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【転職理由の例文まとめ】面接で聞かれたときの回答ポイントなども解説

転職 理由

面接でよく聞かれる質問の一つである「転職理由」。しかし、転職理由は伝え方によってネガティブな印象を与えてしまうこともあります。面接でどのように転職理由を伝えれば好印象を与えられる可能性があるか、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。転職理由別の回答例文もご紹介します。

面接で転職理由を聞かれるのはなぜ?

企業によっても異なりますが、採用担当者が面接で転職理由を聞く意図としては、大きく分けて2つが考えられます。

  1. 入社後の定着──同じ理由でまたすぐに辞めてしまわないかを見極めようとしている
  2. 入社後の活躍──応募者が自社への入社によって希望を実現できれば、モチベーション高く活躍できると期待する

採用担当者の不安を払しょくし、活躍への期待を持ってもらうためにも「入社後に実現したいこと」を語ることが大切です。

面接で転職理由を聞かれたときの回答例文を紹介

面接で転職理由を聞かれたとき、表現によってはネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。ポジティブな言葉に変換し、かつ採用担当者の納得を得やすい理由を語ることが望ましいでしょう。転職理由別に回答例文をご紹介しますので、参考にしてください。

【例文】社風が合わない

現在の会社の営業職は個人の売上が評価の対象とされており、個々のメンバーが独自で活動しています。しかし、私自身は周囲とコミュニケーションをとりながら、チームワークを活かして活動するのが得意なタイプだと考えています。1人で取り組むよりも、チーム一丸となって目標を目指して、大きな成果を挙げたいという思いが強まり、転職を決意しました。

<答え方のポイント>
「社風」を表現しようとすると抽象的になりがちで、面接担当者がイメージをつかみにくいことがあります。そこで、「仕事の進め方」「働き方」などに変換すると伝わりやすくなるため、「このような仕事の進め方が自分に合っている」「このような働き方がしたい」といった希望や目標を伝えましょう。

【例文】仕事内容を変えて新しいことに挑戦したい(キャリアチェンジしたい)

これまでシステムエンジニアとして開発業務を行ってきましたが、今期から開発チームのリーダーを任されることになりました。チームリーダーを経験したことで、自分は1人で技術を追求するよりも周囲を巻き込みながら力を発揮するタイプであることを発見しました。今後は顧客折衝やプロジェクトマネジメントなど、多くの人と関わるポジションでスキルの幅を広げていきたいと思い、転職を決意しました。

<答え方のポイント>
今の仕事に対してネガティブな感情を伝えるのではなく、自己分析を踏まえて「強みをより活かせる仕事」「より興味を持てる仕事」を目指していることを伝えるといいでしょう。

【例文】給与が低い

担当エリア内では常に上位の営業成績を挙げているのですが、今の会社は年功序列を重んじるため、「勤続年数が短い」という理由から成績がほとんど給与に反映されません。そこで、公正な評価制度がある会社で高いモチベーションを持って働きたいと考えました。

御社は社員の働きを正当に評価して報酬に反映する風土とお見受けします。○○事業に力を入れている御社であれば、私の○○の経験を活かして成果を挙げられると考え、志望しました。

<答え方のポイント>
「給与が低いから、給与が高い企業へ行きたい」と語った場合、「他社から高額な給与を提示されて誘われたら辞めてしまうのだろうか」と、懸念を抱かれる可能性があります。

「成果が正当に評価され、報酬に反映される企業を望んでいる」といった伝え方であれば、意欲が高い印象を持たれやすくなるでしょう。また、経験・スキルを活かしてその会社に貢献できるポイントを挙げ、応募企業に対する熱意も伝えてください。

【例文】転勤があるから

<例1>
現在の会社は約○年に一度のペースで転勤があります。転勤は新しい経験を積めるという点でメリットもあると考えていますが、やはり私が目指すキャリアの方向性から外れてしまいます。○○の経験を積める会社で働きたいと考え、転職を決意しました。

<例2>
遠方への転勤を命じられました。家族とも話し合いましたが、妻の仕事や子どもの教育の都合上、家族揃って引っ越すことは難しい状況です。単身赴任も検討しましたが、子どもの成長期に家族が一緒に暮らすことを優先したいと考え、転職を決意しました。

<答え方のポイント>
「転勤を避けたい」という考えや事情がある場合、正直に伝えることも重要でしょう。ただし、会社に対する不満や批判を話すことは避けましょう。採用担当者に「人事異動が意に沿わないとすぐに反発する人だろうか」という懸念を抱かせる可能性があります。

【例文】スキルアップ・キャリアアップできる会社で働きたい

社内SEとして、自社ITの課題解決に向き合ってきました。近年、社会でDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みが加速する中、データ分析・活用の必要性を感じ、独自に学んで資格も取得しました。

しかし現在の会社はDX推進に消極的で、知識・スキルを活かす機会がありません。DXに力を入れる会社で、ビジネスや組織の改革に貢献したいと考え、転職を決意しました。

<答え方のポイント>
「キャリアアップ」「スキルアップ」は一見前向きに聞こえるワードですが、人によって方向性や定義が異なる曖昧なものです。ただ「キャリアアップのため」「スキルアップのため」とだけ答えると、「しっかりと考えていない」という印象を持たれる可能性があります。

