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未経験業種・職種への転職を実現させる転職エージェントの活用法

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転職エージェントの活用は、未経験の業種・職種へのキャリアチェンジを目指す人にとってもメリットがあります。異業種・異職種への転職活動で転職エージェントをおすすめする理由、未経験転職を実現させるためのポイント、年代別・職種別のアピールポイント、転職エージェントの利用の流れなどについて、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

未経験業種・職種への転職は実現できる

近年、異業種・異職種への転職を実現する人は一定数います。リクルートエージェントを利用した転職者を分析したところ、2022年度に転職した方々が異業種・異職種に転職した割合は以下のとおりでした。

「異業種×異職種」への転職……39.3%
「異業種×同職種」への転職……32.0%
「同業種×異職種」への転職……11.0%
「同業種×同職種」への転職……17.7%

つまり、職種経験を活かして異業種に転職している人は3割超に達し、約4割の方は異業種・異職種へのキャリアチェンジを実現しているのです。

出典:「異業種×異職種」転職が全体のおよそ4割、過去最多に 業種や職種を越えた「越境転職」が加速 (株式会社リクルート)

未経験業種・職種への転職には転職エージェントがおすすめな理由

未経験分野への転職だからこそ、一人で活動するよりも転職エージェントを利用することで実現につながる可能性があります。未経験転職を目指す際、転職エージェントの利用をおすすめする理由をご紹介します。

未経験転職の内定の可能性を高めることが期待できる

転職エージェントのキャリアアドバイザーとの面談では、現職(前職)の経験・スキルを分析し、どのような異業種・異職種で活かせる可能性があるか、アドバイスを得られるでしょう。自身では気付いていなかった強みを発見できることもあります。強みを活かせる業種・職種を選んだり相談したりすることで、内定の可能性を高めることが期待できます。

未経験業界・職種の情報を入手しやすい

転職エージェントには、それぞれの業界・職種に詳しいキャリアアドバイザーが在籍しており、業界の最新動向や採用に関する情報、転職ノウハウを提供しています。自分ひとりで経験がない業種・職種についての詳しい情報を知るのは難しいですが、転職エージェントを活用すれば入手することが可能でしょう。

また、未経験者の転職についても豊富な情報や事例を持っており、実績に基づいたアドバイスが得られるのもメリットのひとつです。転職ノウハウだけでなく、実際に未経験分野に転職した後、どのようなキャリアパスが想定されるか提示してもらうこともできるかもしれません。

応募書類添削・面接対策などのサポートを受けられる

職務経歴書の作成や面接対策のサポートも受けられます。未経験分野への転職を実現するには、自身のこれまでの経験やスキルが異業種でどう活かせるのか、キャリアを棚卸しして自己分析する必要があります。キャリアアドバイザーがキャリアの棚卸し作業をサポートし、応募企業への自己PRや志望動機へ落とし込むコツをアドバイスしてくれるでしょう。

企業に合わせたアピール方法を教えてもらえることもある

転職エージェントは、過去の実績から採用企業が求める人物像や選考で重視するポイントを把握していることもあります。そうした情報を得られた場合、応募企業に合わせたアピールの仕方を工夫できるでしょう。

面接後にフィードバックを受けられることもある

独自で企業に応募した場合、面接後、企業が評価の具体的な内容を応募者に伝えることは多くありません。しかし、転職エージェントを通じて応募した場合、企業からのフィードバックを、キャリアアドバイザーから教えてもらえることもあります。その場合は次の面接対策につなげやすいでしょう。

非公開の「未経験者可」求人も紹介してもらえる

転職エージェントは、求人サイトや企業の採用ページなどで公開されていない「非公開求人」を取り扱っています。その中には「未経験者可」の求人が含まれることもあるので、自分では探し当てられない求人を紹介してもらえることもあります。

未経験転職を目指した人の体験談

転職エージェントを利用し、未経験分野への転職活動を行った方の事例をご紹介します。実現できたケース、実現できなかったケースを挙げますので、ご自身の活動の参考にしてみてください。

