【ベンチャー領域】新型コロナウイルス禍の転職市場動向

ベンチャー領域の新型コロナウイルス禍における求⼈・求職者の動きを、業界に精通したキャリアアドバイザーがレポートします。
「コロナウイルス禍での転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。

企業側の採用の動き

採用計画の見通しを立てるのが難しい状況になっているのは事実であり、企業もどのポジションから採用を進めていくか検討しながら活動をしていることが多くなっています。事業のピポットも早くなり、それに伴い人員計画も柔軟に変えていく必要があるため採用の難易度は上がっていると言えます。この不確実な社会のなかで、事業の変化に対応しつつ、経営と採用・人事施策をつなげて実行できるCHROやHRBPの役割を担える人材が求められています。どの企業でも、CxOを求める動きは強いですが、「役割を担うのが可能な人材」と「自社を志望する人材」の重なりを見つけることに苦戦している状況です。

ベンチャー領域の特徴的な分野

新型コロナウイルス禍により、今後も外出の制限など、新しい生活様式への対応は続くと思われます。この社会の変化のなかで、ベンチャー領域では「遠隔」で何かを実現する技術に改めて注目が集まっています。

例えば、新型コロナウイルス禍以前は、「アバター技術」「遠隔ロボット技術」についての必要性は切迫していませんでしたが、ここにきてVCの関心も高まり、転職を考える求職者側も注目しています。今まではこういった技術は何らかの制約がある人に向けてのサービスとされてきましたが、現在ではより多くの人が使う可能性のあるサービスになってきていると言えます。特に注目がされている３領域について解説していきます。

医療

オンライン診療のニーズが急激に高まっており、今までのオンライン診療よりもより高度な診察ができるような技術開発が進んでいます。例えば、疾患につながる「音」を記録し診断に活かすような取り組みも生まれています。元々は、災害時の医療提供に課題があるとして研究されていた分野で市場規模は小さいと思われていましたが、現在ではより多くの人に求められるようになり、VCも興味を示している状況です。ITエンジニア・データサイエンティスト、音響メーカー出身者などを採用する動きがあります。

ドローン

配送業務でのニーズが高まっています。この技術も元々災害時のために開発が進められていましたが、この状況下でニーズが高まっています。現在は民間物流に組み込めないか、検討されている状況です。ハード面の採用もありますが、自律飛行開発、画像認識・処理開発など、採用ニーズが高くなっています。今後の市場としても広がる可能性が高いため、注目したい領域です。

物流

ファクトリーオートメーション関連の技術に注目が集まっています。元々は労働人口の減少のなかで省人化が図られていましたが、昨今の状況もあり、限られた人員のなかでも稼働できる状況を構築するために、待ったなしの対応になっています。求職者からの興味も高くなっている印象です。

求職者側の動き

中長期の視点で様子を見ながら転職活動をしていきたいという方は多い印象です。業界や企業の状況変化も早いため、情報を集めながら活動する方が多くなっています。企業側も採用を慎重にしていく動きはありますが、今採用している企業は、それだけ企業体力があるか事業計画上必要なポジションであることが多く、チャレンジしたい求職者には良い求人を見つけやすい状況と言えるかもしれません。

出所：リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析

転職活動は情報収集から

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