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人間関係が原因で転職したい場合の考え方|転職前にした方がよいことは?

転職 人間関係

転職理由の上位にあがりやすいのが「人間関係」です。とはいえ、ただ「あの人と合わなかった」という理由で転職しても、次の転職先でも同様に人間関係で悩む可能性もあります。同じことを繰り返さないためにも原因を冷静に分析し、次の応募企業の見極めに活かしましょう。

人間関係で転職したい場合の考え方について、組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタントの粟野友樹氏に伺いました。

職場の人間関係が悪化する原因

転職理由には「現職での人間関係の悪化」があげられるケースがあります。職場の人間関係が悪化する理由は、以下のようなものが考えられます。

  • コミュニケーションが不足している
  • 不公平な扱いを受けている
  • ストレスのかかる職場環境となっている

協調性の不足は、コミュニケーション不足や役割・責任の不明確さから生じる可能性があるでしょう。また「一部の従業員が優遇されている」「自分が不当な扱いを受けている」と感じると、不満が蓄積し、職場の雰囲気を悪くする原因となります。

さらに、過度な締め切りのプレッシャーや長時間労働など、ストレスの高い職場環境も人間関係の悪化となる原因になりやすいでしょう。

人間関係が原因で仕事を辞める前にした方がよいこと

人間関係が原因で仕事を辞める前に検討するといい対策について解説します。もしかすると現職を辞めなくても解決する方法があるかもしれません。

その人と合わない理由を整理する

仕事をしていると人間関係で腹を立てたり、悩んだりすることがあるでしょう。ですが、多くの場合は「その人自身が嫌い」というわけではないかもしれません。なぜその人と合わないのか、その理由を突き詰めて分析していくと、事業方針や業務管理方法、仕事に対するスタンスや価値観など、人間関係の先にある本質が明らかになってくるはずです。

職場の先輩や上司に相談する

人間関係を理由に仕事を辞めてしまう前に、信頼できる先輩や上司に一度相談してみましょう。職場の人間関係に悩んでいることを伝えれば、改善策が見つかるかもしれません。

人間関係の悩みは一人で抱え込まず、身近にいる先輩や上司に声をかけてみましょう。

人事に部署異動を依頼する

職場の人間関係を人事に相談し、部署異動を依頼するのも一つの手段です。人事は部署内に相談できる人がいない場合にも頼れる存在です。現職を辞めずに人間関係を一新する機会を検討してくれるかもしれません。人事に相談する際は、状況に応じて次の例を参考に、具体的に説明するといいでしょう。

  • 相談できる相手がいなくて業務が進められない
  • 直属の上司は場所問わず、人前でもすぐ怒鳴りつけてくる

相談内容をもとに事態の深刻さが判明すれば、部署異動の希望が通る可能性があります。また、人事が社内の問題点を把握することで、働きやすい職場へ改善されるきっかけになるかもしれません。

公的な窓口に相談する

職場の人間関係を相談できる相手がいない場合は、公的な窓口を活用する方法もあります。厚生労働省では「総合労働相談コーナー」を提供しています。

いじめや嫌がらせ、パワハラなど、さまざまな分野の悩みに対応しており、利用は無料かつ予約不要です。対面での相談にハードルを感じる人は、電話で無料相談できる「労働条件相談ほっとライン」を利用してみてはいかがでしょうか。

(※)出典:総合労働相談コーナーのご案内(厚生労働省)
(※)出典: 労働条件相談ほっとライン(厚生労働省)

休職して距離を置いてみる

職場の人間関係の悩みは、休職して距離を置くことで改善することもあるでしょう。職場を離れることで、自分の悩みを客観的に考える時間ができ、新たな視点が生まれる可能性があるかもしれません。休職する場合は以下の点を確認しておくといいでしょう。

  • 休職制度の有無
  • 休職できる期間
  • 休職中の給与・賞与の支給

休職を検討するときは会社と話し合いをして、条件をよく確認する必要があります。

人間関係をブレイクダウンする

その人と合わない理由を整理するには「誰と、何が、なぜ合わないのか」をブレイクダウン(分析)することから始めましょう。人間関係の悩みは千差万別ですが、重要なのは、感情的にならず客観的に考えることです。いくつか例をあげながら、人間関係の先にある本質を探ってみます。

ありがちな人間関係の悩み -1- 「何が何でも数字必達を強いる上司と合わない」

顧客のことを考え、時間をかけてベストな提案をしたいのに、上司は目先の営業目標を達成することが最優先。顧客とWin-Winの関係を築きたい私は、売り上げ至上主義の上司についていけない。

→ブレイクダウンしてみると
「上司の仕事の進め方と合わない」のでは?

ありがちな人間関係の悩み -2- 「成績が上がると自分の手柄、トラブルは後輩任せ。そんな先輩に嫌気がさしている」

仕事を任せてくれるのはうれしいが、契約が決まると自分の手柄にする先輩。それなのに、トラブルが発生するとメンバーを責め立てるだけで、フォローはなし。こんなリーダーの下で働くのは嫌だ。

→ブレイクダウンしてみると
「その人の仕事に対するスタンスに不満がある」のでは?

