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「やりたいことがない・わからない」と思う原因とは?自分に合う仕事の見つけ方を解説

やりたいことがない 仕事

「やりたいことがなく、やりたい仕事もわからない」と感じている場合、どのような仕事が自分に合うのかわからずに悩んでしまうケースもあるでしょう。今回は、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が、「やりたいことがない・わからない」と感じてしまうケースでよくある原因や、やりたい仕事・自分に合った仕事を見つけるための方法を解説します。

「やりたい仕事がない・わからない」と感じる人は少なくない

「やりたい仕事がない・わからない」と感じる人の割合は少なくないといえるでしょう。

株式会社リクルートの研究機関であるジョブズリサーチセンターが発表した「求職者の動向・意識調査2023基本報告書(※)」によれば、仕事が決まらず仕事探しを終了した人に聞いた“新たな仕事が決まらなかった理由”では、「仕事を探したが、応募したい仕事を見つけられなかった」(35.4%)が最多となっていました。全体の3割超の人は、応募したい仕事がないために転職活動を終了していることがわかります。

新たな仕事が決まらなかった理由

(※)出典:「求職者の動向・意識調査2023基本報告書(P16)」(株式会社リクルート)

「やりたい仕事がない・わからない」と感じるケースでよくある5つの原因

ここでは、「やりたい仕事がない・わからない」と感じるケースでよくある原因について紹介します。

1:自己分析が足りず、自分に合う仕事がわからない

過去の経験を振り返って自己分析することで、「どのような仕事をする時に喜びややりがいを感じるのか」を明確にしやすくなるでしょう。そのため、自己分析が不十分な場合は、自分の得意分野や強みがわからず、やりたい仕事の方向性が見えにくくなってしまいがちといえます。

一方、「やりたいことがわからない」「興味がある仕事がない」という場合でも、自分の強みを活かして成果を出すことにやりがいを感じることによって、天職・適職だと感じるケースもあります。しかし、自己分析で自分の得意なことを明らかにしていなかったり、キャリアの棚卸しで過去の経験・スキルを整理していなかったりする場合は、自分の強みや発揮できるスキルなども明確になっていないことで、自分に向いている仕事を見つけられないケースもあるでしょう。

2:業界・職種の研究が足りず、どのような仕事があるのかわからない

世の中には数多くの仕事があり、あまり知られていない職業などもあります。
多様な職業がありながらも「やりたい仕事がない」「楽しいと思える仕事がない」と感じる理由は、やりたい・楽しいと思える仕事に出会えていないだけという可能性もあります。多くの仕事を知ることによって、自分がやりたい仕事が見つかるかもしれません。

3:自分に自信を持てず、最初からやりたい仕事をあきらめている

興味のある仕事はあるものの、自分に自信が持てないことで最初からあきらめているケースもあります。「経験・スキルがないから無理…」と思わず、興味を持った仕事に思い切ってチャレンジすることで、自分の得意・不得意が明らかになり、キャリアの方向性を見極めたり、経験の幅を広げていったりすることができるかもしれません。

また、「気になる業界はあるけれど、自分にできる仕事がない」と感じてしまうケースもあります。楽しそうだと思う業界があるなら、業界内のさまざまな仕事について調べてみることで、未経験からチャレンジできる職種が見つかるかもしれません。最初から「やりたい仕事」と「できそうな仕事」を切り分けずに、選択肢を広げることが大事だと考えましょう。

4:理想の仕事を追い求め続けている

興味を持った仕事があっても「今の仕事より給料を下げたくない」「ハードワークはしたくない」「生涯働き続けられるような専門性を身につけたい」「安定的に働ける企業がいい」など、転職先に求める理想が高く、仕事選びが進まないというケースもあります。
業界や職種によっても異なりますが、全ての希望を満たすパーフェクトな仕事を見つけることは難しいこともあるでしょう。

また、未経験から転職する場合は、入社当初の待遇や仕事内容に納得できないこともあるかもしれません。しかし、入社後に経験を積み、成果を挙げていくうちに給与アップができたり、目指す職種やポジションに就けたりする可能性もあります。理想の仕事を追い求めるあまり、仕事探しの段階から選択肢を狭めてしまうケースもあるので、中長期的な視点で考えてみることが大事です。

5:給与や残業時間・休日などの条件を重視している

給与や残業時間・休日休暇、福利厚生、勤務地などの条件を重視して仕事を探している場合は、自分に合った仕事を見逃してしまっている可能性もあります。
例えば、転職サイトなどで仕事探しをする際、年収条件や休日数、勤務地などの検索条件から絞り込んだ場合には、条件に当てはまる求人のみしか検索結果に表示されなくなってしまいます。

