
転職を「成功した人」と「失敗した人」は、それぞれどんなきっかけで、どんな方法で転職活動を進めたのでしょうか。
ここでは、転職にまつわる成功・失敗事例を通じて転職活動を上手に進めるコツをご紹介します。
自分は中途半端なエンジニアなのでは、という悩み
転職事例:阿部さん(30歳) |
僕はセキュリティ領域のシステムエンジニアで、前職では受託案件ごとにいろんな会社に派遣されて働いていました。
セキュリティの専門家を夢見る者にとっては最適な仕事場と思われるかもしれません。だけど、案件ごとに担当が変わるため、その技術の上積みができないという大きな悩みがありました。
そこで、転職活動を始めたのですが、当初これがなかなかうまくいかなかった。例えば僕は、仕事の合間にCISSP(セキュリティ プロフェッショナル認定資格)はもちろん、難関な資格をいくつも取得していたんですが、ある人材紹介会社では、資格はほとんど評価されませんでした。「口下手を直しましょう」と諭されるぐらいで、高度なスキルアップを望める企業は紹介してくれなかったのです。
落ち込みましたね。このまま中途半端なシステムエンジニアで終わるのかなって、ひどく悲観してしまいました…。
ですから、リクルートエージェントに相談にいったときも、あまり期待はしていませんでした。ところが、担当のキャリアアドバイザー(CA)さんは、僕の資格を一目見て「この資格は企業からの評価が高いですよ」と言ってくれたのです。しかも、僕が憧れていた大手の名前を出して、「ここへの転職にチャレンジしましょう」と提案してくれたんです。
転職成功のポイント!
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理想的な会社にチャレンジすることに
その会社は、大手企業のネットワークセキュリティのコンサルティングや構築をしているんですが、一方で研究機関もかなり充実している企業。高度なスキルアップを目指す僕にとっては理想的な職場と言えました。
ただ、資格はあったとしても、そこに入れるほどの誇れるキャリアが僕にはない気がしたのです。だから最初、CAさんに「勧めてくれるのは嬉しいけど、自信がない」と気弱に答えました。
しかし、CAさんは、むしろこう言って僕を激励してくれたました。
「この会社はあなたの持っている資格を評価してくれます。ですから、キャリアが十分でなくても問題ありません。後は、どうやってその資格を取ったかということや、ご自分の熱意をしっかりとアピールできさえすれば大丈夫なはずです」と。
その日から、口下手な僕の面談対策が始まりました。まず、元気にしゃべること。そして、忙しい仕事の合間にどのようにして資格を取得していったのか、その思いと努力の過程を言葉にすること。この二つに焦点を当てて、訓練を重ねていったのです。
転職成功のポイント!
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面接スキルを磨き夢を叶える
模擬面接、そしてCAさんからの電話でのたびたびのアドバイス。人と会話をするのが得意ではない上に仕事と並行していたため疲れ果ててしまいましたが、僕の面接スキルは、次第に形になっていきました。
そして、実際の面接では決してスムーズに話せたわけではないものの、一つひとつの質問になんとか答え、思いを伝えることができたという手応えを感じることができまたのです。
結果が出るまでは期待と不安が入り混じった日々を過ごしましたが、数日後、ついに内定の連絡をいただくことができました。まさか自分が、こんなに理想的な会社に入れるとは思いもしなかったので、夢のようです。
これから僕は、この夢を夢のままに終わらせないようにがんばります。具体的には、セキュリティの第一人者と呼ばれるようなエンジニアを目指し、精進してゆくつもりです。
担当キャリアアドバイザーより阿部さんは、とても志が高い方で、数々の資格を取得されるなどの努力をされていました。企業は、資格そのものはもちろんですが、こうした努力についても高く評価してくれます。 つい自分のスキルを過小評価しがちですが、自分の判断で希望の企業を諦めてしまうのは非常にもったいないといえます。 |