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「仕事が合わない」と感じる理由や対処法、仕事を続けるか転職するかの判断基準を解説

仕事 合わない

今の仕事・会社が「自分に合わない」「向いていない」と感じたとき、「早く辞めたほうがいいのか?」「すぐに辞めるのは甘えかもしれない……」などと悩む人もいるでしょう。しかし、合わない仕事を続けた結果、後悔するケースもあります。仕事が合わないと感じる理由として多く見られるケース、仕事が合わない悩みへの対処法、辞めるかどうかを判断するポイント、転職活動をする場合の注意点について、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

仕事が合わないと感じる理由

適切な対処をするために、まずは自身が「合わない」と感じるポイントを整理してみましょう。仕事や会社が合わないと感じる理由としては、以下のようなものが考えられます。

仕事内容そのものが面白くない

「イメージしていた仕事内容と違った」「希望どおりの仕事に就いたが、想像と異なっていた」「仕事に慣れて飽きてきてしまった」など、仕事内容に面白みややりがいを感じられない。

仕事が自分に向いていない、苦手だと感じる

「同僚はうまくこなしている仕事を、自分はうまくできない」「業務スキルがなかなか上達しない」「ミスや失敗が多い」など、仕事への苦手意識や同僚への劣等感を抱いている。

職場の人間関係や社風が合わない

「上司や同僚とのコミュニケーションがうまくとれない」「考え方や仕事に対する価値観にギャップを感じる」「性格的な相性が良くない」「雰囲気やノリになじめない」など、職場の人間関係へのストレスや居心地の悪さを感じている。

労働環境や働き方の制度などに不満がある

「残業や休日出勤が当たり前になっている」「働く時間を柔軟にコントロールしたいが、リモートワークが許されない」など、労働環境によって疲労が蓄積していたり、働きにくさを感じたりしている。

仕事の成果が評価されていないと感じる

評価の仕組みや制度が整っておらず、上司の主観で評価されるなど、「頑張っているのに正当に評価されていない」と不満を抱き、モチベーションが落ちている。

給与・報酬が見合っていない

「成果を挙げても報酬に反映されない」「年功序列で給与額が決まることに納得できない」など、会社の給与・報酬体系が自分の仕事に対する価値観と合っていない。

思うような成果が出せない

「自分では頑張っているつもりなのに成果につながらない」と悩み、仕事が自分に合っていないせいだと考えている。

将来、目指したいキャリアが見えない

「今の仕事を続けた先の自分の将来像が見えない」「漠然と目指すキャリア像があるが、今の仕事がそこにつながるイメージが持てない」など、将来への不安を感じている。

企業理念や事業戦略などに共感できない

「経営陣が示す企業理念、ミッション・ビジョン・バリュー、パーパスなどがピンと来ない」「事業戦略に対して疑問を抱いている」など、会社の方向性に共感できず、違和感を覚えている。

仕事が合わないと感じたときの対処法

仕事や会社が合わないと感じたときには、次のような対処法を試してみてはいかがでしょうか。

なぜ仕事が合わないと感じるのか理由を整理する

先に挙げた「仕事が合わないと感じる理由」の例も参考にしながら、自分はなぜ今の仕事・会社が合わないと感じているのか、思いつくままに書き出してみましょう。「言語化」すると、考えを整理しやすくなります。

仕事が合わないと感じるポイントを分析する

仕事が合わないと感じるポイントについて、さらに深掘りしてみてください。自分の性格タイプ・志向・仕事に対する価値観を踏まえて、どういった点が合わないのかを分析しましょう。合わないと感じるポイントが「モチベーション」「成果」「働きやすさ」「将来ビジョン」など、どの部分に影響を与えているかを洗い出します。

また、これまでの経験を振り返って「自分が仕事において大事にしていること」も考えてみると、問題点を見つけやすくなり、解決すべきポイントの具体化にもつながるでしょう。

仕事が合わないポイントの解決・改善に向けて行動してみる

「合わない」と感じるポイントや課題を認識できたら、解決・改善に向けて行動を起こしてみましょう。最初の行動として有効なのは、1人で悩みを抱え込まず上司や同僚に相談したり、対話したりすることです。

例えば、仕事が思うように進められていないなら、上司または成果を挙げている同僚に仕事のやり方やコツを聞く。仕事が面白くないなら、楽しそうに働いている同僚に「この仕事のどこに面白さを感じているか」を聞いてみてはいかがでしょうか。人間関係が課題であれば、じっくり対話する機会を設け、自ら心を開いて話してみるなども一つの方法です。対話を通じて自分にはなかった視点・考え方に気付けば、仕事の捉え方が変わるかもしれません。

扱うサービスや商品に魅力を感じられない場合は、「改善点を商品企画部門などに提案する」「商材の強みを活かせる販売戦略を考える」「新商品を提案する」など、これまでと違うアプローチをしてみることで、面白さを感じられるようになる可能性があります。

また、書籍や社外のセミナー・ワークショップなどで学んで新たな知識・スキルを身に付けると、「合わない」と思っていた仕事で成果を挙げられるようになり、モチベーションが高まることもあります。