一方、業界・職種を限って探している場合も、やりたいと思える仕事や興味を持てる仕事が視野に入らないこともあるかもしれません。希望条件も大事ですが、業務内容や仕事のやりがいという視点から探してみることで、自分に合う仕事が見つかる可能性もあるでしょう。

やりたい仕事・自分に合った仕事を見つける3つの方法

やりたい仕事や自分に合った仕事を見つけるために役立つ3つの方法を紹介します。

自分の過去の経験を振り返ってみる

やりたい仕事が見つからない時は、「過去の自分を振り返ること」がまず大事です。以下を参考にしてみましょう。

「好きなこと」から探す

自分の好きなことから「やりたいこと(Will)」を考えてみましょう。幼少期や学生時代を振り返って、行事や勉強、遊びやスポーツなどで熱中したことを思い出してみれば、やりたいと思えることが見つかるかもしれません。また、アルバイトや仕事で楽しかった業務内容などを挙げるのも有効です。

「評価されたこと」から探す

周囲から評価されたり、褒められたりしたことを考えてみましょう。自分では特に意識していなかったことも、実は優れた能力だったと気づくケースもあります。自分の能力を発揮できる仕事は適職であり、成果を出しやすいといえるでしょう。
また、成果を挙げ、人から認められることによって自信がついて、そこにやりがいを見出すケースもあります。周囲に評価されている「できること(Can)」を探してみましょう。

「苦痛に感じず続けられること」を探す

好き嫌いや評価されることだけでなく、「続けられるかどうか」も、適職を探すうえで重要な要素です。仕事では、好きではないこともやらざるを得ないシーンがあります。しかし、「続けるのが難しい」「ストレスになる」という場合、その仕事が向いていない可能性が高いでしょう。

一方で、好きではないことでも、「続けるのが苦にならず、没頭できること」を仕事にした場合は、ストレスなく働き続けていくうちに「自分に向いている仕事だ」と感じる人もいます。仕事には「やるべきこと(Must)」がつきものなので、毎日続けても苦にならないものを選ぶこともひとつの方法です。

「やりたくないこと」から考えることもできる

先に挙げた方法に取り組んでも「自分のやりたいことがわからない」と感じている場合は、「やりたくないこと」から考えてみることもできます。「やりたくないこと」に重ならない仕事を探してみれば、自分に合う仕事や向いていると思える仕事が見つかるかもしれません。

業界・職種・企業研究を進めながら探す

業界・職種・企業研究を通じて、自分がやりたい仕事を見つけるという方法もあります。それぞれの進め方をご紹介します。

業界研究のやり方

メーカーや金融、ITなど、業界によって特徴があります。それぞれの特徴や構造、マーケットの大きさなどを調べてみましょう。初めて業界研究を行う場合は、リクナビなど新卒向けの情報サイトがわかりやすいかもしれません。どこから手をつけていいかわからない場合は、転職フェアや合同企業説明会などに参加するという方法もあります。興味を持った業界があれば、業界イベントや展示会などを覗いてもいいでしょう。

職種研究のやり方

業界が絞られてきたら、職種研究を行います。どのような職種があるかは、業界によっても変化します。例えば技術系の職種の場合は、メーカー業界なら、機械や電気回路などの開発を手がける設計エンジニアや、工場における生産にかかわる生産技術、生産した製品の品質を担保する品質管理などが挙げられます。一方、IT業界の場合は、ソフトウェアやアプリ開発を手がけるシステムエンジニア、ネットワークインフラを構築するネットワークエンジニアなどがあります。

また、同じ職種でも業界によって仕事の進め方や役割が異なることもあります。営業職の場合、個人向け営業は、新規顧客開拓のために商品・サービスの魅力の提案をする傾向がある一方、法人向け営業は、既存顧客に向けた課題解決の提案などを行い、継続的に関係性を築く傾向があります。

企業研究のやり方

業界や職種がある程度決まってきたら、企業研究を行いましょう。一般的に、日用品や家電製品など、一般消費者を対象にしているBtoC(Business to Consumer)企業はイメージしやすいといえます。一方、法人を対象にしているBtoB(Business to Business)企業にはあまり馴染みがない人もいるでしょう。

実は、素材や部品、卸など、世の中には数多くのBtoB企業があり、一般的にはあまり認知されていなくても世界で事業を展開するグローバル企業も含まれています。キャリアの選択肢が広がるため、BtoB企業にも視野を広げて企業研究を行いましょう。

