データベースエンジニアの職務経歴書の書き方・見本です。良い職務経歴書を作成するためには、人事担当者に対して自分の経歴をわかりやすく書くことや、効果的な自己PRが必要です。どのように書けば分かりやすくなるのか、何を意識すれば効果的な自己PRになるのかを確認しましょう。
どのように書けば分かりやすくなるのか、何を意識すれば効果的な自己PRになるのかをリクルートエージェントのキャリアアドバイザーがアドバイスいたします。見本のWordファイルをダウンロードできますので、参考にしながら自分の経歴を記入し職務経歴書を作成してみましょう。
データベースエンジニアの職務経歴書作成のポイント
データベースエンジニアが職務経歴書を作成する際に心がけたいポイントは次の通りです。
経験したプロジェクトは一つひとつ分けて記載する
経験してきた内容をまとめて記載するのではなく、担当したプロジェクト一つひとつを分けて記載します。プロジェクトごとに、内容(目的)・期間・環境・人数・自身の役割・担当業務を明記します。
さらには、「どんな手順で進めたか」「どんな課題をどう解決したか」「どんな成果を挙げたか」まで簡潔に記すといいでしょう。
自分が担った役割を曖昧にせず、細かく記載する
各プロジェクトにおいて、自身が担った役割・手がけた業務は細かく記載するようにしてください。省略して記載すると、強みが伝わらず、誤解を受けたり曖昧な印象を与えたりしてしまいます。データベースエンジニアは、いずれ経営に関わる数字の分析を期待されます。曖昧な印象を与え、「論理性に欠けている」と判断されると、選考で不利になるでしょう。
自己PRは4つの観点で整理し、記載する
特にアピールしたい強みは、「自己PR」の欄を設けて記載します。
自己PRを考える際の観点は4つ。「技術」「業務知識」「プロジェクトの推進・マネジメント」「人との関わり方」です。この観点で自身の特性を整理し、アピールしたいポイントを絞り込んで書くといいでしょう。
●技術
技術力は詳細に記載してください。例えば「Windowsに強い」だけでなく、「Windows2010でのクラスターの環境構築に強い」など、具体的に記載しましょう。
●業務知識
例えば、「コンシューマ向けECサイト」「公共系」など、携わってきた業務、あるいはカウンターパートとなった部門などを具体的に記載します。
●プロジェクト推進・マネジメント
プロジェクトリーダーやプロジェクトマネジャーを務めてきた人は、マネジメントにおいて重点的に着目していたポイントを記載します。「メンバー」「品質」「スケジュール管理」など、どの点を大切し、どんな手法を使ってマネジメントしてきたかをアピールしてください。
●人との関わり方
社内外の人と連携するにあたり、「論理的に説明して理解を得る」「積極的に提案する」「強いリーダーシップで若手を引っ張る」「秩序を整える」など、得意なスタイルは個々に異なります。自身がどのようなコミュニケーションスタイルによって周囲と連携してきたかを整理してみましょう。
人との関わり方は、会社ごとに特徴があります。志望企業を研究し、自分が得意とするスタイルが活かせると判断したら、それを記載することをお勧めします。
強みを裏付けるエピソードも盛り込む
強みとしてアピールするポイントが決まったら、「○○が得意です」だけで終わらず、それを裏付ける具体的なエピソードも添えるといいでしょう。成功したプロジェクトを取り上げ、どんな課題に対して、自分の強みを活かしてどう対処したのかを簡潔に記してください。
「深さ」だけでなく「広さ」もアピールする
技術スキルを全面に出してアピールしようとする方も多く見られます。もちろん、専門性やレベルをアピールすることは大切ですが、特定領域だけを厚く書くことで「幅が狭い」と捉えられる恐れもあります。主に担当する工程のみでなく、全般の工程や、関連する他領域の業務に関する知識も備えていることを伝えるようにしましょう。
「トラブルへの対応力」「臨機応変な対応力」などもアピール材料として有効です。
未経験から目指すなら、関わり方・資格・学習意欲」をアピール
未経験(システムエンジニアなど)からデータベースエンジニアを目指す場合は、先ほど挙げた4つの観点のうち「プロジェクト推進・マネジメント」「人への関わり方」を中心にアピールするといいでしょう。領域は変わっても、エンジニアとしての経験が活かせます。
また、データベース領域には資格が複数あります。実務経験がなくても、取得資格を記載することでプラス評価を得られるでしょう。まだ取得していなくても、学習を始めていれば「勉強中」と書いてかまいません。
知識習得に対する姿勢が重視されますので、どんな方法で情報収集や学習をしているかについても、「自己PR」や「自己学習」などの欄を設けて記載するなどです。そして、なぜデータベースエンジニアになりたいのか、志望するに至ったきっかけや理由も書いておくことをお勧めします。
