーケティング事務

商品企画やブランディングなどのサポートであれば、データ分析ツールの活用、論理的思考、プレゼン資料作成などのスキル、販促やSNS運用などのサポートであれば、情報感度、クリエイティブ関連スキル、SEO知見、生成AI活用といったキーワードがアピールポイントとなり得るでしょう。

<自己PR例文>
「近年、マーケティング領域では手法が多様化・進化しているため、常にトレンドにアンテナを張り、効率化を図るツールを提案するなどして、チームの生産性アップ、スピードアップに貢献することを強く意識しています。実際、私が提案した手法の導入により、ユーザー数○%につながったこともあります。」

【例文】経理事務

「正確性」「緻密なチェック力」が求められる仕事であるため、これまでの経験の中で、ミスを防ぐために工夫したことなどを伝えるといいでしょう。業務改善に取り組んで成果を挙げた経験もプラス評価を得られる可能性が高いといえます。

<自己PR例文>
「主体的に業務の課題を考え、改善を図ってきました。例えば、営業部門の経費精算申請が毎月遅れる問題に対しては、遅れる理由や経理部門にサポートしてほしいことを自らヒアリングしました。定期的に進捗状況を確認するアラートを送る仕組みを設けたほか、営業部門に適した経費精算アプリを探して導入を提案し、申請遅延の大幅削減につなげました。」

【例文】法務事務

企業の法務部門では、社内各部署からの相談に対応したり、社内の人々に法律上の問題点を説明したりする必要があるため、正確な事務処理スキルはもちろん、コミュニケーションスキルもアピール材料となるでしょう。

<自己PR例文>
「法律の専門家と社内の各事業部門の橋渡し役として、現場の事情に配慮しながら、業務が滞らないようにスピーディな対応を心がけてきました。コンプライアンス教育においても、現場への浸透を促進するため、分かりやすい表現で説明するなどの工夫をしています。」

【例文】総務事務・庶務

総務に求められる役割は、企業の規模や成長ステージ(創業期・拡大期・安定期・再生期など)によって異なることもあります。応募企業の組織状態に応じて課題や求められる要素を想定し、活かせる経験をアピールすることが大切です。

<自己PR例文>
「組織が数十名規模から数百名規模へ拡大するプロセスで、総務事務を務めました。組織の細分化が進み、部門間やメンバー間のコミュニケーションが希薄になるという課題に対し、各部署の取り組みやメンバーを紹介する社内SNSの立ち上げ、交流イベントなどを提案・実行し、組織活性化につなげました。」

【例文】人事事務・人事アシスタント

人事職は、社内のあらゆる部署・職種の人々、あるいは応募者や内定者などと関わります。そのため、さまざまな立場に配慮したコミュニケーション、調整などのスキルをアピールするといいでしょう。「働き方改革」に取り組んだ経験があれば、伝えることで評価される可能性があります。

<自己PR例文>
「面接日程の調整や選考スケジュールの管理を担ってきました。採用部門の責任者や役員は多忙であるため、少しでも負担がかからないように、また突発的なスケジュール変更の可能性も想定した調整を心がけてきました。早めの対応と都度の確認によって面接・選考の円滑化に注力しました。」

【例文】医療事務・レセプト業務

医療現場では正確性とスピードが求められる傾向にあるため、業務を効率的に進める工夫などの経験がアピール材料となり得るでしょう。医療スタッフとの連携力、患者さんとのコミュニケーションスキルなども重視されます。

<自己PR例文>
「現在勤務するクリニックでは、受付から会計までの全般を担当しています。事務処理を正確にこなすのはもちろん、カルテのファイリングや収納方法など、現状より効率的な方法を提案し、実行しました。結果として管理業務がスムーズになり、受付での患者さんの待ち時間を短縮することができました。」

【例文】不動産事務

取り扱ってきた物件の種類、取引形態などを明記した上で、日常的に工夫していたことをアピールしましょう。重要書類を扱うことも多く、正確性・緻密性が重視されるため、ミスを防ぐ工夫や、営業活動のサポートの取り組みを伝えてもいいでしょう。

<自己PR例文>
「オフィス・店舗の仲介物件を扱ってきました。お客様から物件の問い合わせを受けた際、なるべく自身でヒアリングをし、要望に合う物件資料を揃えておくなど、営業担当者がスムーズに提案に入れるように準備することを心がけてきました。新着物件についても当日中に共有するなど、営業活動のスピードアップ、効率化を意識してサポートしています。」

【例文】学校事務・大学事務

学校事務の業務範囲は幅広いため、強みとする業務を明確に伝えましょう。教職員・学生・保護者など、多様な人に対応するため、相手や状況に応じたコミュニケーションスキルをアピールするのも有効に働く場合もあるでしょう。また、学期の期初・期末などに業務が集中しやすいため、効率的に業務を進める力も評価のポイントとなり得ます。

<自己PR例文>
「教務に関わる業務を担当してきました。履修要綱の取りまとめ、授業の時間割作成、教務室の手配、休講時の代講対応など、教員や研究室と連携し、円滑に行うことを心がけてきました。教員とのコミュニケーションを通じて情報を得て、学生への発信も担っていました。目的によってツールを使い分けることを得意としています。」

【例文】秘書

秘書は、多様な部署や社外とやりとりを行い、突発的な事態やスケジュール変更などに対応するケースも多いことから、臨機応変で柔軟な対応力が重視される傾向にあります。気配りやホスピタリティなどに注目されることも多いでしょう。

<自己PR例文>
「以前の上司は非常に多忙で、アポイントのご依頼に対し、調整しづらいことが課題でした。そこで、比較的調整しやすい曜日・時間帯をあらかじめ伝えたり、先を予測して候補日を提示したりするなどの工夫をしてきました。また、日頃から上司が関心を寄せていることを把握し、スケジュールの優先順位を判断することを心がけています。」

【例文】受付

お客様に対する心配りや配慮など、接遇力が重視されると考えられます。お客様に対応したエピソードを交え、心がけや姿勢をアピールするといいでしょう。英語での接遇スキルは外国人のお客様の対応ができると評価されることもあるため、経験があれば伝えましょう。

<自己PR例文>
「会社の顔として、会社への第一印象を左右することを強く意識し、笑顔を絶やさずに丁寧に対応しています。来訪頻度の高い方はお名前でお声がけする、雨天の日は『お足元の悪い中、お越しいただきありがとうございます』といった一言を添えるなど、お客様の気持ちに配慮することを大切にしています。」

【例文】データ入力

「正確さ」「スピード」が重視される傾向にあります。それを実現してきた工夫や実績を伝えるといいでしょう。業務効率化につながった事例のエピソードを織り交ぜると、採用担当者の納得感が高まります。

<自己PR例文>
「前職では、○○の情報について、1日あたり○件の入力を行っていました。効率的でスピーディな入力方法を工夫した結果、データ処理に要する時間を約20%削減することができました。」

事務職に転職する際は転職エージェントに相談してみよう

同じ事務職であっても、強みは人によって異なります。例えば「営業事務」であれば、「プレゼン資料作成」「数値管理」「顧客折衝」「営業担当者のサポート」など、得意とすることは人それぞれでしょう。

転職エージェントと対話しながら、キャリアの棚卸しをすることで、自身の強みに気付くこともあります。それを自己PRに活用すれば、希望どおりの転職実現につながる可能性が高まるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2019年06月12日 記事更新日:2025年03月18日

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