面接を受けた後は、その結果がわかるまで気持ちが落ちつかず、次のアクションを取りにくいものです。転職エージェントを介して応募した場合、どのくらいの日数で面接結果の通知が届くのか。結果の連絡が遅くなるパターンや、問い合わせ方法などについて、人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。
目次
転職エージェントから面接結果が来る日数の目安
そもそも採用企業から応募者への合否連絡は、面接後から何日くらいかかるのでしょうか。まずは、合否連絡が来る日数の目安について解説します。
面接の合否連絡にかかる日数は「1週間程度」
リクナビNEXTが企業の人事担当者を対象に実施したアンケート調査によると、最も多かった回答は「7日以内(56.7%)」。「3日以内(24%)」と合わせると、約8割の企業は面接後1週間以内に合否結果を通知しています。つまり、面接結果の連絡が来る目安は「1週間程度」と考えていいでしょう。
面接終了後、何日くらいで結果を通知しますか?
転職エージェントを利用した場合
転職エージェントは、企業から面接結果の連絡を受けたら、できるだけ早く応募者に通知します。合否がわかるのは直接応募の場合と同様に1週間程度です。通常応募とのタイムラグは基本的にはありません。
しかし、状況によっては、転職エージェントが応募者の希望に応じて企業に交渉し、早めに面接結果の連絡をもらえる場合もあります。
例えば、応募者側に「並行応募している他社で○日頃に内定が出る見込みがあるため、比較検討するために面接結果を早めに知りたい」といった事情があるケースです。何らかの事情で早く面接結果が知りたい場合は、転職エージェントに相談してみるといいでしょう。
転職エージェント経由の応募で、面接結果の連絡が遅い理由
直接応募や転職エージェント経由での応募に関わらず、合否の連絡が遅れる理由には次のようなパターンがあります。
社内調整を行っている
選考に関わる人数が多い場合、応募者に対する評価で意見が分かれ、調整を図っていることがあります。社内の協議や承認プロセスに時間がかかっている可能性があります。
最終面接を終え、内定の方向で検討しているとしても、配属先部署の候補が複数ある場合、部署間で調整しているケースもあります。
このほか、最終決定権を持つ責任者が非常に多忙、あるいは出張中・休暇中などの事情により決裁が保留になっていることもあります。
他の応募者との調整を図っている
応募先の企業が「すべての応募者と面接し、相対比較した上で合否判断をする」方針の場合、応募者全員の面接が完了するまでは結論を出せません。すると早期に面接を受けた人は長く待たされることがあります。
また、他の応募者にすでに内定を通知し、その内定者から入社を承諾するか辞退するかの回答が来てから、他の応募者の合否を決めるケースもあります。
なお、不合格の通知を受けた転職エージェントのキャリアアドバイザーが「この応募者の実力が正当に評価されていない」と感じたとき、企業に再検討を促し、再選考していることもあります。
採用担当者が多忙で手が回らない
想定より多数の応募があった場合は、採用担当者の対応に時間がかかり、選考期間が長引くことがあります。また採用部門の責任者が選考を行う場合も、業務が多忙なタイミングに書類選考や面接が重なると、なかなか時間をとれないことも少なくありません。
転職エージェントの内部事情が影響するケースも
転職エージェント側で連絡業務が滞っているケースもあります。大手の転職エージェントの場合はフォロー体制を整備されているため、担当キャリアアドバイザーが対応できない場合は他のメンバーが業務を代行し、連絡が滞ることはほとんどありません。
しかし、中小規模あるいは個人で運用している転職エージェントの場合は、多忙や休暇など、何らかの事情によって、伝達のタイムロスが発生している可能性もあります。
面接の合否連絡が来ないときの対処法
面接から1週間程度以上経過しても合否の連絡がない場合、次のような方法で確認をとってみましょう。
メールや留守番電話などを再確認
念のためメールフォルダの確認や、留守番電話にメッセージが残されていないかもチェックしてみましょう。転職エージェントからのメールが他のメールに埋もれていて気付かなかったり、何らかの理由で迷惑メールフォルダなどに振り分けられたりしている可能性もあります。
電話やメールで問い合わせる
担当のキャリアアドバイザーに問い合わせをしてみましょう。ただし、電話での問い合わせはアドバイザーも即答できない可能性が高いため、まずはメールで問い合わせることをお勧めします。
ただし、「他の応募企業から内定が出たので、入社意思の回答をしなくてはならない」など急ぐ事情がある場合は、電話でその状況を伝えて問い合わせをしましょう。
面接結果を問い合わせる際のポイント
