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自己PRと長所の違いは? 転職面接での伝え方を解説【一覧・例文付き】

自己PR 長所 違い

転職活動の面接で「自己PRと長所の違いがわからない」「どう使い分ければいいのか」と悩む人もいるでしょう。
そこで今回は組織人事コンサルティングSeguros代表コンサルタントの粟野友樹氏に、自己PRと長所の違いや、使い分けのポイントなどを解説いただきました。自己PRと長所、それぞれの回答例も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

自己PRと長所の違い

自己PRと長所の違いや、企業が見ているそれぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

自己PRでは「強み」を伝える

自己PRでは自分の「強み」を伝えます。自分が応募先企業でどんな強みを発揮し、具体的にどんな活躍・貢献ができるのかをアピールするものだと考えましょう。

自己PRの構成

<自己PRの回答の構成>
1. 最初に「結論=自分の強み」を端的に伝える
2. 根拠となる「理由・背景・エピソード」を伝える
3. 強みによる「成果や実績」を具体化・数値化して伝える
4. 志望する企業・職種で「どう活かせるか」を伝える

自己PRとしてアピールしやすい強み一覧

行動力 傾聴力
柔軟性 継続力
主体性 状況把握力
計画性 規律性
創造力 ストレスコントロール力
コミュニケーション力 忍耐力
論理的思考力 リーダーシップ力
分析力 向上心
責任感 努力家
発信力 積極性
協調性 チームワーク力
問題解決能力 人間関係構築力
交渉力 調整力
チャレンジ精神 ポジティブ

 

企業が自己PRについて質問する意図

自己PRを通じて企業が見ているのは「その強みを生かして、自社にどんな貢献ができる人材か」という点です。具体的な経験・実績・スキルをもとに、入社後に活躍できる能力があるかを見たうえで「企業にとって採用するメリットがある人材かどうか」を判断・評価していると考えましょう。

長所 では「人柄・特性」を伝える

長所では主に「人柄・特性」を伝えます。人とどのように接し、人間関係を構築していくのかをイメージできる内容や、周囲や仕事にどんな好影響を与えられたのかを伝えるといいでしょう。

長所の構成

<長所の回答の構成>
1. 最初に「結論=自分の長所」を端的に伝える
2. 根拠となる「理由・背景・エピソード」を伝える
3. 長所によって「客観的に貢献できたこと」を伝える
4. その長所を活かして「どんな貢献をしていきたいか」を伝える

長所一覧

責任感が強い 慎重に物事を進める
常に冷静でいられる 周囲に配慮ができる
情報収集を怠らない ものごとへの対応が早い
人の意見に流されない  常に堂々と主張できる
常に周到に準備する 常に効率を考えて仕事をする
向上心が強い 目標に向かって人知れず努力できる
行動力がある スピード感がある
おおらか 計画性がある
信念を貫こうとする 集中力がある
粘り強く取り組むことができる 信念を持っている
得意なことを追求する 探究心が強い
物事に真剣に取り組む 無駄を省くことが得意

 

伝える長所は1つに絞る

長所を聞かれたときは、伝える長所を1つに絞りましょう。多くの長所を伝えてしまうと、自分の一番アピールしたい長所が採用担当者に伝わりにくくなるためです。

応募先企業が求める人材像に適した内容にする

伝える長所は、応募先企業が求める人材像に適した内容にしましょう。求める人材像と伝える長所が一致すると、自社で活躍できるイメージがつきやすくなるため、採用担当者により好印象を与えられます。例えば、スタートアップ企業に応募する際は「スピード感がある、ものごとへの対応が早い」こと、営業職であれば「目標に向かって人知れず努力できる、行動力がある」などがアピールできるでしょう。

自己PRと長所の両方を聞かれることはある?

