履歴書の職歴欄には退職理由について簡潔に記載しますが、職務経歴書にも退職理由を書いた方がいいのか迷う方も少なくないようです。そこで、職務経歴書への退職理由の記載について書いた方がいいケースやポイント、例文について組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。
目次
職務経歴書への退職理由の記載は任意だが、解雇の場合は記載する
履歴書の職歴欄では、定型文として自己都合退職の場合は「一身上の都合により退職」、会社都合の場合は「会社都合により退職」、契約社員や派遣社員など有期雇用契約の場合は「契約期間満了につき退職」と記載するのが一般的です。
職務経歴書の場合は、原則として退職理由を書く必要はありません。ただし、解雇の場合はその事実を記載します。
なお、退職理由を記載することで経歴を補足できるケースもあります。次項で退職理由を書いた方がいいケースをご紹介します。
職務経歴書に退職理由を書いた方がいいケース
職務経歴書に退職理由を書いた方がいいケースとはどのような状況でしょうか。代表的な3つのケースをご紹介します。
1)会社都合の場合
事業撤退や倒産など、やむを得ず会社都合で退職することになった場合は理由を書いておきましょう。特に在籍期間が短い場合は、「なぜ短期間で辞めたのだろう?」「また短期間で退職しないだろうか」と不安視される可能性があります。本人の意志による退職ではないことを明確にしておくことで、採用担当者の懸念をフォローすることができます。
2)退職理由がアピールにつながる場合
資格取得や留学など、スキルアップのために退職した場合も理由を書いておきましょう。スキルアップの期間が履歴書や職務経歴書の経歴上でブランクとなっている場合は、「何をしていたのだろう?」と不安視される可能性があります。スキルアップ、キャリアアップのためのポジティブな退職だったことを伝えるために、退職理由を明記しておきましょう。
職務経歴書の退職理由・転職理由の書き方
面接で退職理由を聞かれやすいケース別に、退職理由の書き方を解説します。
転職回数が多い場合
転職回数が多いと、採用担当者が「また転職してしまうのでは」と懸念する可能性が高くなります。例えば、「幅広く対応できるエンジニアを目指し、フロントエンド、バックエンド、インフラやクラウドなどを経験してまいりました」など、具体的な理由を記載するか、面接で聞かれた時に答えられるように準備しておきましょう。
また、それぞれの企業で得た経験・スキルをピックアップし、応募先企業でどのように貢献できるかをまとめておくとプラスの評価につながる可能性があります。
在籍期間が短い場合
在籍期間が短い場合も、「すぐに転職してしまうのでは」と採用担当者から定着性を不安視される可能性があります。そのため、極端に在籍期間が短い場合は、職務経歴書に退職理由を補足しておきましょう。自己都合ですぐに辞めてしまい、退職理由が書きにくいという場合は、退職しないように改善を試みたことや短期で退職することになった反省点を記載するという方法もあります。
また、応募先企業で将来的に実現したいことや中長期的なキャリアについて記載しておくと、定着性への懸念を払しょくすることができるでしょう。
キャリアに一貫性がない場合
キャリアに一貫性がない場合も、計画性や定着性を不安視される可能性があります。一貫性がないように見えるだけで、自分なりに意図があって転職をしたのであれば、職務経歴書に理由を記載しておきましょう。転職回数が多い場合と同様に、応募先企業に活かせる経験・スキルをピックアップしてまとめておくことも重要です。
特に意図がなく転職していた場合は、「様々な経験を積んだことで、ようやく自分の強みや方向性が明らかになりました。今後は腰を据えて○○領域のスペシャリストを目指したいと考えております」など、長く働きたいという意欲を伝えましょう。
離職期間が長い場合
離職期間が長い場合は、状況に応じて記載内容を工夫する必要があります。資格取得や留学の場合は内容や目的を書いておきます。リフレッシュ期間にあてていた場合は、計画的に期間を区切って休養を取っていたことを記載します。
転職活動に苦戦して離職期間が長くなってしまった場合は、転職活動の方向性を見直して改善したことや、その間に学んだことがあれば補足しておきましょう。
職務経歴書に書く退職理由の例文
職務経歴書に退職理由を書く場合の例文をご紹介します。職務経歴書作成の参考にしてください。
会社都合の場合
退職理由をアピールにつなげたい場合
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補足が必要な場合
契約期間が満了したため退職しました。他部署での契約や無期雇用を打診されましたが、経験を活かして新しい環境での成長をしたいと考えて転職を決意しました。
退職理由を伝えるか迷ったら転職エージェントに相談を
職務経歴書は、書き方によって選考結果に影響することもある重要な書類です。退職理由を書いた方がいいのか分からない、経歴を魅力的に伝えられているか不安があるという場合は、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談してみましょう。自分ひとりでは気づかなかった改善のアドバイスやヒントを得られるかもしれません。
応募書類の書き方だけでなく、希望や経験にマッチした求人の紹介や面接の日程調整なども転職エージェントに任せることができます。サービスは無料で利用できるので、転職を効率的に運びたい場合はぜひ活用してみましょう。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。
記事更新日:2022年10月03日
記事更新日:2024年03月26日 リクルートエージェント編集部