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「仕事やめたい」と思う理由は? 対処法と仕事のやめ時を判断する方法

仕事 やめたい

今の仕事をやめたいと思っても「本当にやめていいのかどうかがわからない」「やめて転職した結果、後悔するのが怖い…」という人もいるでしょう。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタントの粟野友樹氏が、「仕事をやめたい」と思った時の考え方や、仕事をやめたい理由と対処法、やめ時を判断する方法などを解説します。仕事をやめない方がいい人、やめた方がいい職場の特徴と注意点なども紹介するので、「やめるべきか、やめないべきか」を検討するための参考にしてみましょう。

「仕事をやめたい」は甘え? どう考えるべき?

「周囲の人にやめたいと話したら、甘えだと言われてしまった」と自分を責めてしまうケースもあります。そういった場合に、どう考えればいいのかを解説します。

仕事をやめたいと思うことは甘えとは限らない

自分に向いていない仕事に就いているケースもあれば、人手不足で休めないなど、労働環境が整っていない職場で働いているケースもあります。働き続けていくことに明らかな問題を感じている場合もあるので、仕事をやめたいと思うことは甘えとは限らないでしょう。
また、ストレスを溜め込み、心身に何らかの異変が出ていても「もう無理なのに人手不足で言えない」「やめたいけれど次がない」などを理由に、「やめたいと思うのは甘えなのかも」と思ってしまう人もいるので、注意が必要です。

仕事をやめたい時は、自分と向き合うチャンスでもある

「仕事をやめたい」という感情を持つことに対し、ネガティブに捉えてしまう人もいますが、今後のキャリアについてあらためて考える機会にもなるため、「自分と向き合うチャンス」と捉えることもできます。
「仕事をやめたい」「でも本当にやめていいのだろうか」と悩んでいる場合は、自分が何を大事にしたいのか、どのような働き方を目指したいのかを整理してみるといいでしょう。

仕事をやめたいよくある8つの理由と対処法

ここでは、仕事をやめたいと感じた時の、よくある理由と対処法を紹介します。自分に当てはまるものを探し、対処法に取り組んでみましょう。

1:職場の人間関係が良くない

仕事をやめたい理由として、職場の人間関係の問題を挙げる人は少なくありません。仕事では、上司や同僚は自分で選ぶことはできません。苦手な相手と毎日一緒に働く中、ストレスを溜めてしまう傾向があるでしょう。

対処法

人の性格や考え方を変えることは難しいため、自分から歩み寄るのも一つの方法です。相手の考え方を知り、それを尊重することが関係改善につながるかもしれません。例えば、相手が上司なら、実際に上司に評価されている同僚の接し方や報連相のやり方などを観察してみることで、関係性を良くするためのヒントが見つかるかもしれません。

一方、距離を置ける相手の場合は、割り切って、仕事に必要なやりとり以外は距離を置く方法もあります。また、どうしても相性が悪い場合は、チーム替えや部署異動などで解決できる可能性もあるでしょう。

2:労働条件が悪い

「残業が多い」「休日出勤が多い」「ノルマが厳しすぎる」など、労働条件の問題が理由の場合は、自分の力で解決することは難しいかもしれません。厳しい環境であっても、報酬や仕事のやりがいで報われれば我慢できる場合もありますが、そうでなければ、辛さばかりを感じてしまうことも多いでしょう。

対処法

「月に何時間の残業をしているか」「どのようなことに時間がかかるのか」「どうすれば合理化できるのか」を整理してみましょう。例えば、提案書の作成に時間がかかっている場合、部内で共有されているフォーマットなどがあれば、それを活用して業務効率を上げられるケースもあります。また、仕事の早い同僚のやり方を研究するのもおすすめです。

一方、純粋に仕事量が多すぎて、自分のキャパシティを超えているケースもあります。仕事量が明らかに多いと感じたり、自分一人では期日までにこなせないと思ったりした場合は、他の社員に振り分けることを上司に相談してみるといいでしょう。

3:給与が少ない

仕事に対するモチベーションには、報酬も大きく影響するものです。「自分の働きに給与が見合っていない」「この会社にいても、希望する昇給は見込めない」という気持ちが強くなると、やる気がなくなり、仕事を続けるのが難しくなってしまうでしょう。

対処法

社内の給与モデルを確認したり、転職サイトなどで業界の平均給与を調べたりした上で、自分の収入を会社や世の中の水準と照らし合わせてみましょう。社内で水準以下の場合は、会社の評価基準を確認した上で、より評価されることに取り組むことが大事です。また、業界の水準よりも低い場合は、給与体系そのものの水準が低く、今後も収入面には期待できないと判断することができます。