自己PRと長所の両方を聞かれるケースはあります。どちらも聞かれる場合には、自己PRと長所の内容が似ていても問題ないでしょう。自己PRでは実績をメインとした自身の強みについてアピールし、長所では人柄について答えられるようにしておけば、面接担当者に質問の意図を理解していると評価される可能性が高くなります。

両方質問する意図

企業が自己PRと長所の両方を質問する意図は、様々な角度から質問し、求職者がどんな人物かを確認したいからです。
前途でもご紹介しているとおり、具体的には以下の意図があります。

● 自己PRは主に「経験・スキル」を確認する
● 長所は主に「人物タイプ」を確認する

企業に貢献できるような、自分の良さを伝えるという点では共通していますが、どちらも聞かれることを想定し、客観的に自己分析をして準備しておくとよいでしょう。

どのように使い分けるか

自己PRは企業目線でアピールし、長所は自分目線で優れている点を伝えるという視点の違いで使い分けましょう。
自己PRで自身の強みを伝える際、企業は「自社でどのように活躍してくれるか」を知りたいため、求められている能力と擦り合わせたアピール内容を考えていきます。

長所では企業研究をしたうえで、自分の長所と社風に一致したポイントを話せるようにすると良いでしょう。また、短所を具体的に改善する努力をしている姿勢を見せるのも大切です。そうすることで、成長するポイントを分かっている人物として見てもらえるでしょう。

長所の見つけ方

なかなか自分の長所が見つからないという方のために、具体的な長所の見つけ方を3つ紹介します。

徹底的に自己分析を行う

徹底的に自己分析を行うことで、長所は見つけやすくなるでしょう。自己分析の手法は数多くありますが「これまでのキャリアを棚卸しして、自分の経験から長所を洗い出す」という方法が代表的です。この他にも「モチベーショングラフ」といって、自分の感情の波をグラフに表す方法などもあります。自分に適した方法で自己分析を行いましょう。

短所から長所を導き出す

短所と長所は表裏一体の関係です。自分の長所は思いつかないけど短所なら思いつくという方は、短所から長所を導き出すこともおすすめです。例えば「心配性」だという短所を思いつく方は「責任感が強い、慎重に物事を進める、計画性がある」などの長所があると考えられるでしょう。

第三者の意見を聞く

自分で長所を見つけられないときは、第三者の意見を聞くことも効果的です。第三者に意見を求めることは、主観が入らないため自分では気付けない一面を知ることができるかもしれません。このとき、できるだけ一緒に働いた経験がある人に意見を求めることをおすすめします。

自己PRと長所の回答例文

自己PRと長所の回答における構成を踏まえて、面接での回答例文と評価されるポイントについてご紹介します。自己PRと長所を使い分ける際の参考にしましょう。

【ネット広告代理店から人材紹介会社へ転職した方】自己PRと長所の例文

自己PRの回答例文

<結論=自分の強み>
顧客に対して細やかな提案で信頼関係を築き、顧客満足度を高めてきた経験が強みです。

<理由・背景・エピソード>
担当して間もない顧客が競合に取引を切り替えたことがありました。

顧客ニーズとこちらの提案がずれている点などが課題だと考え、3つの施策を実行しました。まず週に1回の訪問で定期的な顧客接点を持つこと。さらに自主的に新しい情報を提供し、潜在ニーズを掘り起こすこと。そして毎月、仮説を立てて提案を行い、顧客ニーズの理解を深める努力を続けていきました。

<成果や実績>
最終的に全担当顧客大手10社で対前年比100%以上を達成し、顧客満足度調査では社内平均の75%を大きく上回る90%以上を達成することができました。

<どう活かせるか>
大手企業に向けた提案経験や、信頼関係を着実に築く力、先手を打つ提案で競合と差別化していく営業力をもとに、顧客満足度を高め、売上に貢献していきたいと思います。

評価されるポイント
・「誰に」「どのように」営業活動を行い、成果を出してきたか具体的に想像できます。転職しても同じように自ら課題を設定し、解決策を考えて行動していける人物とイメージできるでしょう。

・商品サービスや価格などで大きな差別化ができない業界だからこそ、先手を打つ「スピード対応」で顧客に信頼されたことが伝わります。事業を行う理由が近い応募先の企業でも、活かせる強みがあること、大手企業を顧客とした経験を伝えている点も評価につながりやすいでしょう。

長所の回答例文

<結論=自分の長所>
何事も先手で対応するところが長所です。

<理由・背景・エピソード>
これまで顧客の要望や変化を競合より先に把握し、提案を行うことを心がけてきました。

<客観的に貢献できたこと>
担当している大手の顧客からは「他社の営業担当者の提案は的外れな内容であることが多い。しかしあなたは常にこちらが欲しいものや、気付いていないことも含め、先手を打った提案をしてくれるので頼りになる」というお言葉を頂くことができました。信頼関係を築くために、顧客からの要望や依頼がなくても自主的に提案を重ねていくことを心がけていたので、非常にうれしい瞬間を味わいました。

