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女性の転職に、転職エージェントは活用できる?

転職エージェントでは女性を積極的に採用する企業の正社員・契約社員の転職や、転職活動のサポートも行っています。今回は、リクルートエージェントのキャリアアドバイザーが「評価される仕事がしたい」「出産後も働ける会社に移りたい」という女性の転職成功事例をお伝えします。

リクルートエージェント キャリアアドバイザー 荻原 恵
リクルート(旧:リクルートキャリア)の転職エージェントサービス「リクルートエージェント」のキャリアアドバイザーとして、主に事務職を担当。

【転職事例-1】男女関係なく活躍できて、評価される会社に行きたい

「私、本当はサポートの立場ではなく、第一線で主体的に働きたいんです。そんな思いが強くなって、今の会社に『営業に異動させてもらえませんか』と相談したのですが、『法人営業経験がないと異動は難しい。営業アシスタントとしてサポートに徹してほしい』と却下されました。今の会社は古い体質で、『女性はサポート役』という考え方です。今後もその方針を変える気はないようですので、転職を決意しました」(Aさん・30代前半)

中堅メーカーで営業アシスタントを務めてきたAさんは、仕事にもの足りなさを感じ、転職エージェントを訪れました。

「成果が目に見える営業の仕事をして、評価されたい」というAさんに、キャリアアドバイザーは営業職には様々なスタイルの営業職があることと、それぞれの働き方や特徴を紹介していきました。

Aさんの営業アシスタントとしての経験をお聞きすると、顧客と直接やりとりすることも多く、営業の動きを観察しながら先回りして資料を準備するなどの行動を心がけてきたそうです。人の話をじっくり聴く姿勢やホスピタリティも備えており、「営業としてもすぐに活躍できる」とキャリアアドバイザーは考えました。

一口に営業といっても、最近では多様なスタイルがあります。新規開拓のほか既存顧客のフォローを専門とする営業、自分から顧客にアプローチするだけでなく、広告やCMへの反響に対応するスタイルの営業、顧客先を訪問せず、自社オフィス内でオンラインや電話で顧客とやりとりする「インサイドセールス」など。

Aさんは複数の業種の営業に応募した結果、人材サービスを行うベンチャー企業に営業として採用されました。企業に対する人材採用コンサルティングを行う一方、転職希望者の相談に乗り、両者をマッチングする仕事です。

面接では、営業アシスタントとして培った顧客対応力のほか、「チャレンジしたい」「成長したい」という意欲が高く評価されました。Aさんは入社半年ほどで高い業績を挙げるようになり、社長からも頼られる存在となりました。

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<成功のポイント>

数年前から政府が主導する「女性活躍推進」などの影響により、これまで男性中心だった業界でも女性営業部隊が新設されました。女性が活躍することの有用性が認識されるようになり、女性が活躍できる職種領域が広がっています。

事務職の皆さんは「今後、AIやロボットの活用によって事務職が削減されていくのでは」と不安を抱いている方も多いようです。事務職として培った気配り力、段取り力、調整力、コミュニケーション力などは、営業をはじめ他の職種でも活かせます。キャリアチェンジのチャンスは豊富にありますので、自身に向く仕事を探してみてはいかがでしょうか。

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【転職事例-2】出産後も働きたいから、育児と両立できる会社に移りたい

「女性事務職が退職したらまた採用すればいい、という考え方。この先も女性が長期的に働けるような環境整備をするつもりはないようです。私は出産後も長く働いていきたいので、今のうちに育児と仕事を両立できる会社に転職したいんです」(Bさん・20代後半)

中堅商社で事務職として働くBさん。最近結婚し、いずれは子どもを生みたいと考えています。しかし、その会社の女性事務職で出産後に復職した人はいないのだとか。男性中心の古い会社であり、産休・育休制度などは実際には運用されていないのだそうです。

そう訴えるBさんにキャリアアドバイザーが提案したのは、「大手企業の契約社員」という道です。

大手企業であれば育休・時短勤務・在宅勤務など、子どもを持つ女性が働きやすい制度が整っており、契約社員でも利用できます。正社員だと転勤などの可能性がありますが、契約社員であれば勤務地が限定されており、保育園や自宅から遠い拠点に配属される心配もありません。

「大手企業の契約社員」という提案に対し、Bさんの反応は2つ。

「中小企業出身の私が、大手企業に転職できるんでしょうか?」
「契約社員ということは、長期間働くことができないのではないでしょうか?」

まず一つ目の疑問ですが、企業が重視するのは「業務遂行スキル」ですので、それがマッチしていれば中小企業から大手企業に移ることも可能です。通算5年を超えて契約が結ばれたとき、本人が望めば以降の契約を「無期契約」にすることができます。ただし、無期契約へと自動的に変更されるのではなく、本人から企業に対して通知する必要があります。企業によっては、正社員に登用する制度もあります。

キャリアアドバイザーから、Bさんと同じ状況・目的で転職活動を行い、成功した事例をいくつか紹介すると、Bさんは安心して「大手企業の契約社員」を目指すことに。複数の会社に応募した結果、大手サービス企業に営業事務として転職を果たしました。契約社員から正社員への登用の制度・実績がある会社です。

<成功のポイント>

Bさんが面接に臨むにあたり、キャリアアドバイザーからお伝えしたことがあります。それは、志望動機を聞かれた際に「育児と仕事を両立できる環境が整っているから」とストレートに伝えてはいけない、ということです。

その会社を選んだ第一条件がそれであっても、志望動機を語る場合は、次のような視点で語れるように準備しておくことが大切です。

●これまでの経験、身に付けたスキルを活かすことができる
●会社の事業理念・ビジョンに共感している

この2点について、具体的なエピソードを交えて伝えた上で、「ライフステージが変わっても活躍している女性が多い。私も成長を続けながら長く働きたい」と伝えるといいでしょう。

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