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転職で後悔したことは? 事例に学ぶ「後悔パターン」とは?

転職 後悔

「転職した結果、後悔するのが怖い」という理由から、転職するかどうか悩んでいる方も多いようです。転職で後悔するケースとはどのような状況が挙げられるのでしょうか。

そこで、転職して後悔した事例や後悔しないための転職のポイントなどについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏に伺いました。

転職して後悔した事例

転職事例を知ることで、転職活動の具体的なイメージを掴むことができます。実際に粟野氏のご経験から、転職して後悔した事例を5つご紹介します。

1.話を鵜呑みにしたらイメージとは違う職場だった

「会社を拡大するために新規事業やM&Aなどをリードしてほしい」と強くアプローチされ、金融機関から事業会社の経営企画に転職したAさん。入社したところ、トップダウンの社風で経営者にお伺いを立てないと全く動けないことが判明しました。転職を決める前に、経営者と直接面接することは難しかったかもしれませんが、配属先の上長や役員への面接を通じて経営者の人物タイプなどを聞いておけば良かったと感じているそうです。

2.年収アップしたが残業続きに…

「うちは実績を評価する会社だから頑張りがいがある」と言われ、現職よりも格段に高い年収に魅力を感じて転職を決定したBさん。「実績評価」を前向きに捉えていましたが、新規開拓営業が中心で未経験転職だったため、成果を出すために残業や休日出社も必要であることが分かりました。前職は既存顧客へのルート営業が中心で残業もほぼ無く、給与を時給換算すると実は前職の方が待遇は良かったのではと後悔しきりです。

3.実は前職はいいところも多かった

前職は残業時間が多いことと、広報にキャリアチェンジをしたくて転職活動を開始したDさん。未経験からの転職だったため年収はダウンになりますが、やりたい仕事ができればと待遇には目をつぶって転職先を決めました。入社してみると、年功序列の社風で裁量権がなく、雑用しかさせてもらえません。所属部署は広報ですが、やりたかった仕事が実現したかというと疑問が残ります。総合的に考えてみると、前職の方が自分に合って楽しく働けたのではないかと後悔するように。仕事内容だけでなく、社風や組織構成なども確認しておけば良かったと反省しています。

4.金欠で焦って不本意な仕事に…

サービス業で労働時間が長く、土日勤務だったFさん。土日休みや年収アップを実現したいと考え、退職しキャリアチェンジを目指しました。「営業はノルマがありそう」という理由から、年収が高めで残業が少なそうな事務や管理部門の仕事に応募しましたが、デスクワークで条件の良い仕事を希望する人は多く、なかなか選考を通過しません。無職期間が続いて金銭的な焦りが生じ、本来は希望していなかった営業に転職。辞めずに転職活動をするか、辞めるにしても金銭的な計画を立てておけば良かったと後悔しています。

5.スキルが足りず転職先の仕事が辛い

刺激の少ない前職の仕事に不安を感じていたところに、スタートアップ企業のマネジャー候補の求人を見つけ、「ここなら成長できそう」と感じて転職を決意したGさん。確かに転職先は組織作りや業務プロセスの構築、中途入社した若手メンバーの育成などやることはたくさんありました。ただ、前職は組織も業務も整備されていて安定運用がメインだったため、企業の成長ステージの異なるスタートアップ企業で期待通りの成果を出すことができませんでした。転職に際し、自分の経験・スキルや適性などを把握できていなかったことを悔やんでいます。

転職して後悔する可能性が高いパターン

転職して後悔する可能性が高いのはどのようなパターンが挙げられるのでしょうか。代表的な5つのパターンをご紹介します。

企業研究や確認不足

企業研究を十分にしていなかったり、面接でしっかりと確認しなかったりした結果、入社後に不満が発生するパターンです。面接は、企業と求職者の双方が対話を通じて確認をする場です。年収や福利厚生などの待遇ばかりを聞くと印象が悪くなるケースもありますが、どうしても気になることや不安になっていることはしっかりと確認をしておかないと、入社後の後悔につながる可能性があります。

希望の優先順位がついていない

転職における希望の優先順位がついていない場合も、目先の条件に釣られてしまって転職後に後悔が生じる可能性が高くなります。例えば、「本来はワーク・ライフ・バランスを実現できる職場を探したかったはずが、高額な年収を提示されて転職を決めてしまい、入社後に残業が多くて後悔した」などのケースが挙げられます。全ての条件が希望通りの求人は滅多にありません。転職活動を始める際は、必ず希望に優先順位をつけて判断するようにしましょう。

応募企業を限定している

求人に記載されている仕事内容や会社概要は、企業情報の一部でしかないため、具体的な働き心地や社風、業務内容は実際に面接などで話を聞いて判断するしかありません。しかし、求人に記載されている情報や条件だけで応募企業を絞り込んでしまうと、転職の可能性が狭くなってしまいます。また、大手企業や有名企業、条件の良い企業のみに限定している場合は、応募者が集中する傾向があるため選考通過が難しくなるでしょう。

退職が目的になっている

現職に不満があって辞めることが目的になっている場合、すぐに退職したいために転職先を詳しく調べず決めてしまう可能性があります。また、不満解消のための転職は、転職理由を聞かれたときにネガティブな印象を与えてしまう傾向があります。退職することを目的とせず、転職してどのようなキャリアを描きたいのかを、前向きに伝えるようにしましょう。