ありがちな人間関係の悩み -3- 「同僚はサボってばかりなのに、上司に評判がいいのが納得いかない」

上司にバレないように、仕事中もこっそりSNSをしている同僚。仕事をサボっていても上司の評判はよく、こんな同僚と同レベルの評価しか得られないなんて納得できない。

→ブレイクダウンしてみると
「会社の人事評価制度に不満がある」のでは?

人間関係が改善しなければ転職も考えてみる

職場の先輩や上司、人事に相談しても人間関係に改善が見られない場合は、転職することを考えてもいいかもしれません。人間関係の悩みから解放されるきっかけになる可能性があります。

転職活動する場合は、やりがいや働き方を明確にしておくことが大切です。人間関係だけを重視して仕事を選んでしまうと、給与や労働条件に不満を抱えてしまうケースもあるでしょう。自分が働きがいを感じられるビジョンを明確にして、転職活動に取り組んでみましょう。

人間関係が原因で転職したい場合の注意点

職場の人間関係が原因で転職をする場合の注意点について解説します。

辛いからと勢いで辞めない

職場の人間関係が原因で転職を考えるとき、辛い状況から早く抜け出したいという気持ちから、勢いで辞めたくなることもあるでしょう。しかし、次の職場でも同じような問題に直面する可能性があるため、衝動的に辞める決断は避けた方がいいでしょう。

また、在職中の場合、次の仕事の見通しがないまま退職すると、それまでの収入もなくなることから生活が不安定になりかねません。辛い状況でも、冷静に自分の置かれた状況を分析し、転職のタイミングや方法を見極めることが大切です。

期限を決めて転職準備をする

転職を決めたら期限を決めて転職準備をしましょう。期限を決めずに転職準備してしまうと、なかなか転職の決断ができずに時間だけが過ぎる可能性もあるかもしれません。

期限を決めて転職準備を始めると、スケジュールが立てやすくなり、行動するといいことが明確になります。ただし、一人で転職の準備を始めると、何から手を付けたらいいか分からないこともあるでしょう。その場合は転職エージェントを利用して、転職活動をサポートしてもらうのがおすすめです。

円満退職を心がけて退職準備をする

人間関係に不満がある職場であっても、円満退職を心がけて準備することがポイントです。円満退職を実現するためには、以下の点に気を付けましょう。

  • 就業規則を確認し、遅くとも1ヵ月前までに伝える
  • ポジティブな退職理由を述べる
  • 会社の繁忙期を避けるなどのタイミングを考慮する
  • 業務の引き継ぎを丁寧・誠実に行う
  • 退職の意思を伝える相手は直属の上司

退職する意思は直属の上司に伝えます。理由を伝える際も不平や不満ではなく、前向きな姿勢であることを示しましょう。繁忙期の退職はなるべく避け、業務は余裕を持って引き継ぎできると、後任者は安心できるでしょう。

応募企業の人間関係を確認する際のポイント

転職先でも人間関係に悩まないために、転職活動の過程で実践したいチェック方法を4つご紹介します。

1)応募企業の面接で質問する

自分が大事にしたいことや自分に合った仕事の進め方などとのマッチ具合を質問してみましょう。例えば「同僚とわきあいあいと仕事ができると働く満足度が充実する」場合は、「職場の雰囲気として、同僚と日常的に活発なコミュニケーションが取れる環境が自分にとって力を発揮しやすいと考えています。御社の日常的な職場の雰囲気や、コミュニケーション活性化の取り組みをされていたら、教えていただけますでしょうか」などと質問するのがおすすめです。

 2)職場を見せてもらう

可能なら、面接後にオフィスを見せてもらう方法もあります。オフィスの張り紙やレイアウトから社風が判断できる可能性があります。自分の目で確かめ、感じた印象も判断材料のひとつとなる場合もあるでしょう。

3)一緒に働く同僚に会わせてもらう

応募企業に入社した場合、同僚になる可能性がある社員に会わせてもらうことで、組織の雰囲気がよりリアルにつかめる場合もあるでしょう。組織構成や仕事の進め方、顧客との向き合い方、仕事の楽しさややりがいなどについて質問し、自分の業務における価値観やスタンスとマッチするかどうかを確かめましょう。

4)キャリアアドバイザーに相談する

転職エージェントを利用している場合は、キャリアアドバイザーに志望する企業の社風や、どのような性格の人材が活躍しているかなどを聞いてみましょう。また、キャリアアドバイザーがそれまでに担当した求職者の面接での感想など聞くことも、企業の雰囲気を知る手段として考えられます。

本質は「自分はどのように働きたいのか」

さまざまな手を尽くしても、必ずしも次の転職先での人間関係がうまくいくわけではありません。ですが「人間関係がうまくいかない」というネガティブな感情を分析し、その背景にある「自分はどのように働きたいのか」を明らかにすることは、ポジティブな転職理由の発見に役立つでしょう。さらには、次の職場での自分自身のコミュニケーションの取り方にも、いい変化をもたらしてくれるかもしれません。人間関係に悩んだら、その背景にある本質を明らかにしていくことが、次の転職を実現に導く第一歩です。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2019年10月02日 記事更新日:2024年10月09日

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