【銀行・証券業界】新型コロナウイルス禍の転職市場動向

銀行・証券業界の新型コロナウイルス禍における求⼈・求職者の動きを、業界に精通したキャリアアドバイザーがレポートします。
「コロナウイルス禍での転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。

銀行業界の新型コロナウイルス禍の転職市場動向

業界・企業側の動き

人員削減の報道も出ていますが、DX(※１)推進に伴う採用見直しと大量採用時代の従業員の退職を踏まえた自然減が主要因であり、ビジネスモデルの変革、採用縮小した中間層の強化含め、全体的に総合職・即戦力採用は強化傾向となっています。特に、ファイナンス(※2)、デジタルマーケ、リスク監査、事業企画などが多く、攻めの分野であるDX推進の動きは変わらず活発です。

５月以降大手でもWeb面接の導入が進み、最終面接までWebで完結する企業もでてきています。面接のWeb化は新卒採用で先行して行われていたが、中途採用でも浸透してきているようです。

(※１) デジタルトランスフォーメーションの略
(※２)プロジェクトファイナンス、シンジケートローン、ストラクチャードファイナンスなど、単なる企業向け融資ではなく、事業が生み出すキャッシュフローや、商流に着目するなど、最先端のスキームやプロダクトを活用した資金調達方法。

求職者側の動き

企業が社員の出勤率を減らしていく動きのなかで、求職者の中には今まで転職活動がしづらかった方が、移動時間が無くなったことで面接などに使える時間が増え、活動率が上がっている傾向があります。またWeb面接が実施できるようになったことで、一部UIターンや地方企業への面接も可能になり、今までよりも選択肢が広がっている印象です。

今後、支店数を絞る動きがある一方で、富裕層向けビジネスを拡大していく傾向からプライベートバンカーの需要が高まる可能性があり、幅広い知識をつけながら専門性の高い経験を積めるポジションも人気になっていくかもしれません。

証券業界の新型コロナウイルス禍の転職市場動向

業界・企業側の動き

個人営業が対面でできなくなったことによりオンライン環境下での営業を始めとした、新しい形での収益確保が求められ始めています。中長期で採用が必要なポジションは引き続き採用しており、ITエンジニア、経理財務・監査の求人は活発です。収束後には、ピンポイントにはなるものの、インベストメントバンキング部門やグローバルマーケット部門でもニーズが出てくる可能性は高いと考えます。

求職者側の動き

ネット証券の口座開設数が増えていることも相まって、マーケット知識を活かしネット証券の企画側への転職の動きがあります。また法人営業経験者で、決済系のベンチャーの営業への転職の動きも見られています。

出所：リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析
注：こちらのグラフは、銀行・証券業界だけでなく、生保・損保業界なども含む金融業界全体のグラフとなっています

出所：リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析

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