転職エージェントを利用して転職を実現した体験談

Aさん(20代半ば)は部品メーカーの営業職。「もっと自信を持って提案できる商材を扱いたい」「年収を上げたい」と考え、キャリアチェンジを決意。メディアの営業職として転職を実現しました。

Aさんの転職実現のポイントは、異業種を目指す理由や志望動機を整理して丁寧な面接対策を行ったことです。応募企業の商品・サービスを細かく調べた上で志望動機書を作成したため、採用担当者の納得感を高めることができました。

また、語学学習や資格取得などの自己研鑽活動も伝えたところ、向上心が評価され、入社後の成長可能性を感じてもらえたのです。

転職エージェントを利用せず、転職を実現できなかった体験談

Bさん(20代前半)はメーカーのマーケティング職。「保守的な組織体質」「成長スピードの遅さ」などに不満を抱き、「より早く成長・活躍できる環境」「働き方の自由度の高さ」を求めて転職活動を開始しました。

しかし、いわゆる「隣の芝生は青く見える」状態。異業種の大手企業、メガベンチャー、コンサルティングファームなど、イメージに憧れを抱き、人気企業に次々と応募しますが、書類選考は通過するものの、面接で苦戦しました。

面接では、現職への「不満」を語り、今後のキャリアプランや志望動機は十分に語れなかったことから、「当社でやりたいことや当社で目指すものが見えず、すぐに辞めてしまいそう」と、採用を見送られてしまったのです。

未経験転職を実現させるためにしたいこと

未経験転職を実現させるために、押さえておきたいポイントをご紹介します。

1.未経験分野へチャレンジする意欲を見せる

未経験者は「即戦力」をアピールできない分、応募先企業に「熱意」「チャレンジ意欲」を見せることが大切です。それらを示すためには、「その業界・職種を目指す理由」について、キャリアチェンジの決断に至るまでのきっかけや体験のエピソードを交えて語れるようにしておきましょう。併せて、「その業界・職種で何をやりたいか、どのような将来像を目指すのか」も伝えることで、熱意が伝わりやすくなります。

2.業界研究・企業リサーチをする

未経験分野への転職を目指す人の中には、「以前から憧れていたから」「今後の成長が見込めそうだから」など、理由が漠然としている人もいます。また、「未経験者も応募可」「未経験者歓迎」という点だけに目を奪われ、他の条件をよく検討せず転職先を選ぶ人も見られます。こうした場合、転職後にギャップやミスマッチに気付き、「こんなはずではなかった」と後悔するケースもあります。

未経験分野に興味を持ったら、さまざまなメディアを活用し、業界・職種や応募候補企業の研究を行いましょう。その過程で、本当に自分がやりたいことなのかをしっかり検討しましょう。

その上で挑戦を決意したら、転職エージェントを活用し、より詳細な企業情報を入手して志望企業を絞り込んでいきましょう。

3.これまでの経験・スキルが活かせることをアピールする

未経験の業種・職種であっても、これまでの経験で身に付けたスキルを応用して活躍できる可能性をアピールしましょう。業界特有の専門知識・スキルではなく、「ポータブルスキル(業種・職種問わず持ち運びできるスキル)」を洗い出してみてください。

例えば、「課題分析力」「コミュニケーション力」「交渉力」「調整力」といったような能力です。これらは業種・職種が変わっても活かしやすいと言えます。

【年代別】未経験転職でアピールするポイント

未経験分野への転職を目指す場合、年代別にアピールするとよいポイントをご紹介します。

20代の場合

社会人経験が短い20代前半は、「ポテンシャル」と「スタンス」が重視される傾向が高いでしょう。仕事に取り組む姿勢、仕事で大切にしていること、学習意欲などを伝えるといいでしょう。また、先に挙げた「ポータブルスキル」も整理・言語化しておきましょう。

20代後半になると、さらに「リーダーシップ」を求められるケースも多くなります。チームリーダーとしての経験や、後輩の指導・育成経験などもアピールしましょう。

30代の場合

ある程度社会人経験を積んだ30代になると、「ポータブルスキル」の量と質が問われることもあります。これまでの経験から、目指す業種・職種で活かせるポータブルスキルをしっかりと洗い出しましょう。