4:会社の将来性や安定性に不安がある

近年は、コロナ禍や円安によって打撃を受けた企業が多く、また急速なDX化により産業構造が大きく変化しています。そうした時代的な背景もあり「会社の業績が悪く、今後の事業展開が不安」「経営体質が古く、今の時代の流れに置いていかれそう」などの理由で、仕事をやめたいと考える人は増えているかもしれません。

対処法

会社の業績が悪かったり、DX化などの世の中の流れに対応できていないと感じたりした場合は、課題解決に役立つような新しい施策を提案してみる方法があります。実現できれば、今後の転職活動でアピールできる一つの要素にできますし、実現できなかった場合にも、将来的にも柔軟な対応を期待できない会社であると判断することができるでしょう。

5:仕事が面白くない、向いていない

1日の時間の多くを費やす仕事に「興味が持てない」「スキルアップが望めない」「自分の性格や能力に合わない」という思いを抱き、苦痛に感じてしまうケースもあります。特に、経験が浅い場合は、思うような成果につなげることができていないために、仕事に向いていないと感じたり、仕事に面白みがないと思ったりする人もいます。

対処法

なぜ仕事が面白くないのか、向いていないと思うのか、自分なりに理由を深掘りしてみましょう。例えば「成果が出せないから面白くない、向いていない」という結論に至ったなら、成果を出すために仕事のやり方を見直す必要があります。仕事で必ず押さえるべきポイントについて、率直に上司に聞いてみるのもおすすめです。
「とにかくやる気が出ない」という場合は、同じ仕事で成果を上げている人や楽しそうに取り組んでいる人に、「何をモチベーションにしているか」を聞いてヒントにしてみましょう。

6:社風・企業文化が合わない

社風や企業文化がマッチしていない場合は、仕事の進め方や働く職場の環境が合わずにやめたくなるケースも少なくはないでしょう。また、企業理念に共感できず、仕事に対する意義を感じられなくなるケースもあります。

対処法

社風や企業文化においていいと思える点を探してみましょう。上司や同僚などに「どのような部分をいいと思うのか」を聞いてみるのも方法です。一方、仕事の進め方に疑問を抱いている場合は、その仕事にどのような目的・考え方・背景があるのかを上司に確認してみることも大事です。
それらを理解することで、仕事に意義を見出せる可能性もあります。企業理念が合わない場合は、理念の背景や理由まで調べ、共感できる部分を探してみるといいでしょう。

7:正当に評価してくれない

きちんとした評価制度がないために、自分の頑張りを正当に評価してもらえないと感じてやめたくなる人もいます。会社の評価軸や評価基準が自分の考え方と合わないために、理不尽に感じてしまうケースなどもあるでしょう。

対処法

上司にどうすれば評価されるのかを聞いてみることで、自分の頑張りと評価ポイントとのズレを修正しやすくなるでしょう。また、評価されている人が何をしているのか観察し、取り入れてみることもできます。評価ポイントとのズレがないと感じた場合は、評価される部分を上手くアピールできていない可能性もあるため、伝え方を工夫してみるといいでしょう。

8:とにかく働きたくない

そもそも働くことに対するモチベーションが低く、「何もしたくない」「とにかく働きたくない」と思ってしまう人もいます。こうした場合、自分自身が何をしたいのかわからないために、働くモチベーションを持てないケースもあるでしょう。

対処法

仕事に費やす時間を有意義にするためにも、自分なりに働くことの意味・意義を考えてみることが大事です。例えば、自己成長や自己実現、成果に見合った報酬を得ることなどが挙げられます。
プライベートで自分が好きなことや得意なことは何かを考え、今の仕事に当てはまる部分を探してみるのもいいでしょう。また、自分が強みを発揮できることを考え、小さなことでも成果を上げられそうなことに取り組んでみれば、達成感を得ることにつながるでしょう。

「仕事をやめたい」と思ったら?やめ時を判断する方法

「仕事をやめて後悔することが怖い。やめていいのかどうか知りたい」という人のために、やめ時の判断に役立つ方法を紹介します。

今の仕事をやめたい理由を書き出す

仕事をやめたいと思う理由は、大きく4つに分類できます。以下の4つの中から当てはまるものを探し、そこからさらにやめたい理由を掘り下げることが大事です。例えば、「商品力がなく営業に自信が持てない」「上司が成果を見てくれずミスばかり指摘する」など、思いつく限り具体的に書き出してみましょう。