そうした行動を起こしても改善されない場合、他部署への異動や職種転換、グループ会社への出向などの希望を出して、環境を変えてみてもいいでしょう。

なお、「仕事が合わない」と悩むときは、心身ともに疲れている可能性もあります。有給休暇などを取ってリフレッシュすると、冷静に考えられるようになり、次の行動を判断しやすくなるかもしれません。

仕事を辞める・辞めないの判断基準

「仕事が合わない」という理由で、辞めるか辞めないかを検討する場合、判断の基準となり得るポイントをご紹介します。

今の仕事や会社に魅力を感じる部分はあるか

仕事や会社に合わない部分があったとしても、魅力を感じるところがある場合、転職によってその魅力が失われることがあり、後悔するケースもあります。今の仕事を続けるメリット、将来にもつながる価値にも目を向けてみましょう。

今の環境では実現できない「やりたいこと」が明確にあるか

自分がやりたいこと、目指すキャリアが明確にある場合、現職で叶えられる可能性があるかどうかを考えてみましょう。目指すキャリアに対し、現職では「必要な経験・スキルを積めない」「異動できる可能性もない」といった場合、転職活動によって実現できる環境を探すことも検討してみてはいかがでしょうか。

自分の行動で改善・解決できる可能性があるか

自ら行動を起こしてみることで、課題を改善・解決できる可能性もあります。それでも、やはり改善は難しいと判断した場合、納得して次の道を選択できるでしょう。

待遇や労働環境に満足しているか

仕事内容が合わないと感じている場合でも、給与や福利厚生などの面では満足しているケースもあります。「残業が少ない」「リモートワークができる」など、労働環境の面でメリットを感じている場合もあるでしょう。

転職先でも同じように満足できる待遇や環境が得られるとは限らないため、現職を辞めて後悔しないよう、慎重に検討することをおすすめします。

会社の将来に不安を感じていないか

「会社の業績が落ちている」「人手不足なのに採用活動がストップしている」「退職者が続出している」など、会社の将来に不安を抱くケースもあります。明らかに不安定な経営状態がある場合は、自身のキャリア形成にマイナスの影響が及ぶ可能性もありますので、将来性を感じられる環境に転職することを検討したほうがいいかもしれません。

ストレスによって心身に異常を感じていないか

「人間関係が悪い」「ハラスメントがある」「業務過多で長時間労働が常態化している」など、労働環境への強いストレスがある場合、心身に不調をきたすこともあります。勤務先の産業医や専門の医療機関への相談、有給休暇の取得や一時休職も検討し、それを実行しても改善しない場合は、早期に転職を検討することが必要かもしれません。

転職を実現させるポイント

仕事を辞めると決断した場合、納得感が高い転職を実現するためには、「現職のどこが合わないのか」「なぜ合わないのか」をしっかり考えて整理することが大切です。

「合わない」を突き詰めて考えていくと、自身が仕事において何を大切にしたいのかが見えてくるでしょう。それを軸にして企業を探すことで、自身に合う仕事や環境を見極めやすくなります。

ただし、「合わない」にフォーカスしてじっくり考えた結果、現職との退職交渉や応募企業との面接でも「合わない」を前面に押し出してしまうと、スムーズに運ばない可能性があります。以降で、退職理由を伝えるときの注意点について解説します。

現職に退職理由を伝えるときの注意点

現職の上司に退職を申し出たとき、理由を聞かれるでしょう。このとき、今の職場に対する不満や批判をそのまま伝えることは避けたほうが無難です。上司の感情を刺激して退職交渉が難航したり、あるいは不満を解消する条件などを提示されて強い引き止めにあったりする可能性があります。

「転職によって実現したいキャリアプラン」など、前向きな転職理由を語り、これまでお世話になった感謝の気持ちも伝えると、対話が円滑に進みやすくなるでしょう。

転職の面接で退職理由を伝えるときの注意点

面接で退職理由を聞かれた際、今の仕事や会社が「合わない」ということだけを伝えたのでは、「入社しても、また合わないと感じて早期離職するのではないか?」と懸念を抱かれることもあります。

「どのような仕事や会社なら自分に合うと考えたか」「転職によって何を実現したいと考えているのか」を整理して伝え、そこからその会社への「志望動機」へ結びつけると、面接担当者の納得を得やすくなるでしょう。

転職エージェントに相談するのも一つの方法

転職を決意していなくても、転職エージェントに相談することは可能です。先にご紹介した対処法を試してみても悩みの解決に至らない場合は、転職エージェントのサポートやアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。

客観的な視点を持つ第三者と対話する中で、今の仕事が合わないと感じる根本的な要因が明確になったり、自分が仕事に対して潜在的に求めていることに気付けたりする可能性もあります。

また、転職支援のプロに相談することで、自身の経験・スキルが転職市場でどう評価されるのか、転職先としてどのような選択肢があるのかを知ることができるかもしれません。転職エージェントが持つ情報を活用し、より自分に合う仕事・会社に出合える可能性を広げてはいかがでしょうか。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏

約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。

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