また、「マネジメント経験」を期待されるケースもあります。役職に就いていなくても、チームやプロジェクトのリーダー・マネジメント経験がある場合は、自身が果たした役割や管理したメンバー数、マネジメントにおいて心がけてきたことなどを整理し、伝えられるようにしておきましょう。

40代の場合

30代と同様に「ポータブルスキルの量・質」を整理し、それが活かせる業種・職種を選んでアピールすることが大切です。これまで経験を積んできたことによる課題発見・解決力や、周囲を巻き込んで連携する力が重視されますので、それらの能力を発揮した具体的なエピソードを語れるようにしておくといいでしょう。

また「マネジメント力」も期待されることが多いため、自身が経験してきたマネジメント対象層やマネジメントの手法・スタイルを振り返り、志望する企業で求められるマネジメントと共通するポイントをアピールしてみてください。

50代の場合

50代で異分野を目指す場合、「マネジメントスキル」が評価されて採用に至るケースが見られます。自身が経験してきたマネジメント対象層やマネジメントの手法・スタイルが活かせる企業を選ぶといいでしょう。

職種別の未経験転職のチェックポイント

未経験での転職を実現させるために意識しておきたいポイントを、職種ごとにご紹介します。

事務職の場合

一般的にメールのやりとりや、Word・Excel・PowerPointなどの操作スキルが必要とされます。現職(前職)で一通りのPCスキルが身に付いている場合は職務経歴書でアピールし、実務経験が十分ではない場合は「マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト」の資格を取得しておくのも有効でしょう。

「コミュニケーション力」「ルーティンワークをミスなく正確に行う」といった要素が重視される傾向が高いため、現職(前職)でこれらの力を発揮したエピソードを伝えられるようにするといいでしょう。

営業職の場合

営業職は、取り扱う商品・サービス、対象とする顧客層、営業活動の進め方などによって、求められる能力や素養が大きく異なります。そのため、志望する企業の営業職を研究し、どのような力が必要とされているかを理解しましょう。その上で、これまでの経験の中でその力を発揮したエピソードをピックアップし、アピールするといいでしょう。

いずれの営業職でも、「コミュニケーション力」「信頼関係構築力」「課題解決力」は共通して求められますので、これらをアピールすると評価につながる可能性が高まります。

ITエンジニアの場合

「自主的に学ぶ姿勢」が評価のポイントの一つとなるでしょう。ITエンジニアは、継続的な学習が必要な仕事です。教育体制を整えて未経験者を歓迎している企業もありますが、プログラミング言語や開発環境に関する知識は独学でも習得できるので、ITスクールや職業訓練校、オンライン学習プログラムなどを活用して学んでおくといいでしょう。

経理職の場合

「簿記資格」を取得しておくと、経理未経験者でも門戸が開かれることがあります。加えて、Excel・WordなどのPCスキル、正確・緻密な作業能力、ミスを防止する工夫などが重要視される傾向にあるため、これまでの経験の中でその力を発揮したエピソードをピックアップし、アピールするといいでしょう。

コンサルタントの場合

未経験者を対象としたコンサルタント採用では、業界の専門知識や専門職としての能力が評価される傾向にあります。例えば、IT・財務・マーケティング・事業企画・経営企画としての知見、製造・サプライチェーンなどの現場を熟知していることなども評価されるでしょう。

経験・スキルがあることを前提に、「コンサルタントとして何を実現したいのか」という志望動機も重視される傾向にあります。基本的にコンサルタントには、「経営者や部門責任者の悩みを解決するために力を尽くす」というマインドが求められるため、仕事へのこだわりや価値観を伝えることが大切です。

未経験の転職を実現させる転職エージェントの活用方法

未経験転職を実現させるための、転職エージェントの上手な利用方法をご紹介します。

複数の転職エージェントを利用する

複数の転職エージェントを併用すると、より多くの求人情報が手に入るほか、さまざまな視点からのアドバイスを受けられる可能性があります。複数の転職エージェントに登録するのは一般的なので、キャリアアドバイザーに正直に伝えてかまいません。ただし、同じ求人に応募しないように注意してください。また、他エージェントでの選考状況も共有しておくと、スケジュール調整がスムーズになります。