早く結果を知りたい場合、その理由を伝えることをお勧めします。「他社から内定を得て、承諾するかどうか迷っている」「他社の最終面接があるので、こちらの会社で不採用になる可能性が高いなら応じたい」など。状況に応じて企業と調整してくれる可能性があります。
面接の合否連絡を問い合わせる方法【例文あり】
転職エージェントに合否連絡を問い合わせる際の伝え方を、メール・電話それぞれのケースでご紹介します。「採用か不採用か」とストレートに聞いても即答を得られる可能性は低いため、「いつ頃、結論がわかるか」という聞き方をすることがポイントとなります。
メールで問い合わせる場合の例文
件名:【ご質問】中途採用の選考結果につきまして △△太郎(自分の名前)
本文:
○○様(担当キャリアアドバイザー名)
お世話になっております。
○○社の××職(応募職種)の採用選考に応募しております△△と申します。
○月○日の最終面接の折、人事担当の方から一週間程度以内に合否判断をすると伺ったのですが、現時点で結果のご連絡を頂戴できておりません。
他の応募企業でも選考が進んでおりまして、そちらとの兼ね合い上、いつ頃までお待ちすればよいかをご連絡いただければ幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。
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署名
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電話で問い合わせる場合の例文
お世話になっております。△△と申します。
○○社の××職(応募職種)に応募しておりますが、○月○日に受けた最終面接の合否のお返事についてお聞きしたく、お電話をいたしました。
他のエージェント経由で応募している企業でも選考が進んでおり、面接スケジュールの調整をしたいのですが、選考結果についてのご連絡はいつ頃いただけるでしょうか。
ご確認いただきたく、よろしくお願いいたします。
面接の合否結果を早く知りたい場合
「複数企業に応募している」「在籍企業への退職交渉のタイミングを計っている」といった事情で、合否結果をなるべく早く知りたい場合は次のように対処するといいでしょう。
面接であらかじめ目安を聞いておく
企業との面接の場で、人事担当者にいつ頃結果が出るのかを聞いておきましょう。面接結果を早く知りたい事情を伝えておくと、早めの対応を配慮してくれる場合もあります。また、事前に回答時期の目安を聞いておくことで、期日までに連絡がない場合も確認の連絡が入れやすくなります。
転職エージェントに状況を確認する
転職エージェントを通じて、応募企業の選考状況や自身の評価を確認してもらえることもあります。そのフィードバックからある程度合否の予測ができ、次の行動を判断できる可能性もあります。
合否連絡を待っているときの時間の使い方
合否の連絡を待っている間の時間も有意義に過ごしたいものです。選考段階に応じ、次のような準備をしておいてはいかがでしょうか。
合格したら次の面接に進む場合
1次・2次などの面接結果を待つ場合、次の面接に向けて準備を進めておきましょう。転職エージェントから想定される質問項目などの情報を入手し、効果的に自分をアピールできるよう回答パターンを考えておいてください。
特に「志望動機」「入社後、どう貢献できるか」について説得力を持って語ることができるように、企業研究を深めておくといいでしょう。
【参考記事】
・転職で3次面接が決まったら?選考通過するために知っておきたい面接対策
・「最終面接」は何が違う?聞かれることと回答のポイント
・転職の最終面接で落ちる確率はどのくらい?落ちる傾向と対策を解説
・「転職の最終面接は、ほぼ合格」は間違い!?最終面接の位置付けと注意ポイント
最終面接の結果を待っている場合
内定を獲得した場合、入社を承諾するか辞退するかを考えておきます。回答期限が想定よりも短いケースもあるため、入社するにあたっての条件を整理し、交渉・確認したい事項をまとめておきましょう。
新たに応募を考えているのであれば、これまでの面接結果を振り返り、転職先選びの条件を見直して整理しておいてください。
転職エージェントを上手に活用しよう
転職エージェントを通じて応募する場合、面接結果を担当キャリアアドバイザーに状況を確認してもらうことが可能です。他社の選考状況との兼ね合いによっては、企業に合否判断を急ぐよう交渉してもらえることもあります。
キャリアアドバイザーが早い結論を促してくれるケースもあります。自身の事情を率直に担当キャリアアドバイザーに伝え、スムーズに運ぶように協力してもらいましょう。
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。