自動車業界の2021年の転職市場の求⼈・求職者の動きを、業界に精通したキャリアアドバイザーがレポートします。
「2021年の転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。
自動車業界の2021年転職市場の展望
・ITエンジニアのニーズは依然として高く、争奪戦の様相は変わらない。
・Web面接はほぼ全ての企業で導入された。
業界・企業側の動き
新型コロナウイルス禍の影響は、企業によってかなり異なりました。採用活動の戻りが早い企業では、6月頃から採用再開し求人も戻っており、9月~10月頃には大体の企業で生産が戻ってきたことで採用を再開しています。もちろん、水準としては昨年よりも低下していますが、国内市場だけでなくグローバルで売り上げを上げていくことに成功した企業では、2021年にかけてゆるやかに求人も回復していくでしょう。
MaaSやCASEに関する案件は落ち着いてきており、コネクテッド、自動運転関連で求人が若干出てきています。通常の開発のポジションは、現在優先順位は高くありません。
需要が高いポジションとしては、変わらずDX関連のポジションです。ITエンジニアは引き続き争奪戦になっています。
また、モビリティ関連領域では、事業開発のポジションや、ベンチャーとのアライアンスを推進する職種もあり、エンジニアだけでない求人もあります。
ただ、この分野は採用競合も強く、事業会社と熾烈な人材獲得競争を繰り広げている状況です。上期はWeb面接に対応できていた企業は一部でしたが、今ではほぼ全てWeb面接で完結しています。
求職者側も、企業に対するイメージがつきやすいからか、Webコミュニケーションだけでも意思決定はできています。今後、2021年は、2019年度水準まで求人が戻るとは考えづらいですが、採用自体は事業変革の必然性から止まらないでしょう。足元では徐々に、企業が求めるスキルや経験のレベルが上がってきており、人柄や社風に合うかどうかもより重視するようになっています。
求職者側の動き
今まで生産ラインのコンサルティングやSCMコンサル、製造の知見を生かした業務改革、BPO/BPRコンサルティングポジションなどへ転職する方も多くいましたが、コンサルティング業界への転職は少々落ち着いてきています。また、若手・中堅はこの状況下ではあまり活動はしていない傾向にあります。
40代以降で転職を考える方々は、一部、開発スキルを生かしてベンチャーに行く場合があります。
自動車の海外進出や、何かしら困難な局面を越えた経験のある方々であり、ハードの開発技術を持ち、安全意識も高く品質へのこだわりも強い方が多いです。プロジェクトマネジメント経験を評価され、地方の工場長への採用もあるが、自分でも手を動かせることが必要です。技術者派遣の企業では、60歳以降の本来は定年の年齢になっても給与が下がるわけではないため、生涯エンジニアでいたい方などが選ぶ傾向にあります。
出所:リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析
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2021年の転職活動に不安を感じている方もいらっしゃると思います。
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転職市場動向「2021年の展望」|全15業界の新型コロナウイルス禍の動向を解説。
戸田 洋子
新卒で自動車メーカーの人事を経験。その後、リクルート(旧:リクルートキャリア)に入社し、マーケティング・経営企画、製造業の技術領域のキャリアアドバイザーを経て、現在は自動車業界を中心とした技術専門領域のコンサルタントに従事。