相性の良いキャリアアドバイザーからサポートを受ける

転職エージェントを利用して転職活動を進める場合、キャリアアドバイザーとの相性は大切です。

「紹介された求人内容が合わない」「人柄やコミュニケーションが合わない」「業界への理解が足りない」「アドバイスが適切ではない」といった場合は、遠慮や我慢はせずに担当者を変更したい旨を伝えましょう。その際に具体的な理由を伝えれば、的確な対応をしてもらえるケースもあります。

未経験可の求人数が多い転職エージェントを探す

大手・総合型エージェントは、一般的に取り扱う求人数が多く、かつ多様な業界・職種の求人を網羅的に取り扱っているため、「未経験可」の求人の紹介を受けられる可能性が高いでしょう。

また、「これまでの経験スキルがどのような異業種・異職種で活かせるか」「どのような求人がマッチするのか」というアドバイスをもらえることも期待できます。

転職エージェントを利用して内定を得るまでの流れ

転職エージェントを利用する一般的な流れをご紹介します。

転職エージェントに登録する

まずは転職エージェントに登録しましょう。登録完了後に電話やメールで連絡があり、希望すれば面談の日程調整を行います。面談までにかかる日数については、転職エージェントによって違うためサイトで確認しておきましょう。ピンポイントで日時を指定すると調整に時間がかかることもあるため、面談希望日は複数候補を提示するのがおすすめです。

登録後は履歴書・職務経歴書を作成し、事前に書類を送っておいたり、あわせて希望条件を伝えておいたりすると面談がスムーズに進むでしょう。

キャリアアドバイザーと面談をする

転職エージェントに登録後、キャリアアドバイザーとの面談の時間が設定され、ヒアリングを行います。転職の目的や希望条件をヒアリングし、現在の状況や転職先に求める条件、スキルや職歴などを共有して今後の転職の方向性を決めていきます。面談時には正直に自分の情報を伝え、キャリアアドバイザーとの信頼関係を築きましょう。

求人紹介・応募書類作成

キャリアアドバイザーと転職の方向性を共有したら、経験・スキルや希望する条件に合致した求人の紹介が始まります。転職エージェントによっては履歴書や職務経歴書などの応募書類の添削もしてもらえ、選考通過する可能性を高めるためのアドバイスなども受けられます。

面接を受ける

書類選考に通過したら、企業との面接を受けます。転職エージェントでは面接対策を行っていることもあるため、サポートを受けて万全の状態で面接を受けましょう。また企業との面接日程の調整もサポートしてくれるため、現職が忙しいという人でもスケジュール調整の不安なく転職活動を進められるでしょう。

内定・条件交渉・退職の手続き

内定が出て、求職者が内定を承諾したら入社が決まります。条件交渉する場合は一般的に内定後のタイミングで行いますが、交渉の仕方に悩んだ場合は転職エージェントにアドバイスをもらうことも可能です。

また働きながら転職活動している人は、内定後に退職の意向を所属企業に伝えますが、引き留めにあったり、後任探しが難航したりするなど、時間がかかる場合もあります。退職交渉についても、転職エージェントからアドバイスを受けられるので相談してみましょう。

未経験転職は転職エージェントに相談してみよう

転職エージェントでは未経験業種・職種への転職の場合も、しっかりとサポートを受けることが可能です。キャリアアドバイザーと面談の際には、未経験分野への転職を考えたきっかけや理由を本音で話すことをおすすめします。キャリアアドバイザーが求職者の考えを深く理解することで、提案やアドバイスも変わってくるでしょう。

また希望条件の優先順位をつけ、提案された求人は幅を持たせて広く検討することも大切です。キャリアアドバイザーと相談しながら、未経験転職の内定の可能性を高めましょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2020年02月25日
記事更新日:2023年05月24日
記事更新日:2025年02月20日

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。