<どんな貢献をしていきたいか>
御社の事業は前職と同じく、景気の変動や会社の成長フェーズによって顧客ニーズが大きく変化する業界と考えております。常に顧客と良好な関係性を構築し、顧客から要望を受ける前に先手で提案することで「どんな状況でも必要とされる営業」として、貢献できると考えております。

評価されるポイント
・先手を打つための想像力と行動力があり、直接数字につながらなくても顧客との信頼を築く努力を続ける点に、誠実な人柄が伺えます。
・高い意欲と主体性もあり、顧客と良好な関係を築く能力や、ニーズを重視した考え方などから、営業に必要な要素があるのが伝わります。また事業を行う理由の近い、応募先企業の業界や提案活動を行う企業で、具体的な成果を挙げているため入社後の働き方や活躍する姿がイメージしやすいでしょう。

【エンジニア】IT・PMの自己PRと長所の例文

自己PRの回答例文

<結論=自分の強み>
大規模プロダクトのリニューアルプロジェクトをまとめた実行力を強みとしております。

<理由・背景・エピソード>
ARR(年間経常収益)●●億円規模のIT(SaaS)プロダクトのリニューアルプロジェクトを約1年間、PMとして担当しました。(企業ユーザー数の増加に対応した安定稼働維持やUXの向上を図るリニューアルプロジェクト)

その際リニューアルに伴うプロダクトの仕様変更等に関して、社内向けのコミュニケーションが不足していると感じました。問題は顧客に対峙する営業やカスタマーサクセスから不満が大きいことです。

コミュニケーション不足を反省し、各部門向け説明会○回開催や説明資料、Q&A集などを作成し、大口顧客は営業やCSに同行して技術観点からの説明やフォローも徹底して行いました。またリニューアル後のサポートチームも、新たに設置しています。

<成果や実績>
リニューアル時期は3ヵ月ほど遅れましたが、社内のプロダクト理解の深まりや連携強化によりスムーズに移行ができたと同時に、顧客へのアップセルを実現でき、対前年比○%のARR向上に寄与することに成功しました。

<どう活かせるか>
難易度の高いプロジェクトでも適切に課題解決を行い、成果につなげる実行力で御社のプロダクト成長に貢献できると考えております。

評価されるポイント
・●●億円規模という、大規模プロダクトのリニューアル案件を担当した実績から、PMとしての高い経験スキルがあることが伺えます。
エピソードからも、課題に対して解決策を複数の方法で考案して対応しており、時間はかかったが根本的な解決を志向している点や、結果的に収益の向上に結び付けていることが高く評価されやすいでしょう。

長所の回答例文

<結論=自分の長所>
物事に対して、冷静に対応できることが長所と考えております。

<客観的に貢献できたこと>
営業やCSなど社内から苦情が殺到し、プロジェクトメンバーは大きなストレスを抱え現場は混乱しました。しかし、PMとして1つ1つの課題に対して要因と実現可能な対応策、解決プロセス等を明確にし、チームをまとめ社内各部門に対応を行うことができました。

<どんな貢献をしていきたいか>
プロダクトも組織も拡大フェーズの御社では、想定外のトラブルや課題が発生する可能性があります。しかしこのような長所を活かし、どのような場面でも物事を客観的に分析し解決していくことができると考えております。

評価されるポイント
・エピソードからPMとして求められるマネジメント力や分析力、対応力などの経験スキルを持つことがわかります。
混乱するプロジェクトメンバーを束ねて導いたことや、社内各部署からの苦情に対して着実に対峙して解決したことなどから、どのようなビジネスの場面でも冷静沈着に対応する信頼できるビジネスパーソンであることが伝わってきます。

【営業】法人営業の自己PRと長所の例文

自己PRの回答例文

<結論=自分の強み>
売上目標達成に向けた戦略的な行動力が強みと考えております。

<理由・背景・エピソード>
中堅~大手企業向けソフトウェア営業を行ってきました。
大手企業向けは、ターゲットを絞って数か月単位でじっくり時間をかけての営業でしたが、一方では中堅企業向け営業は〇社のパートナー企業と代理店網を新たに構築し、直接自分が営業をせず効率的に売上を上げる仕組みで対応してきました。
売上目標達成に影響の大きい、大手企業向け営業に注力できる状況を構築することで、安定して営業業績を挙げています。