例えば、これまでシステムエンジニアとして仕事をしてきたなら、データベースエンジニアの仕事ぶりに触れた際、どんなところに魅力を感じたかを伝えられるといいでしょう。
「データを活用することで、経営に提言していく役割を担いたい」といったように、データベースエンジニアとして目指す像を伝えると、納得を得やすくなります。
データベースエンジニアの職務経歴書の書き方見本
職 務 経 歴 書
20xx年xx月xx日現在
氏名 ○○ ○○
■職務要約
・20xx年xx月~現在 株式会社△△△△
データベースエンジニアとして基盤DBMSの設計・構築に従事してきました。要件定義~ドキュメント作成まで一貫して業務に取り組み、システム構築後には、営業実績●%アップに貢献するなど実績を残せたと考えております。
■職務経歴
□20xx年xx月~現在 株式会社△△△△
期間 |
プロジェクト内容 |
20xx年xx月
~ 現在 |
大手機械メーカー向け営業管理システム再構築プロジェクト ●担当役割 データベースエンジニアとして基盤DBMSの設計・構築。 ●担当業務 提案書作成: 工数見積もり、および構成図を作成。 要件定義:営業部(エンドユーザー)との仕様決め打ち合わせに参加。 議事録を作成。 設計・構築:DB物理設計・増設設計、ストレージ物理設計、OracleRAC/DB初期構築。 テスト:性能テスト。 その他:各種ドキュメント作成。 ●ポイント エンドユーザーである営業部と密に打ち合わせをし、現状の業務分析と将来の希望を設定。また、ヒアリングだけでなく既存システムのDB構成や、導入希望のシステムのDB構成から現状理解と将来予測も行い実現可能性を検討。それを基に次のシステムの提案を行うことで、導入後に営業実績●%アップに貢献。 |
【環境】 ■OS Linux Windows ■言語 Java ■DB Oracle MySQL |
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【役割・規模】 PL 要員数:3名(PJ 全体:50名) 【管理項目】 工程管理 進捗管理 品質管理 |
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20xx年xx月
~ 20xx年xx月 |
大手教育機関向け学習データ連携プロジェクト ●概要 基幹システム及び学習アプリのデータ連携システム基盤構築。 ●担当業務 商談活動、要件定義、基本設計、詳細設計、構築、テスト エンドユーザーが使用する学習アプリのテストデータをビックデータで蓄積するためにAzureのAzure SQL Database(PssS)を導入。 ●ポイント 商談活動において、インフラ基盤をすべてクラウド環境で構築する案を出す企業が多い中で、弊社としては、セキュリティ担保の観点から基幹システムはインフラ基盤・学習アプリのデータ蓄積基盤をクラウド環境に置くことを提案。ハイブリットクラウドの設計・構築を実現。 |
【環境】 Windows Azure SQL Database Virtual Network LoadBalancer VPNGateway ExpressRoute AzureSiteRecovery WindowsPowerShel |
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【役割・規模】 PM 要員数:2名(PJ 全体:50名) |
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20xx年xx月
~ 20xx年xx月 |
自社データセンターにおいて運用監視業務 ●概要 データセンターにおけるサーバ構築・運用保守担当。 ●担当業務 サーバ監視、データセンター内温度管理、新規サーバ構築。 |
【環境】 Windows Linux Cisco Zabbix |
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【役割・規模】 メンバー 要員数:20名 |
■テクニカルスキル
OS | UNIX(HP-UX):4年2ヶ月/要件に応じた環境設計・構築が可能 Windows2012:1年/インストールから環境構築、開発が可能 Linux(RedHat):4ヶ月/手順書をもとにインストール可能 |
言語 | Java:4年2ヶ月/状況に応じて最適なコードが書け、指導が可能 WindowsPowerShell:5年6ヶ月/処理の自動化が可能 |
データベース | Oracle:5年6ヶ月/構成の最適化が可能 PostgreSQL:7ヶ月/インストールから簡単なテーブル作成が可能 MySQL:3年6ヶ月/インストールからテーブル作成が可能 |
OSS | Docker:1年/要件に応じた環境設計・構築が可能 AMANDA:1年2ヶ月/効率的なバックアップ設計が可能 |
Azure 【IaaS】 |
