職務経歴書には、これまでに経験した業務内容や実績、スキルや自己PRなどを記載します。過去の職歴は全て記載する必要がありますが、所属企業の会社概要や事業内容はどこまで記載すればいいのでしょうか。そこで、職務経歴書の会社概要や事業内容の書き方や例文について、組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。
職務経歴書に「会社概要・事業内容」を書く理由は?
職務経歴書には過去に所属した企業名や業務内容、実績などを記載しなければなりません。所属していた企業が、誰もが知る大手企業や応募先企業の競合であれば、企業名のみでも理解してもらえますが、異なる業界への転職や知名度があまり高くはない企業に所属していた場合は、企業名だけでは採用担当者が規模や事業内容などをイメージできないこともあるため、採用担当者の理解を深めるために会社概要や事業内容を補足しておきましょう。
会社概要に書く項目
会社概要には何を記載すればいいのでしょうか。会社概要として記載したい項目をご紹介します。
企業名
社名は株式会社や合同会社などの形態も含めて正式名称で記載します。在籍当時と社名が変わっている場合は、「旧社名(現社名)」などカッコ書きで補足すると分かりやすくなります。
事業内容
在籍企業が大手・有名企業や同業他社への転職でない場合は、簡単で構わないので事業内容も記載しておきましょう。なお、複数の事業を展開している場合は、代表的な事業や応募する事業に関連する事業を中心に記載すると、採用担当者がイメージしやすくなります。
売上高
売上高は、従業員数や資本金と同様に企業規模を判断するための項目のひとつです。営業や企画、エンジニアなど、売り上げや予算に関わる業務が中心の職種では、所属企業の売上高や従業員数の記載があると、採用担当者が実績を評価しやすくなります。例えば、年間10億円の売上高の企業で3億円のプロジェクトの責任者を任されていたとすれば、相対的に重要なポジションを任されていたと推測できます。所属企業の売上高が公開されているのであれば、記載しておきましょう。
従業員数
売上高や資本金と同様に、企業規模を判断する際に用いる項目です。仮に「年間の営業成績1位」という実績を記載したとして、従業員10名の企業よりも従業員1,000名の方がライバルは多く1位を獲得する難易度が上がるため、企業によっては強力なアピールにつながることもあります。実績は規模感を数字で補足することで説得力が増すでしょう。
資本金
資本金が5億円以上になると会社法上の大会社に該当します。売上高や従業員数と同様に、資本金も企業規模を判断する項目となります。資本金が公開されているのであれば、記載しておきましょう。
会社概要の書き方【例文】
会社概要の書き方の例文をご紹介します。企業名、事業内容に続く項目の順序に決まりはありません。職務経歴書のスペースに合わせて読みやすくまとめましょう。
株式会社〇〇商事(20XX年X月~現在)
事業内容:IT機器販売、ソフトウェア開発 ほか
資本金:〇億円、売上高:〇億円(XX年度)、従業員数:〇名(XX年度)
〇〇株式会社(20XX年X月~20XX年X月)
事業内容:調味料全般および冷凍食品の製造・販売(東証プライム市場)
設立:XXXX年X月、資本金:〇億円、売上高:〇億円(XX年度)、従業員数:〇名(XX年度)
会社概要のQ&A
会社概要に関するよくある質問にお答えします。
Q.いつの会社概要を書けばいい?
A.会社概要は在籍当時の情報を記載しましょう。売上高や従業員数など、当時の情報を調べるのが難しい場合は、いつ時点の情報かがわかるように(XX年度)などと記載することをおすすめします。
Q.所属企業の売上高などが分かりません
A.非上場企業の場合は、売上高や従業員数などが非公開になっているケースも多いため、分からない場合は記載する必要はありません。上場している場合は、ホームページにIR情報が掲載されています。ホームページ以外にも、金融庁が運営しているEDINET(※1)に有価証券報告書が掲載されており、企業情報に期ごとの売上高を確認することができます。
(※1)出典:EDINET閲覧(提出)サイト
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。