【インターネット業界】新型コロナウイルス禍の転職市場動向

インターネット業界の新型コロナウイルス禍における求⼈・求職者の動きを、業界に精通したキャリアアドバイザーがレポートします。
「コロナウイルス禍での転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。

業界・企業側の動き

新型コロナウイルス禍により、一時的に採用を抑える企業の動きもありましたが、全体としては５月から緩やかに回復傾向にあります。業務支援のSaaS系サービスについては、顧客のDX(※１)推進に伴い事業も好調、採用も活発で、営業企画や営業・開発ポジションまで幅広く求人があります。ゲームやライブ配信事業についても、外出自粛の影響でユーザー数が増えています。Web広告代理店は、こういった領域の案件を獲得する動きをしています。

採用の場では、Webで最終面接まで実施する企業が非常に増えています。他の業界に比べても導入は早かったですが、一部対応しきれない企業との差はでてきている状況です。一度もオフィスに来られない候補者のために、社内の様子を動画コンテンツにして共有するなど各社工夫が進んでいる状況です。Web面接が当たり前になったことで、今までまとまった時間を取ることが難しかった役員クラスが採用に関わりやすくなったという例もでてきています。経営陣から数十分でも求職者への魅力付けができるか否か、今後差がついてくる可能性があります。また、このような変化にスピーディに対応できているかも、求職者は敏感に感じており、対応が遅れているだけでイメージが劣位になってしまうこともあります。このように、制約があるなかでも『情報発信の透明度と変化への対応スピード』が採用における競争優位のポイントになっていくでしょう。

(※１) デジタルトランスフォーメーションの略

求職者側の動き

求職者の中には、テレワークの浸透や自由時間の増加で、面接できる候補日程が増えスムーズに活動できている例が増えてきています。元々比較的ITリテラシーも高く、ツールにも使い慣れている人材が多いこともあり、Web面接に移行したことで特に困るようなことは起きにくいようです。

志向としては、より「明確な事業計画・事業の安定性/将来性」があるかどうか重視したいという動きがあります。一部、入社後すぐにテレワークということに不安を覚える方もおり、企業は対策が必要となっています。

まだまだ様子見という求職者も多く、だからこそ自分の希望に合う求人があればチャンスだともいえるでしょう。求人自体も日々変化していくため、動向を冷静に見つつ、自分のキャリアにとって良い求人、やりたいことができる求人があれば、周りが動いていなくとも決断できるかどうかが、大切になってくるかもしれません。

出所：リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析

出所：リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析

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