プログラマーへの転職を考えている皆さんに、「志望動機」の伝え方をご紹介します。志望動機を伝える際、経験者・未経験者向けの例文と合わせて、どんなポイントを心がければ書類選考や面接でプラス評価につながるか、リクルートエージェントのキャリアアドバイザーがアドバイスいたします。
目次
プログラマーの仕事内容
システム開発において、SE(システムエンジニア)が作成した仕様書にもとづき、プログラミング言語を使ってコーディングを行うのがプログラマーの仕事です。担当した部分について、正確に動作するかどうかをチェックするテストも担います。
手がけるシステムの分野は幅広く、「Web系」「スマホアプリ系」「業務・オープン系」「ゲーム系」「汎用系」「組み込み系」「通信系」などがあります。
活躍の場は、SIer(システムインテグレーター)、SES(システムエンジニアリングサービス)と呼ばれる技術者派遣企業、インターネット関連企業が中心です。組み込み系であればメーカー企業、通信系であれば通信キャリア企業などで働くプログラマーもいます。
⇒【参考】プログラマーの仕事内容・やりがい・必要スキル・将来性とは?
プログラマーの志望動機のアピールポイント・解説
志望動機を伝える際には、下記のポイントを押さえておくことが大切です。
1.プログラマーとして自身がこだわっていること、目指す将来像を整理・言語化する
プログラミング業務を行う上での自身の志向について、次の2軸をもとに具体的に書き出し、整理しておきましょう。
●どんなところにこだわっているのか(正確性・スピード・保守性など)
●どんな手段を用いて作りたいのか(言語・開発環境・開発手法など)
2.志望先の企業で実現できると考えていること、そう判断した理由を伝える
志望企業のホームページ、採用ページ、あるいは社員のブログ・SNSなどを読んで、その会社のプログラマーの働き方をイメージします。
そして、最初に整理した自分の志向と共通する部分に注目してください。その共通点を挙げて、「自分がこだわりたいこと・目指していることが一致している」と伝えましょう。
3.自身の経験を相手企業でどのように活かし、貢献できるかを伝える
「自分がやりたいことを御社で実現できる」というだけでは、一方的に自分の希望を伝えるだけとなってしまいます。「自身の経験・スキルが、御社でこのように活かせると考えた」という「貢献ポイント」も併せて伝えることで、応募先企業があなたに興味を持つ可能性が高まるでしょう。
プログラマー経験者の例文
経験者が志望動機を伝える例文
【例文】システム開発会社から金融機関に常駐⇒会計ソフトベンダーで業務ソフト開発
システム開発会社から大手金融機関に常駐し、業務システムの開発を担当してきました。御社(貴社)が手掛けている業務用会計ソフトに興味を持ち、よりユーザーに利便性を感じてもらえるサービス作りに携わりたいと考えています。
これまで培った金融系の業務知識とC言語、Javaのスキルを活かし、さらに技術を磨きたいと考えております。プライベートの時間は、『Qiita』などのエンジニア向けメディアや動画を見ながら、業務では使わない言語で実装を試みるなど、スキルアップのための独学を続けています。
御社(貴社)のエンジニアの方が○○セミナーに登壇されたときにお話を聞き、エンジニアの皆さんが常に新しいチャレンジに向かっている社風を感じました。そのような刺激的な環境の中で、エンジニアとして成長を続けていきたいと考え、志望させていただきました。
※面接で伝える場合は「御社」、履歴書に記載する場合は「貴社」
例文のポイント
プログラマーとしての自分のこだわり、今後目指すもの、志望企業で活かせるものを伝えましょう。志望したきっかけについて、具体的なエピソードも添えることをお勧めします。GitHubでポートフォリオを公開して、プログラミングスキルを伝えるのも有効です。
プログラマー未経験者の例文
未経験者が志望動機を伝える例文
【例文】SIer・営業→インターネットサービス・プログラマ
これまでは営業職を務めてきましたが、もともとはモノづくりが好きで、自分のアイデアを形にすることや、新しい知識を得る事でより良く改善していくプロセスにやりがいを感じるため、プログラマーを目指しました。すでに書籍やWeb動画などで独自に勉強し、自宅でプログラムを組んでいます。
情報収集する中で、御社(貴社)のエンジニアの方のブログを読む機会があり、御社(貴社)エンジニアの皆さんのスキルアップ意識の高さ、新しいチャレンジを続ける姿勢に魅力を感じ、志望させていただきました。
※面接で伝える場合は「御社」、履歴書に記載する場合は「貴社」
例文のポイント
未経験からプログラマーを目指そうと考えた理由を伝えた上で、すでに勉強を始めていることを伝えるとプラス評価につながります。その企業を志望した理由については、具体的な体験エピソードを交えることをお勧めします。
志望動機を伝えるときの注意点
面接においては、「なぜ転職しようと思ったのか」も問われます。「転職理由」と「志望理由」にズレが生じないように注意しましょう。
例えば、転職を決意した理由として「前の会社では開発業務だけに専念できなかったことに不満を感じた」と語っておきながら、志望理由として「御社ではプロジェクトで幅広い業務に携わるチャンスがあると思った」と言えば、疑念を抱かれるでしょう。一貫したストーリーとなるように整理しておくことが大切です。
また、志望動機を伝える際に失敗しがちなのが、企業サイトに掲載されている「企業理念」を挙げ、「理念に共感しました」だけで終わってしまうことです。これは誰でも言えることであり、独自の考えや思いが伝わりません。「企業理念への共感」を志望動機とするのであれば、「なぜ共感するのか」を、自身の体験エピソードとともに語れるようにしておきましょう。
面接での志望動機・志望理由の伝え方
志望するきっかけとなった体験エピソード(オリジナルストーリー)を、なるべく詳しく語れるようにしておきましょう。どんな出来事があったかという事実を話すだけでなく、そのときの「どう感じたか」「どう考えたか」を伝えることが大切です。
また、面接官は、「この人は自社で働くイメージを描けているか」に注目しています。企業研究を入念に行い、その会社のプログラマーの仕事内容を把握した上で、自分の経験・スキルが活かせる部分、やりがいを感じる部分を詳しく語ることができれば、評価アップにつながるでしょう。
志望動機で悩んだら転職エージェントに相談を
志望動機は、自分1人で考えていてもなかなかまとまらないこともあります。
転職エージェントのキャリアアドバイザーとの対話で、これまでの経験を振り返ったり、考えを整理したりすることで、自身の志向や価値観に気付くこともあります。志望動機で迷ったら、キャリアアドバイザーのサポートも活用してみてはいかがでしょうか。
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リクルートエージェント キャリアアドバイザー 堤 祥太
リクルート(旧:リクルートキャリア)の転職エージェントサービス「リクルートエージェント」のキャリアアドバイザーとして、主にSE・ITエンジニア全般を担当。
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