転職によってどのようなことができるようになりたいのか、具体的に伝えるようにしましょう。「現状ではできないこと」だけではなく、「転職先で実現したいこと」をアピールすることが重要です。

将来性のある会社で働きたい(業績悪化・リストラなど)

RPAツール開発のプロジェクトマネージャーを務めていましたが、経営方針の変更でRPA事業が縮小されることになり、私は別の開発部署に異動となりました。私としてはツール開発を通してRPA事業の将来性を実感していたため、引き続きRPA事業に携わりたく、○○(RPAツール)のシェアを拡大し急成長している御社を志望しました。○○をさらに進化させることで、多くの企業の業務効率化に貢献していきたいと思います。

<答え方のポイント>
「自社の将来性が不安」と言うと、他人事として見ているような印象を持たれることがあります。「あなたは自社の成長のために、主体的に行動したのか」と問われるかもしれません。将来性ある会社に依存するのではなく、自身がその環境でどう活躍・貢献したいのか、何を学びたいのかを語れることが大切です。

残業が少ない会社で働きたい

私は今の会社で3年前に新規サービスを立ち上げ、事業の成長のために仕事を最優先して取り組み、1つの事業部として確立させるに至りました。しかし、これまで家族に大きな負担をかけてきたことも事実であり、今後は仕事と家庭のバランスを取れる環境で働きたいと考えるようになり、転職を決意しました。

<答え方のポイント>
「残業をしたくない」とストレートに伝えた場合、「仕事への意欲がないのだろうか」と捉えられるかもしれません。労働時間を削減したい理由や事情とともに、仕事に対する意欲を伝えることで不安を払しょくするようにしましょう。

上司との人間関係がうまくいかない

営業目標を達成するために自分なりに行動計画を立て取り組んできましたが、上司からもっとやる気を見せて、新規のアポイントを増やすようにと指導を受けました。営業目標は達成する見込みだったため、その指導に疑問を持ち、上司と話し合いの場を設けたのですが、残念ながら折り合いがつきませんでした。目標達成のためにKPIを設定し行動することは得意なので、それを活かせる環境で挑戦したいと考えています。

<答え方のポイント>

人間関係の問題はどの会社でも起こり得るものです。一方で「人間関係に不満を抱くとまた辞めてしまうのではないか」と思われるかもしれません。

また、自身では上司や同僚に非があると思っていても、面接担当者は「この人のコミュニケーションに問題があったのではないか」「この人がトラブルを招いたのではないか」と不安視する可能性があります。

「人間関係が悪い」→「考え方や価値観が合わない」というように変換し、それらがマッチする会社で働きたいという意向を伝えれば、納得を得やすくなるでしょう。

企業ビジョンや経営方針が明確な会社に行きたい

現在の会社は成長分野を狙って多角的に事業展開していますが、経営陣の意思に一貫性が感じられません。私としては、○○という社会課題を強く意識しており、その解決に取り組める会社で働きたいと考えています。

御社が掲げるミッション・ビジョン・バリューに共感したため、志望いたしました。これまでの△△の経験を活かし、ミッションの実現に貢献できると考えています。

<答え方のポイント>
ただ「会社のビジョン・経営方針がしっかりしている」というだけでなく、自身が応募企業のミッション・ビジョン・バリューに共感していること、ミッション・ビジョン・バリューの実現に自身がどのように貢献できるかを伝えれば、採用担当者の納得を得やすくなる可能性が高まります。

面接で転職理由を上手く答えるポイント

転職理由がどのようなものであっても、以下のポイントを意識してみましょう。面接担当者が納得しやすく、プラス評価にもつながるかもしれません。

事実を伝える

転職を考えたきっかけは、「残業が多い」「上司と合わない」など、ネガティブなものであるケースも多いでしょう。ネガティブな理由をそのまま話すと「マイナスの印象を持たれるのでは……」と不安に感じる方もいます。

しかし、好印象を与えようとして建て前の転職理由を述べても、それが真意でないと見抜かれる可能性があります。「本心を語っていない」とマイナス印象を抱かれ、入社後の活躍をイメージしにくくなるかもしれません。退職理由は具体的なエピソードも交え、「事実」を伝えましょう。

「過去」と「これから」を分けて伝える

面接では事実を正直に伝えることが大切ですが、ネガティブな事実だけを語って終えるのではなく、その後にポジティブな目標を伝えましょう。

転職理由とは、「辞めたい(辞めた)理由」だと考えている方もいるようですが、転職のきっかけ(退職理由)と、転職で実現したいこと(転職理由)とに分けて考えるといいでしょう。つまりは「辞めようと思った過去」と「これからの目標」です。