「将来なりたい姿」から探す

将来なりたい姿から適職を探すという方法もあります。以下を参考に、自分が描いているワーキングスタイルやライフスタイルを実現するために必要なことを考えてみましょう。

10年後のなりたい姿をイメージする

自分の10年後を想像して、「仕事ではどのように活躍しているのか」「どのような生活を送りたいのか」を考えてみましょう。例えば「アクティブに取引先に足を運び、提案する仕事がしたい。成果を出して評価されたい」という場合は、クライアントに直接提案を行う営業職などが向いているかもしれません。

逆算して必要な経験・スキルを考える

なりたい姿を描いて具体的な職種がイメージできたら、逆算して必要な経験・スキルを考えてみましょう。自分が目指す職種に就くためには、「これからどのような経験を積めばいいのか」「現職のままその経験を積める部署に異動できるのか」「転職した方が近道なのか」などを考えることが大事です。また、どのような商品・サービスを扱いたいのかによっても、必要な経験・スキル・資格などは変化するので、こうした点も踏まえることがポイントになります。

自分一人で見つけられない時は、他者の力を借りよう

「自分一人では何がしたいのかもわからず、何が適職なのかもわからない」と感じたら、他者の力を借りたり、ツールなどを活用したりすることもおすすめです。

周囲の人に相談してみる

周囲の友人や家族などに相談し、自分に向いていると思うことや、自分が熱中して取り組んでいたことなどについて聞いてみる方法があります。他者と対話することで、自分の過去を振り返りやすくなったり、仕事に対して求めていることなどが見えやすくなったりすることもあるかもしれません。

無料の適職診断や適職セミナー、適職探しの本などを活用してみる

無料の適職診断ツールや適職セミナーなどを活用し、客観的に自分に合う仕事・向いている仕事について知ることもできます。また、適職の探し方などを紹介している本を読み、実践してみるのも有効でしょう。

転職フェアなどに参加してみる

転職フェアには多くの企業が集まっているため、自分の知らない業界・企業・職種などを発見することにも役立つでしょう。
興味を持った企業や職種があったら、どのような仕事内容で、どういったやりがいを感じられるのか話を聞いてみることで、自分に合っている仕事や楽しいと思える仕事が見つかる可能性もあります。

転職エージェントに相談してみる

転職支援のプロである転職エージェントに相談してみる方法もあります。
基本的に、転職エージェントは無料で登録・利用ができ、キャリアアドバイザーとの面談を通じてキャリア相談することも可能です。自分の思いを具体的に話すことで、転職先に希望することが見えたり、キャリアの棚卸しによって自分の強みを洗い出すことができたりするかもしれません。

また、転職エージェントでは、求職者の希望条件と経験・スキルにマッチする求人を紹介してくれるので、幅広い角度から自分に向いている仕事を提示してもらえるかもしれません。意外な適職や、あまり知られていない職種などを発見することにも役立てられるでしょう。転職エージェントを利用したからといって、転職しなければいけないわけではないので、気軽に活用してみるのも一つの方法です。

やりたいことがわからない時によくあるQ&A

やりたいことがわからないと感じる時に、よくある疑問にお答えします。

Q:やりたい仕事が見つからず、疲れてしまった。どうすればいい?

「やりたい仕事を見つけなくてはならない」と思いすぎることで、自分を追い詰めてしまうケースもあります。自分一人で悩み続けることに疲れてしまったら、転職エージェントなど、第三者の力を借りることがおすすめです。出口を見つけるきっかけになるかもしれません。

Q:スキルに自信がない…。今から目指せる職業はある?

スキルに自信がないと思っている場合でも、これまでの経験・スキルを振り返るキャリアの棚卸をすることで、発揮できる強みや得意とする業務などが見つかる可能性があります。以下の記事を参考に、キャリアの棚卸しを実践してみましょう。自分では無理だと感じたら、転職エージェントに相談すればキャリアの棚卸しを受けられるケースもあります。

Q:やりたい仕事はあるけれど、業務に必要とされるスキルも経験もない。転職できる可能性はある?

未経験の業界・業種・職種に転職したい場合は、業務に必要な経験・スキルが身につく仕事に転職してから、再度、転職を目指す方法もあります。「どのようなステップでやりたい仕事を目指せばいいのかわからない」という場合は、転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

記事作成日:2020年09月02日
記事更新日:2022年03月31日
記事更新日:2023年02月21日
記事更新日:2023年10月24日
記事更新日:2025年01月31日 リクルートエージェント編集部

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