自己評価が合っていない

経験・スキルに対して自己評価が高すぎる場合、転職活動がうまくいかず後悔につながる可能性が高くなります。例えば、経験年数やスキルからすれば妥当な年収や業務内容を提示されていたとしても、自己評価が高すぎるために「自分の能力ならもっと高い給与をもらえたはず」「自分にふさわしい仕事を与えてもらえなかった」など、転職後に後悔するケースです。

転職で後悔しないためのポイント

転職で後悔することのないように、事前に知っておきたいポイントを4つご紹介します。

転職の目的を整理する

転職後に壁にぶつかったり不満が生じたりしても、目的を達成できていれば後悔する可能性は低くなります。事前に自己分析を行って、仕事のやりがい、職場の人間関係、自分に合った社風、ワーク・ライフ・バランス、年収など、自分が転職で実現したい目的を整理しておきましょう。

企業研究や情報収集は念入りに

入社する企業のことを詳しく調べなかったために、入社後に後悔するケースは少なくありません。求人情報だけでなく、企業の採用ページやSNS、口コミサイトなど、インターネット上で入手できる情報はもちろん、転職イベントや会社説明会などのオフラインの機会も活用し、自分の目で確認することが大切です。なお、転職エージェントに相談するのも有効です。転職エージェントが独自に収集した企業情報を聞き、企業選びの判断材料にしましょう。

経験・スキルの市場価値を理解する

自身の経験・スキルがどの程度ニーズがあるのかを把握することによって、転職の方向性や条件などを明らかにすることができます。また、複数の経験・スキルがあった場合に、何を中心にアピールすれば転職活動を有利に進めるかを判断することもできるでしょう。転職市場における経験・スキルのニーズを把握するためには、転職エージェントに相談する以外に、スカウト機能を持つ転職サービスに登録し、企業や転職エージェントからのオファーを待つという方法もあります。

すでに転職して後悔している場合に乗り越える方法

入社後すぐに後悔して転職したとしても、次の職場でまた後悔しないとも限りません。まずは現職でできることを探ってから、転職するかどうかを判断しましょう。

新しい環境に馴染めない場合

仕事や職場に慣れるまでは時間が掛かるものです。まずは現在の環境を受け入れてみるところから始めましょう。人間関係の構築に悩んでいる場合は自ら歩み寄ることも大事です。例えば「3カ月程度は、仕事を覚えて職場の人と関係性を築くために必要な期間」と捉えるなど、自分なりに目的・目標を決めて行動してみると良いでしょう。時間を経ることで環境に馴染む可能性も高まります。

仕事内容や進め方に不満を感じている場合

前職の仕事の進め方にこだわらない意識が大事です。上司や先輩に仕事の進め方の背景を聞くことで、全体感を理解し納得感を得て仕事に取り組めるようになるかもしれません。また、自分なりに工夫できる点を考え、目標を定めることで仕事にやりがいを感じられる可能性もあります。仕事の進め方に不満がある場合は、上司に相談し職場全体で取り組める改善策などを提案するのも良いでしょう。

仕事内容や条件面が事前の話と違っていた場合

待遇や給与などの条件面が入社前に聞いていた話と違う場合は、まず労働条件通知書の内容を確認しましょう。記載されている内容と違っていたら人事担当者に確認が必要ですが、もし労働状況が著しく悪い場合は、社内のコンプライアンス部署などに相談しても良いでしょう。

なお、仕事内容が入社前の話と違っていたとしても、一定の経験を積むことで希望の仕事に就ける可能性もあります。半年後、1年後などのキャリアステップや社内の先輩のキャリアパスなどについて調べ、希望の仕事に就ける可能性があるかどうか考えてみましょう。給与などの条件面についても、今後の昇給の可能性について確認してみると良いでしょう。

実力が伴わずプレッシャーを感じている場合

上司や実力を発揮している先輩に仕事の進め方などを相談し、アドバイスをもらいましょう。自分自身で「早く結果を出さなくては」「大きな成果をあげなくてはならない」と思い込んでしまっているケースもあります。一人で悩まず、上司に「いつまでに、どのくらいの成果を出すことが求められているのか」を確認してみることが大事です。その上で「現在の自分の能力では仕事の責任を果たせない」と感じた場合は上司に相談し、仕事の割り振りや責任範囲に配慮してもらう方法もあるでしょう。

後悔した場合、すぐに転職は可能?

すぐに転職することは可能ですが、転職した直後は、慣れない環境やプレッシャー、ストレスなどから「辞めたい」と感じるケースは少なくありません。今すぐ転職したいという気持ちが一過性のものかどうかを冷静に判断することが重要です。例えば3カ月、6カ月などの期限を設けて、自分なりに改善できることを実施した上で転職するかどうかを判断するという方法もあります。

後悔しないために、転職エージェントの活用を

転職エージェントを利用すると、転職市場を熟知しているキャリアアドバイザーから客観的なアドバイスをもらえるので、自分にマッチする企業や仕事を見つけやすくなるでしょう。また、豊富な転職支援実績があるため、転職活動を進める上で知っておきたい注意点を聞くこともできます。後悔するのが不安な場合は、転職エージェントが強い味方になるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

記事作成日:2019年12月02日
記事更新日:2023年03月16日
記事更新日:2024年06月27日 リクルートエージェント編集部

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