退職理由を2割程度、転職理由を8割程度のバランスで伝えると、面接担当者は納得しやすく、ポジティブな印象を持ってもらえる可能性があります。

ネガティブな理由はポジティブに言い換える

転職を考えた理由がネガティブなものである場合、ポジティブな表現に変換しましょう。「不満を解消する」のではなく、「転職によって実現したいこと」を考えると、ポジティブなワードが浮かんできます。

以下の言い換え例を参考にしてみてください。

ネガティブな理由 ポジティブな表現例
「キャリアップができない」
「スキルアップができない」
「この会社(応募先企業)だからこそ経験できる業務を通じ、専門性を磨きたい
「上司からの高圧的なマネジメントに耐えられない」 「フラットな組織風土の会社で、自分の意見やアイデアを積極的に発信したい」
「会社の業績が落ち込み、将来性に不安がある」 「新しいチャレンジに積極的な会社で自分の力を試したい」
「仕事にやりがいが感じられない」 「お客様へ貢献を感じられる仕事がしたい」

実現が可能な目的を意識する

先述のとおり、転職理由を語るときには「転職によって何を実現したいのか」を伝えることが大切です。
ただし、その目的・目標が、応募企業で実現できるかどうかを考えましょう。

例えば、「○○の経験を積みたい」と語っても、その採用ポジションでは○○の業務を行わない、この先のキャリアパスとしても望めない場合、企業側は「この人の希望を自社では叶えてあげられない」と、採用に消極的になる可能性があります。

また、「自社のことをよく調べていない」「実現できなければ辞めてしまいそう」と、マイナスの印象を与えてしまうかもしれません。

転職活動に臨む際には、実現可能な目的・目標を定めること、それが実現できそうな企業を選ぶことを心がけるといいでしょう。

志望動機と矛盾しないように気をつける

面接では多くの場合、「志望動機」も聞かれます。そのため「転職理由」と「志望動機」に矛盾が生じないようにしておくことも大切です。「現職では○○ができないため転職を決意した」→「○○ができる御社を志望した」というように、「○○」の内容に一貫性を持たせましょう。転職理由と志望動機が一貫していると、志望動機の説得力が高まります。

転職経験者に聞いた「面接で語る転職理由」ランキング

リクルートエージェントでは、1年以内に転職した人を対象にアンケート調査を行い、「転職のきっかけ」と、実際に「面接で語る転職理由」を聞きました。

「転職のきっかけ」のランキングでは、「労働時間・環境への不満」「給与が低い」といった労働条件での不満が上位を占めました。

トップ10全体を見ると、「会社の将来性」「会社のビジョンや方向性」など、会社に対する不安や疑問、「仕事内容」に対する不満、「同僚・先輩・後輩」との人間関係の不和も挙げられています。

一方で「年収を上げたかった」「自身の働き方を見直したかった」など、自身のキャリアアップを意識した理由も挙げられていました。待遇とともに自身が成長できる環境も、仕事をする上で重要な要因であることが見てとれます。

  • 「転職のきっかけ」ランキング

転職のきっかけランキング

「面接で語る転職理由」ランキングの1位は、「転職のきっかけ」ランキングと同様「労働時間・環境が不満だった」でした。しかし、その比率は「転職のきっかけ」の26.7%と比較すると、14.6%とかなり少なくなりました。

「転職のきっかけ」の多くが労働条件や報酬への不満だったのに対し、「面接で語る転職理由」ランキングでは、「キャリアアップしたかった」「他の仕事に挑戦したかった」「仕事の領域を広げたかった」「自身の働き方を見直したかった」といった前向きな理由が半数を占めています。

つまり、不満から転職を考えたとしても、キャリアについて改めて考え、さまざまな企業を見たりする中で、理想の姿や自分の本当にやりたかったことが見えてきて、それらを面接で伝えているのかもしれません。

  • 「面接で語る転職理由」ランキング

面接で語る転職理由ランキング
調査概要
【調査方法】インターネットによるアンケート調査
【調査対象】20歳〜59歳の男女のうち、過去1年以内に転職経験がある正社員
【調査期間】2024年1月30日〜2024年2月2日
【有効回答数】329名

出典:年代別転職理由の本音 | RECRUIT AGENT(株式会社リクルート)

悩んだら転職エージェントを活用しよう

採用面接の選考を通過するためには、「退職を決意したきっかけ」→「転職で実現したいこと」→「その会社を志望した理由」という一連のストーリーを、整合性を持って語れるように準備することが重要だと考えられます。しかし1人で考えていても、整理がつかないこともあるでしょう。

そのようなとき、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談することで、自身の考えを整理できたり、意識していなかった志向や仕事に対する価値観に気付けたりすることもあります。

面接での受け答えのアドバイスも受けられることもありますので、転職エージェントのサポートサービスを活用してはいかがでしょうか。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2018年09月30日
記事更新日:2023年02月24日
記事更新日:2025年02月18日 リクルートエージェント編集部

リクルートエージェントでは、転職でお悩みの方に適切なアドバイスをお送りしています。また、企業の面接対策や職務経歴書の作成サポートや、スムーズな退職のためのサポートを行っています。お悩みの方はぜひ一度相談に来てみてください。