<仕事をやめたいと思う4つの理由>

<仕事をやめたいと思う4つの理由>

1:会社のビジョンや目標への不満

2:事業内容や仕事内容への不満

3:組織や人間関係への不満

4:評価や待遇、労働環境への不満

どうしても無理なこと、我慢できることに分類する

仕事をやめたい理由を書き出したら、それらを「どうしても無理なこと」と「我慢できること」に分けてみましょう。

また、社外の人の話を聞いてみることも大事です。例えば「上司と合わないこと」に大きな不満を感じていた場合、他社で働く友人に話を聞き、コミュニケーションの取り方を工夫していることなどがわかれば「自分も接し方を変えてみようかな」など、見つめ直すことができるかもしれません。

これらの不満については、現職のままでも解決できる方法があるか考えてみましょう。「残業時間を減らすために、仕事の進め方を見直す」「今の職場の人間関係が悪いから、部署異動する方法がないか探す」などで、不満を解消できるかもしれません。

今の会社や職場のいいところを書き出す

今の会社や職場にも、何らかのいい点があるかもしれません。不満だけをクローズアップするのではなく、いいところがないか探してみることも大事です。「残業は多いけれど給料は悪くない」「人柄のいい社員が多い」など、現職で満足している部分をリストアップしましょう。自分がどのようなことにモチベーションを感じるのか、どのような働き方をよしとするのかが見えやすくなります。

今の会社・職場のいいところが見つからない場合は、他の会社と比較してみる方法もあります。同業他社で同年代の社員がどのような待遇や条件で働いているのか、転職サイトなどで調べてみるのもいいでしょう。

転職する場合、次の会社で実現したいことを書き出す

転職したら次の会社でどのようなことを実現したいのかを書き出しましょう。これまで書き出した「どうしても無理なこと」、「今の会社のいいところ」も自分の考えを明らかにするヒントになります。

例えば、「上司が仕事の結果しか見てくれないこと」が無理だと感じている場合、どうしたいのかを掘り下げてみれば「結果だけでなく、仕事のプロセスも評価してくれる会社で働きたい」などの希望が出てくるでしょう。今の会社のいいところとして「商品開発力がある」を挙げているのであれば、「扱う商品に力がある会社で仕事がしたい」と考えることができます。

仕事を通じて実現したい自分の望みを書き出す

今の会社とは関係なく、仕事を通じて実現したい自分の望みを書き出してみましょう。
現職では実現できないやりたいこと、好きなことなどもどんどん書き出すことが大事です。また、将来に目指したいキャリア・ポジション、ライフスタイルなども、理想の姿を思い描きながら書き出していきましょう。

書き出した内容を分類してみる

ここまでに書き出したすべての内容について、「現職のままでもいい点」「転職した方がいい点」という二つの軸で分類してみましょう。
分類した内容を比較検討し、「今の会社にいるよりも、転職した方がいい」と感じたらやめ時と判断することもできます。

「今が仕事のやめ時」と思ったら始めたいこと

先に挙げた方法を実践した結果、「今が仕事のやめ時かもしれない」と思ったら取り組んでみるといいことを紹介します。

転職すると決めずに転職活動を始めてみる

「転職活動をする」=「必ず転職しなくてはならない」と考える必要はないので、構えすぎずに転職活動を始めてみる方法もあります。転職活動をすることで、今後の自分のキャリアを見つめ直し、新たな可能性を発見することができます。今すぐ転職に踏み切らない場合でも、現職と違う選択肢があることに気づくことができれば、自分の今後や将来について前向きに考えることができるはずです。

転職活動が不安なら情報収集からスタートしてみる

まずは転職サイトなどで情報収集することから始めてみましょう。自分の現状や立ち位置を理解できれば、「転職すべきかどうか」をより現実的に考えることができます。先に紹介した「やめ時を判断する方法」で書き出した内容を基に、転職先に求める条件を整理し、希望に合いそうな求人を探してみましょう。

転職エージェントに相談してみる

自分だけでは情報収集が難しいと感じた場合は、転職エージェントに相談してみることもおすすめです。希望条件やこれまでのキャリアや強みを伝えることで、それにマッチした選択肢を提案してくれるでしょう。また、キャリアの棚卸しや自己分析をサポートしてくれる転職エージェントに相談すれば、自分が転職先に求めることをより明確にしやすくなります。

転職エージェントを利用した場合でも、紹介先の選考を受けるかどうか、転職するかどうかは自分で判断できますし、相談に費用もかかりません。気軽に登録し、話を聞いてみるのもいいでしょう。

「仕事をやめない方がいい人」「やめた方がいい職場」の特徴と注意点

現時点では仕事をやめない方がいい人もいれば、職場そのものに問題があり、やめた方がいいケースもあります。それぞれの特徴と注意点を紹介するので参考にしてみましょう。

仕事をやめない方がいい人の特徴とは?