<成果や実績>
大手向け営業に注力でき大手企業7割、中小企業3割の売上構成で、年間売上予算を120%超で達成することができました。

<どう活かせるか>
目標を達成するために、どういった取り組みをすればよいか戦略的に思考する力で、御社の事業拡大に貢献できると考えております。

評価されるポイント
・営業として売上目標を達成するだけではなく、目標達成までに何をすれば実現できるかの道筋を細分化・分析し、代理店網の構築といった仕組みを考案・実行している点を高く評価されるでしょう。
・その戦略性という長所があれば、仮に商品サービスや業界等の環境が変わっても成果を出せることが期待できると言えます。

長所の回答例文

<結論=自分の長所>
仕事に最速・最短で取り組むスピード感が長所と考えております。

<理由・背景・エピソード>
パートナー企業〇社との代理店営業において、各社の経営陣や営業との信頼関係構築が必須でした。

<客観的に貢献できたこと>
パートナー企業からの相談・質問・依頼等には、最大限即日対応するといったスピード感を大事にすることで、パートナー企業との信頼関係を構築して参りました。
結果、パートナー企業〇社の当社製品売上も対前年比で〇%伸長しています。

<どんな貢献をしていきたいか>
スピード感を持って仕事に取り組み、関係者との信頼関係構築を通じて御社でも成果を出していきたいと考えております。

評価されるポイント
・営業職はどのように顧客との関係性を構築するかが重要なポイントです。営業個別に特徴はありますが、この求職者においては、エピソードから常に顧客目線で業務を行うからこそ「最大限即日対応」などの自分の中でルールを決め、最速最短で対応してきている信念や誠実な人柄が伺えます。
・営業として顧客に対峙したときの姿がイメージでき、顧客と良好な関係を構築し安定した業績が期待できるといえるでしょう。

【企画系】人事の自己PRと長所の例文

自己PRの回答例文

<結論=自分の強み>
組織力強化の知見が自身の強みと考えております。

<理由・背景・エピソード>
従業員数百名規模の前社では、組織人員の急激な増加と、若年層の割合増加による従業員満足度の低下により、中間管理職層の強化が必要となりました。

そこで中間管理職向けのコーチングサービスの導入や、従業員の業務コンディションを日次で把握するツールの導入で問題の早期解決を図る仕組みづくり、そして独自のタレントマネジメントシステムの開発・導入を行いました。

<成果や実績>
その結果、従業員満足度を〇%から〇%回復し「メンバーの状態が可視化されて対応しやすい」「感覚や経験値だけではないマネジメントの新しい方法を身につけることができた」など、中間管理職からの高評価や手応えも感じることができました。

<どう活かせるか>
成長フェーズにある組織で発生する様々な組織内課題を解決した経験スキルを、御社で活かせると考えております。

評価されるポイント
・組織課題を解決するために、従来の手法そのままや経営陣からの指示待ちではなく、主体的に企画提案(コーチングサービスやツール導入など)し、成果を出していることから、他社でも活かせる豊富な知見を有していると評価されるでしょう。
・特に成長フェーズにある企業や事業部門においては、共通して多く発生する組織課題であるため、経営陣や幹部層の良き相談相手としての役割も担えると期待されやすいといえます。

長所の回答例文

<結論=自分の長所>
粘り強く対話することや、行動し続けられることが長所と考えております。

<理由・背景・エピソード>
中間管理職向けコーチングサービスの導入時、経営陣は導入の必要性やコストへの懸念、中間管理職層は従来のやり方を変えることへの抵抗や多忙になることへの懸念がありました。

<客観的に貢献できたこと>
しかし経営陣や一部の中間管理職にコーチングサービスを試験導入して体感してもらい、中長期的な導入メリットを他社先行事例から共有等の地道な取組みを約半年実施したところ、全社導入へ繋げることができました。

<どんな貢献をしていきたいか>
組織を強くするために必要な施策を社内の抵抗や反対があっても、粘り強くコミュニケーションや提案を重ねることで実現できる長所を、御社でも活かしたいと考えております。

