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転職に必要なスキルは? 【年代別】企業から評価されるスキルを解説

中途採用の多くは即戦力が求められるため、経験・スキルが重視される傾向があります。では、転職に必要なスキルとは、傾向はあるのでしょうか。そこで、企業から評価されるスキルについて、組織人事コンサルティングSegurosの粟野友樹氏にお伺いしました。

転職に必要なスキルは?

転職に必要なスキルとはどのようなものを指すのでしょうか。転職で活かせるスキルを見つけるための、3つのポイントをご紹介します。

スキル=専門性や資格とは限らない

「スキル」と聞くと専門的な知識や経験、資格などをイメージする方も多いようですが、転職の場合は、それだけとは限りません。企業が選考で重視しているのは、大きく分けて4つあります。基礎学力や職務遂行力などの「ポテンシャル」、仕事に対するこだわりや価値観である「スタンス」、「協調性」「分析力」など、業界を超えて活かすことができる力である「ポータブルスキル」、専門性が高く特定領域で力を発揮する「テクニカルスキル」です。

ポータブルスキルを見つける

転職活動を始める前に、自己分析を行って、どのようなポータブルスキルが身についているのか明らかにすることが重要です。過去の経験を洗い出し、評価されたことや得意なこと、周囲から褒められたことなどをピックアップして、どのような力が備わっているのかを明らかにしましょう。

応募企業のニーズとの接点を考える

どんなに高いスキルを持っていても、転職先で活かせなければ転職活動でアピールしても意味がありません。自己分析でポータブルスキルが明らかになったら、応募する求人の「求める人物像」や「仕事内容」を読み込んで、どのように活かすことができるのか考えてみましょう。そして、自己PRや志望動機などで自身のスキルが活かせることをしっかりとアピールすることが大切です。

【年代別】転職で企業が評価するスキル

転職で企業が評価するスキルを、年代別でご紹介します。年代によって求められるスキルは変わってくるため、自身のアピールが適切か確認してみましょう。

「20代」で重視されるスキル

20代は主にポテンシャルとポータブルスキルが重視されます。特定のテクニカルスキルがあればもちろん高く評価されますが、それよりもビジネスパーソンとしての成長のベースとなるポータブルスキルが備わっているかどうかが重要です。

20代前半は特に、学歴や基本的なビジネススキルなどから見えるポテンシャルと、ポータブルスキルが評価される年代。ポータブルスキルが備わっていれば、社会人としての基礎力があると判断されます。

20代後半になると、ポータブルスキルに加えてテクニカルスキルにおいても、一人で業務を完結し成果を上げた経験や、突発的な事項に対応してきた経験などが重要視されます。与えられた業務の課題を自ら考え、意思を持って解決に動いた姿勢は評価される傾向にあります。

「30代」で重視されるスキル

30代になると、ポテンシャルよりも即戦力となるテクニカルスキルやポータブルスキルが重視されるようになります。より難易度の高い課題を自ら設定し、自ら率先して実行して成功に導いた経験などがあれば高く評価されます。

また、リーダーや管理職など、メンバーのマネジメント経験が求められる年代でもあります。具体的に言うと、チームや職場全体の課題を解決する力、自らの考えを広く発信し周囲を巻き込み動かす力、後輩や部下を指導・育成する力など、「周囲への影響力」が求められるでしょう。

さらに、テクニカルスキルもより重視されるようになります。職種やポジションによって異なりますが、企業の中核を担う人材として職場やメンバーに働きかけ、影響を与えられる能力が重視されます。例えば営業ならば自身のチームを持ち、チームをまとめ業績を上げるだけでなく、メンバーの成長を支援し成果につなげた経験、SEであればプロジェクトリーダー・マネジャーとしてメンバーの進捗に注意を払い、プロジェクトを計画通りに遂行し成功に導いた経験などが該当します。

「40代」で重視されるスキル

40代になると、一層のテクニカルスキルやマネジメントスキルが求められるようになります。グループや部門など、より広い範囲をマネジメントする力が求められるため、マネジメント手法もより複雑化します。さまざまな課題に一つひとつ向き合い乗り越えた経験や、膨大な業務量をこなすための自己マネジメント力は重視され、評価されるポイントです。

さらには、「経営への関与」も重視されるようになる年代。マネジャーとして所属事業部の戦略立案にかかわるだけでなく、経営環境の変化を踏まえて新しい事業や仕組みを企画・推進する力や、組織風土を変革する力なども重視されます。

【職種別】転職で企業が評価するスキル

転職で企業が評価するポータブルスキルを職種別にご紹介します。ポータブルスキルに加えて、職種ごとのテクニカルスキルが求められるでしょう。

外資系

外資系の場合は、社内外でコミュニケーションができるだけの語学スキルが求められます。また、日本企業のように「空気を読む」「根回し」などの独特の文化がないため、個が重視される傾向があります。そのため、「主体性」「積極性」「決断力」などが求められるでしょう。