VM:3年/要件に応じた環境設計・構築が可能 LoadBalancer:3年/要件に応じた環境設計・構築が可能 VPNGateway :3年/要件に応じた環境設計・構築が可能 ExpressRoute:3年/要件に応じた環境設計・構築が可能 AzureSiteRecovery :1年/要件に応じた環境設計・構築が可能 AzureBuckup: 2年/要件に応じたバックアップ設計が可能 |
Azure 【PaaS】 |
AzureADDomain Services :2年/要件に応じた環境設計・構築が可能 AzureSQLDatabase :2年/インストールから簡単なテーブル作成が可能 |
AWS 【IaaS】 |
EC2: 1年/要件に応じた環境設計・構築が可能 VPC: 1年/要件に応じた環境設計・構築が可能 |
GCP 【IaaS】 |
Compute Engine: 6ヶ月/要件に応じた環境設計・構築が可能 VPCネットワーク :6ヶ月/要件に応じた環境設計・構築が可能 |
■活かせる経験・知識・技術
〇顧客折衝
エンドユーザーとの仕様決め打ち合わせに参加、議事録を作成。
プロジェクトスタート後は、○○機能チームの案件リーダーとして、週一での進捗報告会議にも出席しています。
〇システム構築力
エンドユーザーからのヒアリングはもちろんですが、既存システムのDB構成や導入希望システムのDB構成から現状理解と将来予測を行い、的確なシステム構成の提案を心がけてきました。
〇業務知識・開発経験
Oracleデータベース製品の経験と知識を豊富に持っており、MySQLの使用経験もあります。また、運用のトラブル対応やデータベース開発の経験もあり、SQLの利用も可能です。
Azureに関しては、○百万円規模のシステムを全体構築できるレベルの知識を有します。
PaaSの組み合わせとそれを考慮したIaaS基盤を構築することができます。
AWS・GCPについては簡単なIaaS設計・構築が可能であり、3大パブリッククラウドのプロダクト・サービスを比較してソリューション提案をすることができます。
■保有資格
・ORACLE MASTER Gold
・情報処理技術者
・AWS認定ソリューションアーキテクト(20xx年xx月)
・Azure MCP70-534(20xx年xx月)
■自己PR(技術、PM、顧客)
相手の立場に立ったコミュニケーション
特にユーザー折衝、構築メンバーへの技術指導を行う上で、より良い人間関係を構築できるよう努めてまいりました。いきなり自分の意見を述べるのではなく、まずユーザーの意見を十分に聞いた上で一緒に考え、最適な解が出せるよう努めてきました。
構築メンバーへの技術指導については、構築に必要な業務知識から説明することにより、メンバーが納得感、参画意識をもって開発に従事できるように心がけました。
こうしたスタンスでのコミュニケーション方法は、私の今後のキャリア形成においても様々なフェーズで活きてくると思っております。
■自己学習
データ人材を目指して
データベースエンジニアとしての実務経験だけでなく、データから将来予測を立て、経営に寄与できる人材になりたいと希望しております。そのため、データサイエンスの分析手法など月に2回外部の勉強会に参加しております。
今後はG検定やE資格などにもチャレンジしていきたいと考えております。
以上
【職務経歴書のダウンロード(Word)】
各項目の解説
職務要約=あらすじ
職歴を分かりやすく伝えます。自分の仕事にキャッチフレーズをつけたらどうなるか、を意識して100文字程度にまとめてみましょう。
職務経歴=内容
業務内容は「どこで」「誰に対して」「どんなことをしてきたか」が分かるように書きます。具体的には、在職期間/ 会社名/ 規模/ 事務内容/ 自分が行った業務内容を記載します。また、会社の規模や実績などは数字で表すと分かりやすいでしょう。
活かせる経験・知識・技術
実績・成果を上げるための工夫点や業務において意識したことを簡潔に記載します。
資格・スキル
業務と関連する資格を持っている場合は、必ず記載しましょう。
自己PR=アピール
自己PR は文章または箇条書きで記載します。どの企業でも通用するビジネスパーソンとしてのコアスキルを簡潔に記載しましょう。箇条書きの場合3 つほど、文章の場合は5 行以内が目安です。
最後は「以上」で締めくくります。
提出前に最終チェック
□ 誤字脱字がないか
□ 入学/ 卒業や入社/ 退職などの年月を間違えていないか
□ 見出しやタイトルがあり、読みやすいレイアウトになっているか
□ 日付や氏名など基本的な項目が抜けていないか
□ 文章は誰が読んでも意味が分かるように書けているか
□ 具体的な工夫が入っているか
□ 履歴書など他の応募書類の内容と齟齬がないか
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リクルート(旧:リクルートキャリア)の転職エージェントサービス「リクルートエージェント」のキャリアアドバイザーとして、主にSE・ITエンジニア全般を担当。