評価されるポイント
・自分の提案がすんなり受け入れられない困難な場面においても、社内関係者の懸念を1つ1つクリアして進めています。最終的に導入を実現していることから、人事職として非常に高い対話・交渉・コミュニケーション力や行動力を持っていると評価されるでしょう。
・困難な場面でもゴールを見据えて中長期視点で仕事に取り組む人物像が浮かび上がり、責任を持って仕事を遂行してくれる人材として高評価となる可能性が高いと言えます。

自己PRと長所を伝える際に気を付けるポイント

自己PRや長所(短所)を伝える際に、気を付けておきたいポイントを紹介します。

自己PRと長所が同じ内容にならないように準備する

自己PRと長所は同じ内容にならないように注意しましょう。自己PRと長所の回答で、裏付けするエピソードが全く同じ場合「準備不足で志望度が低いのではないか」「自分自身の棚卸しができていない」など評価されにくい可能性があります。

面接で大切なのは、質問の意図を理解し、面接担当者が知りたい内容を的確に答えることです。自己PRを聞かれた際には「具体的に能力を発揮した経験と実績」について、長所を聞かれた際には「どんな考え方をする人物なのか、どう工夫して仕事を進めたのか」などを伝えられるようにしましょう。

長所を自己PRに活用する場合は言い換える

自己PRできる実績がない場合は、長所から自己PRの内容を考えることもできます。長所を自己PRに活用するときは、仕事で成果につなげたエピソードを軸とし「具体的に仕事で発揮した能力=強み」に言い換えましょう。

【例:緻密さを長所とし、細部まで目を配って仕事を進めることで、チームや顧客から信頼を得てきた】場合の言い換え

・「緻密な提案力を強みとし、顧客との信頼関係を築いて目標を達成し続けている」
・「綿密な計画を立てられる点を強みとし、部署間のスムーズな連携に貢献した」

上記のように成果を上げた具体的なエピソードを、自己PRに言い換えることができます。

長所と短所はあわせて伝える

面接の際には長所と短所を合わせて伝える意識を持つと、効果的にアピールできるでしょう。

面接担当者が短所について質問するのは「自身の短所と向き合い、成長していこうとする姿勢があるかどうか」を知りたいからです。短所を回答する際には「短所の改善に取り組む姿勢や意識」まで伝え、成長の伸びしろがあることをしっかりアピールしましょう。

しかし長所を「緻密さ」とし、短所を「企画力が弱い」とすると「緻密さが長所なら、物ごとを緻密に分析して企画する力もあるのでは?」と捉えられてしまう可能性があるので、組み合わせには注意しなくてはいけません。

自己PRや長所でガクチカ(学生時代に力を入れた事)を話す場合は第二新卒まで

自己PRや長所で学生時代に力を入れたこと、いわゆる“ガクチカ”をアピールしてもよいのは、第二新卒までと言われています。面接担当者からすると「社会人として働いているのに、ビジネスで力を発揮できなかったのだろうか」と懸念を持たれる可能性があるからです。

面接時には学生時代の経験だけでなく、社会人経験の中からも自己PRや長所について答えられるようにしておくことが大切です。基本的に学生時代の話は、社会人経験1年未満の経験の少ない第二新卒までとし、それ以上の人は仕事での実績や成果を答えられるようにしっかりと棚卸ししましょう。

自己PRと長所の伝え方は転職エージェントに相談してみるのも手

自己PRと長所の違いは理解できたけれど、面接での伝え方はやはり難しいと感じる人もいるでしょう。
アピールの仕方に悩んだら転職エージェントに相談し、キャリアアドバイザーに客観的なアドバイスをもらうのもひとつの手です。
自分では気づけなかった自己分析ができたり、スキルの棚卸しができたりするでしょう。さらに面接の練習をしてもらうことで、自分の話し方や表現が、応募先企業にどのように見られるかをプロの視点から確認できます。

自身の自己PRと長所をしっかりと認識し、一つひとつ不安を取り除いていけば、より自信を持って転職面接に臨むことができるでしょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルを行っている。
記事作成日:2020年12月24日
記事更新日:2022年12月21日
記事更新日:2023年09月20日 リクルートエージェント編集部

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