転職活動に臨むにあたって、自分の強みである「真面目さ」をアピールしたいと考える人もいるでしょう。そんな皆さんに「真面目」をアピールする際のポイントについて、人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント粟野友樹氏が解説します。自己PR文を作成する際の参考となる例文もご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
自己PRで「真面目」はアピールポイントになる?
「真面目」という言葉は抽象的ですが、要素を分解すると次のような強みを持っていると言えるでしょう。
- 地味な仕事にもコツコツ取り組める
- 誠実である
- 一生懸命、仕事に向き合える
- 責任感がある
- 正確で丁寧な仕事をする
- 嘘をつかない・ごまかさない
これらは、どのような仕事においても重視される力です。適切にアピールすれば、プラスの評価を得られる可能性があります。企業は「真面目」な人に対し「謙虚に仕事に取り組んでくれる」「自分に足りない部分を認識しながら早く仕事を覚えてくれる」「安心して仕事を任せられる」といった期待を抱くと考えられるからです。
「真面目」を自己PRするポイント
「真面目」という強みは、選考でどのようにアピールすればプラスの評価につながりやすくなるのでしょうか。意識しておきたいポイントをお伝えします。
「真面目」をほかの言葉で言い換える
「真面目」は抽象的な表現であるため、そのまま使っても自分らしさは伝わりにくいものです。「真面目とはつまりどういうことなのか」を整理し、自身の特性が伝わるように言い換えるといいでしょう。以下に一例を挙げておきます。
責任感が強い
「責任感」とは、自身の担当業務や役割を最後まできっちり果たそうとする姿勢を表します。掲げた目標の達成に責任を持ち、途中で投げ出さずにやり遂げられる人であれば「責任感が強い」と言い換えられるでしょう。
几帳面である
「細部までおろそかにしない」「決まりやルールに従い、正確に処理する」といった行動ができる人は「几帳面である」とも言い換えることができます。
コツコツ取り組み努力する
物事を途中で投げ出したりあきらめたりすることなく、継続して取り組み、着実に前へ進められる人は「コツコツ取り組み努力する」とも表現できます。このほか「継続力がある」「粘り強い」などとも言い換えられるでしょう。
具体的なエピソードとともに伝える
ビジネスシーンで「真面目さ」を発揮している姿を採用担当者が明確にイメージできるように伝えることが大切です。これまでの仕事において、どんな場面でどのように行動したのか、具体的なエピソードを語れるように準備しておきましょう。
そして、その行動の結果「どんな成果を挙げたか」「周囲の人からどのように感謝されたか」まで伝えれば、評価アップにつながりやすくなります。
ネガティブな印象で捉えられる可能性があることも意識しておく
「長所」と「短所」は表裏一体です。つまり「真面目」は長所として評価される一方、短所と見なされる可能性もあることを意識しておきましょう。一般的に「真面目な人」に対しては「融通が利かないのでは」「柔軟性に欠けるのでは」「指示には忠実だが、主体的に動かないのでは」といった疑念を抱かれることもあります。
特に主体性を重視する企業では、柔軟な対応力や臨機応変な行動力を求める傾向があります。応募先企業の社風をつかみ、ネガティブな印象で捉えられないように注意しましょう。
企業に合わせた真面目さを伝える
真面目さには「コツコツ取り組める」「責任感がある」など、さまざまな要素があります。そのため採用担当者に伝える際には、応募職種に合った要素で伝えると効果的です。例えば経理職に応募する際は「経費処理の期日に間に合うように、ひとつひとつの業務に責任感を持って取り組みます」など、採用担当者が入社後の姿をイメージしやすいように伝えましょう。
「真面目」を伝える自己PR例文
「真面目」を分解したさまざまな要素について、仕事でのエピソードを伝える自己PRの例文をご紹介します。ご自身の強みを踏まえ、例文を参考にしつつアレンジして活用してください。
コツコツ地道に取り組み、目標達成したエピソード(営業職)
誠意を持って接し、信頼関係を築いたエピソード(営業職)
約束の納期をきっちりと守ってきたエピソード(エンジニア)
責任感を発揮してトラブルに対応したエピソード(エンジニア)
緻密さにより、クオリティを高めているエピソード(エンジニア)
正確で丁寧な仕事を心がけてきたエピソード(経理職)
探求心を持って、課題を突き詰めているエピソード(マーケティング職)
私の強みは探究心です。自社製品のプロモーション施策や営業戦略を考えるにあたり、定期的に市場調査を行います。得られたデータは一方向だけでなく、さまざまな角度から分析を行っています。
その結果、新たな兆しをつかむことができ、プロモーション効果により売上150%アップを達成しました。表面的な事象やデータだけで納得せず、深く掘り下げていく姿勢をこれからも大切にしていきます。
学びを継続し、資格も取得したエピソード(専門職)
「真面目」を伝えるときの注意点
自己PRでアピールできる「真面目さ」ですが、伝え方を間違えてしまうとネガティブな印象を与えかねません。「真面目」をアピールする際の注意点を2つ解説します。
短所と矛盾しないように気を付ける
自己PRする際に大切なこととして「長所と短所が矛盾しないこと」があげられます。「真面目さ」を長所として伝え、「細かいミスをしてしまう」「スケジュール管理が苦手」などを短所として伝えると、矛盾が生じて採用担当者からは自己分析が十分にできていないと判断されかねないため気を付けましょう。
当たり前のことを言わない
「真面目さ」をアピールしても、当たり前だと思われる内容を伝えてしまっては評価を得られにくいでしょう。「取引先との打ち合わせには遅れたことがない」「社内ルールを破ったことがない」などは社会人として当たり前のことです。真面目に取り組んだ結果、成果につながった実績などを一緒に伝えられると、採用担当者からの印象が良くなるでしょう。
自己PRの伝え方は転職エージェントにも相談できる
どのように自己PRをすればいいか悩んだときは、転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。キャリアアドバイザーは客観的視点で相談者の「強み」を分析し、志望企業に応じてアピールすべきポイント、面接での伝え方などのアドバイスを行います。
応募者が考える自分の強みと、志望先の企業が求めている要件にギャップがあれば、いくらアピールしても評価につながりません。志望企業が何を求めているのか、エージェントから情報を入手し、適切なアピールができるように準備して臨むことをお勧めします。
組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。
記事更新日:2023年03月21日
記事更新日:2023年11月28日 リクルートエージェント編集部