素材・エネルギー業界の新型コロナウイルス禍における求⼈・求職者の動きを、業界に精通したキャリアアドバイザーがレポートします。
「コロナウイルス禍での転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。
素材・エネルギー業界の転職市場動向のポイント
・再生可能エネルギーなど環境系の人材を求める動きは継続。半導体関連求人は増加
業界・企業側の動き
エネルギー業界では、新型コロナウイルス禍・原油安の影響により採用を一時的に抑えている分野もありますが、必要なポジションについては力を入れている状況です。特に、再生可能エネルギー関連の求人については、需要は高いままであり継続しています。
大手化学メーカーで従来注力分野となっていた自動車、半導体、バイオ・ヘルスケアの3分野については自動車向けエンプラ開発などのニーズが減少していますが、半導体のプロセス材料のニーズは増加しているなど、領域によって差が出ている状況です。
企業によって先行投資となる研究開発分野で増員するか、判断が分かれています。影響を予測しきれないため、この後採用が継続されるかはまだ不透明となっています。
Web面接の導入について、一部の企業では最終面接まで導入している例もありますが、全体としては導入には時間がかかっている印象です。
大手の採用が全体的にやや鈍化しているのに対して、ベンチャーの動きは軽快です。脱プラや電池など各種環境問題をテーマにしたベンチャーは採用を継続しています。
新型コロナウイルス禍でESG(※1)領域を、経営の視点で取り入れられるかどうかで今後の事業の明暗が分かれる可能性があります。長期的視点で次世代のコアとなる事業への攻めの採用ができるかが問われるでしょう。
(※1)環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとったもの。
求職者側の動き
Web面接が実施されるようになったことで、遠方の求職者も活動がしやすくなっています。特に工場などの立地により今まで活動ができなかった方も、今は空き時間に家でも活動ができ、流動性が上がっていく兆しがあります。また、この状況で活動している求職者は特に、自分のキャリアはこのままでいいのか?と冷静に考え、意志をもって動いている方が増えている印象です。
出所:リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析
注:こちらのグラフは、素材・エネルギー業界だけでなく、化学業界の全体のデータをもとに作成しています。
出所:リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析
注:こちらのグラフは、素材・エネルギー業界だけでなく、化学業界の全体のデータをもとに作成しています。
転職活動は情報収集から
リクルートエージェントには、素材・エネルギー業界に強いキャリアアドバイザーが在籍しています。
最新の採用市場の動向はもちろん、キャリアの「市場価値」、同世代の転職成功事例、職務経歴書作成や面接で注意すべきポイントなど、さまざまな情報、アドバイスをご提供します。
新型コロナウイルス禍の転職活動に不安を感じている方もいらっしゃると思います。
リクルートエージェント独自の非公開求人もございますので、情報収集に転職エージェントのサービスをご活用ください。
※お申込み時にキャリアアドバイザーの指定はできません。予めご了承ください。
新型コロナウイルス禍の転職市場動向
羽田野 直美
製造業のエンジニアを中心としたキャリアアドバイザーを経験後、2010年からは「環境・エネルギー・素材業界」を中心に、リーダーからディレクタークラス、また高度専門職のキャリアコンサルティングに従事。