今の仕事に対する不満だけで会社をやめたいと思っている場合は、転職後もまた不満を感じる可能性があります。また、何がしたいかわからないまま転職しようとした結果、自分に合う仕事を見つけることができないケースもあるので注意が必要です。

「転職によって実現したいこと」=「転職の目的」を明確にしていない場合は、転職しても「前職の方が職場の環境も仕事内容も自分に合っていた」と後悔するケースがよくあります。かつ、目的なく転職活動を進める場合は、転職理由も志望動機も曖昧になるため、選考に通過しにくくなる可能性があるでしょう。
仕事をやめて漠然と転職活動を進めた結果、「次の仕事が決まらない」と焦り、前職よりも条件の悪い職場やミスマッチな仕事を選んでしまうケースもあるので注意しましょう。

「やめた方がいい職場」の特徴

明らかに労働環境が悪い場合は、やめた方がいい職場と言えるでしょう。人手不足などを理由に残業や休日出勤が多い職場などがこれに当てはまります。人が突然やめるなど、離職率が高い職場の場合も、長く働き続けることは難しいかもしれません。

また、成果や労働時間に対して給与が見合っていない場合も、いずれやめたくなる可能性があるでしょう。人間関係が合わないなど、居心地が悪いと感じる職場も、日々のストレスが溜まりやすいと言えます。
仕事そのものが自分にマッチしていない場合や、自分の思い描くキャリアを実現する方法がない場合なども、今の仕事をやめた方が、より活躍できたり、希望のキャリアを実現できたりする可能性が高まるでしょう。

とはいえ、自ら歩み寄る努力や成果を上げるための創意工夫をすることも大事です。そこに取り組んでもどうにもならない場合は、やめた方がいい職場の可能性があるでしょう。

こんな場合は仕事をやめてもいい?よくあるQ&A

仕事をやめてもいいか悩んだ時によくあるQ&Aを紹介します。

いい会社だけどやめたいと思った場合は?

自分にとっての「いい会社」を定義してみることが大事です。年収や会社の業績、規模感などから、一般的に「いい会社」とされている場合でも、「働く上で大事にしたいこととズレている」「目指すキャリアを実現することが難しい」などの場合は、自分にとって「いい会社」とは言えないかもしれません。

自分が働く上で大事にしたいことや、今後に実現したいキャリアビジョンやキャリアプラン、ライフスタイルなどを明確にし、「自分にとって、いい会社」であるかどうかを考えてみましょう。

職場はいい人ばかりなのにやめたい。どうすればいい?

「職場の人間関係が何より大事」という場合は、現職のままの方が後悔しない可能性があります。しかし、「失って後悔することが怖いので、現状を維持した方がいい」という潜在意識が働いているケースもあります。

転職した方が自分にとって「年収が上がる」「スキルが身につく」「仕事のやりがいを感じられる」などのメリットがあるとわかっていても、「新しい職場に馴染めないことが不安」という気持ちがあるために、決断できないのかもしれません。他の要素と比較するためにも、第三者に相談し、客観的な視点でアドバイスを受けてみるといいでしょう。

思うように成果が出せずに悩んでいる場合、転職は難しい?

今の職場で自分の思うように成果がだせず、「仕事ができない」と感じていても、別の職場・環境では力を発揮できる可能性は十分にあります。仕事内容や担当する商品サービス、仕事の進め方、人間関係などによって、仕事で発揮できるスキルやパフォーマンスは変わってくるものだと考えましょう。

「今の職場での結果や評価がすべて」と思わず、自分の力を発揮できる職場を探してみることをおすすめします。また、現職で高い成果を挙げていない場合でも、自分の中で成長したこと、創意工夫した経験などを応募書類や面接でアピールし、転職できたケースもあります。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。
記事作成日:2020年10 月21日
記事更新日:2023年01月31日
記事更新日:2024年07月03日 リクルートエージェント編集部

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