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自営業の履歴書への書き方は?ポイントと例文付き

自営業(起業・フリーランス・家業手伝い)だった人が中途採用求人に応募する場合、履歴書の「職歴」欄はどのように書けばいいのでしょうか。
そこで組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏に伺った「起業」「フリーランス」「家業手伝い」の記載方法や、自営業の人が採用担当者から懸念される可能性があるポイントについてもご紹介します。

自営業の経歴の履歴書への書き方

独立起業していた場合、フリーランスとして活動していた場合、あるいは家業を手伝っていた場合で、履歴書の職歴欄の書き方は異なります。それぞれのパターンの履歴書の書き方と見本は次のとおりです。

フリーランスとして活動していた場合

履歴書 自営業_2

フリーランス(個人事業主)として活動していた場合は、屋号があれば「屋号」+「開業」、屋号がない場合は「フリーランスとして活動開始」「個人事業主として開業」などと記載しましょう。

職歴欄のスペースに余裕があれば、具体的な業務内容などを付記しておくといいでしょう。事業を辞めた(辞める)場合は「廃業」「廃業予定」としておきます。

起業していた場合

履歴書 自営業_1

独立して会社を経営していた場合「起業した会社名」+「設立」と記載しましょう。
職歴欄のスペースに余裕があれば、事業内容・社員数・取引先なども付記しておくと、読み手がイメージしやすくなります。
会社をたたんだ(たたむ)場合は「解散」「解散予定」としておきます。

家業を手伝っていた場合

履歴書 自営業_3

家業が法人であり、その従業員として勤務していた場合、通常の職歴の書き方と同様に「会社名」+「入社」と記載する方法があります。退職した(する)場合は「退社(または退職)」「退社予定(または退職予定)」としておきます。

家業が農業や小売業などで「家族従事者」として働いた場合は「家業である○○業に従事」などとしましょう。職歴欄のスペースに余裕があれば、どんな業務を担当していたのかを簡潔に補足すると、読み手は経験・スキルをイメージしやすくなります。

自営業だった人を、採用担当者はどう見ている?

自営業だった人が、社員求人に応募してきた場合、採用担当者はどのように捉えるのでしょうか。もちろん、企業・採用担当者によって視点は異なりますが、多く見られるケースをご紹介します。

まず自営業経験者に対して、採用担当者が魅力と感じる可能性があるのは次のような点でしょう。

  • 実行力がありそう(指示を待たず自分で判断して行動を起こせる、など)
  • リスクを負う覚悟を持っていそう
  • 経営の視点を持っていそう

一方、自営業経験者に対して採用担当者が懸念を抱く可能性があるのは以下の点です。

  • なぜ廃業する(した)のか。ビジネススキルが不十分でうまくいかなかったのか、もしくは取引先などとトラブルを起こしてしまったのだろうか
  • うまくいかずに廃業を決意したなら、働く意欲が落ちているのではないか

また、これまで1人で、あるいは少人数で融通が利く環境で働いてきた分、次のような点も不安視されることがあります。

  • 組織の一員として必要な心構えを持てるか。協調性に欠ける部分があるのではないか
  • すべて自分で判断して行動する経験を持っているので、指揮命令系統や組織のルールを守れるだろうか

応募する企業が「個人プレー」「個人の裁量」を尊重する風土であれば、こうしたことは気にされないかもしれません。しかし、チームワークを重視する企業であれば、上記のような懸念を抱かれる可能性があるでしょう。

面接まで進めばうまくアピールする自信があっても、候補者が多数いる場合、こうした懸念から書類選考で見送られる場合もあるでしょう。

そこで、履歴書の「備考」欄、あるいは職務経歴書の「自己PR」欄などを利用し、強みをアピールする内容+不安を払しょくする内容を伝えてみてはいかがでしょうか。例えば次のような項目です。

  • 起業した理由と廃業する理由

(うまくいかなかった場合)廃業した理由についての客観的な分析、それを次にどう活かそうと考えているか

  • 企画力・実行力を発揮したこと
  • 経営者としての視点
  • 他者との協業経験
  • 経験を踏まえ、これからチャレンジしたいこと

「社長」という肩書を持っていた人であっても、自分を客観的に見た言葉を述べることが大切です。そして成功経験も失敗経験も次に活かしていきたいという意欲を語ることで、応募先企業に受け入れられる可能性が高まるでしょう。

<例文>チームワークを重視する企業に応募する場合

これまで自分の得意領域を活かして自由に働き、業績を挙げることもできました。
しかし、新しい経験やスキルの習得がしづらいこと、小規模な仕事しかできないことに物足りなさを感じるようになりました。
組織の中で、さまざまな知見・ノウハウを持つメンバーから学んだり、お互いの強みを活かしてプロジェクトに取り組んだりすることの価値を実感し、再び企業で働く道を選択した次第です。

フリーランスとはいえ、取引先のメンバーと密にコミュニケーションを取るなど、チームワークは大切にしてきました。貴社でもチームで力を合わせ、大きなプロジェクトを成し遂げることにチャレンジしたいと考えています。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2019年11月29日 記事更新日:2025年03月18日

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