事務職

事務職は職場メンバーのサポートが中心となります。そのため、「気配り・ホスピタリティ」 「チャーム(可愛がられる要素)」「素直さ」などが求められるでしょう。定型化された作業を素早く正確にこなすことも求められるため、「正確性」「スピード」「PCスキル」も重視される傾向にあります。

エンジニア

プロジェクト単位で働くことの多いエンジニアは、「協調性・チームワーク力」「調整・交渉力」が重要です。また、技術的な知識がない事業責任者や他部門に対して説明する機会があるため、「わかりやすく伝える力」「提案力」も必要です。変化し続ける技術をキャッチアップすることも重要になるため、「探求心」「好奇心」「変化対応力・柔軟性」もあるといいでしょう。

マーケティング

ターゲットや目標を設定してマーケティング活動を行うため、「企画力」「計画力」などが求められます。また、マーケティング活動を振り返って分析するため、「分析力」「課題発見力」もマーケティングに求められる重要なスキルでしょう。エンジニア同様に、デジタル広告を中心としてマーケティング手法は変化し続けています。「探求心」「好奇心」「変化対応力・柔軟性」もあるといいでしょう。

転職で必要なスキルを上手にアピールする方法

転職で必要なスキルを、面接で上手にアピールして転職成功するにはどうしたらいいのでしょうか。スキルの見つけ方やスキル一覧、例文をご紹介します。

転職で必要なスキルの見つけ方

転職で必要なスキルの見つけ方を、3つのステップに分けて解説します。

【ステップ1】キャリアの「棚卸し」をする

これまで経験してきた仕事内容を、時系列で思いつく限り書き出します。それぞれの仕事において、次のポイントに従って振り返ってみてください。

・日々の仕事の中で心がけていたこと
・独自に工夫していたこと
・夢中になった場面、やりがいを感じた場面
・人との接し方、関わり方
・チームの中で果たしてきた役割
・考えていたこと、感じていたこと

【ステップ2】強み一覧から「言語化」する

【ステップ1】でまとめたポイントを、「強み」「スキル」としてどのように表現できるかを考え、言語化します。なかなか浮かばない場合は、周囲に褒められたことを思い出したり、短所を強みに言い換えたりして言語化してみましょう。

【ステップ3】強みを自己PR文にまとめる

自分のスキルを言語化したら、自己PR文にまとめます。
自己PR文の冒頭でスキルを伝え、それを裏付けるエピソードをつなげて、応募企業でもそのスキルが活かせることをアピールしましょう。

転職で活かせるスキル一覧

以下に「仕事に求められる強み・スキル」の一例を挙げています。この中から、「自分に当てはまる」と思えるものをピックアップしてみましょう。

<自分に関わる力>
決められたことをやり抜く力/忍耐力/継続力/粘り強さ/実行力/活動意欲/集中力/ストレス耐性/主体性(自分で考え行動できる力)/挑戦心・チャレンジ精神/改善・成長意欲/前向き志向/学ぶ姿勢/度胸・本番に強い/感情をコントロールする力/タフさ(精神力)/使命感・責任感/目標指向性・達成意欲/パッション(情熱)/探究心/どんな仕事でも面白みを見つける好奇心/変化対応力・柔軟性
<他人に関わる力>
親しみやすさ/気配り・ホスピタリティ/チャーム(可愛がられる要素)/素直さ/誠実さ/真面目さ/約束を守る/協調性・チームワーク力/指導・育成力/働きかける力(巻き込み力)/わかりやすく伝える力/傾聴力/プレゼンテーション力/理解力/調整・交渉力
<課題に対する力>
論理的思考力/物事の本質を突き止める力/課題発見力/企画力/計画力/想像力/提案力/分析力/広い視点で捉える力/正確性/スピード/PCスキル/文章作成力/計算能力

一例をあげて書き方・伝え方を工夫する

自己PR文はエピソードを交えると伝わりやすくなります。自分の言葉を意識して、採用担当者がイメージしやすいように伝え方を工夫しましょう。

「信頼関係を構築する力」をアピールする例文

「お客様との信頼関係構築に力を入れています。
お客様から質問を受けたときは、できるだけその日のうちに、遅くとも翌日には調べて回答することを徹底してきました。ただ情報を伝えるだけでなく、『私はこう考えます』と意見や提案を伝えることで、信頼を獲得することができました」

「コミュニケーション能力」をアピールする例文

「チームのメンバーと密なコミュニケーションを図ってきました。
例えば、メンバーから話しかけられたとき、必ず手を止めて、全身をその人に向けて話を聴くようにしています。些細なことですが、誰もが話しやすい雰囲気を作ることができ、チームの状況を共有することができました」

自分のスキルがわからない場合は転職エージェントに相談してみよう

自己分析を一人で行った場合、自分の強みやスキルがなかなか見つからないこともあります。転職エージェントは、キャリアの棚卸しや強みの発見のサポートもしています。転職エージェントに「転職でアピールできるスキルが分からない」と伝え、面談でサポートしてもらいましょう。自分では気づかなかった、意外なスキルが見つかるかもしれません。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏


約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。

記事作成日:2020年03月16日 記事更新日:2023年03月9日

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