総合電機・半導体・電子部品業界の2021年の転職市場の求⼈・求職者の動きを、業界に精通したキャリアアドバイザーがレポートします。
「2021年の転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。
総合電機・半導体・電子部品業界の2021年転職市場の展望
・引き続きハードからソフトへ。採用が活発な領域と落ち着く領域が二極化の動きは継続。
・若手技術者が半導体・電子部品業界へ転職する動きも。
業界・企業側の動き
引き続きハードからソフトへシフトしていく動きは継続しています。新型コロナウイルス禍の影響で求人は一時停滞したものの、7月後半から少しずつ戻ってきている状況です。
決算で今後の事業の見通しがついてきたことで、黒字事業から採用を再開しています。中でも、電気などインフラに関わる求人は堅調に採用が進んでいます。ただ、一部の企業では米中貿易摩擦の影響から一時的に採用が止まっているケースも見受けられます。
需要が高いのは引き続きAIやデータサイエンス、クラウド領域の求人。ものづくりの利点を生かし、ハード製品からとれるデータを使い事業にしていく流れもあります。企業によっては、異業種の企業とアライアンスを組み、活用データの範囲を広げています。こうした先進テーマに関わる求人は、底堅く採用活動をしています。ただ、そもそも候補者も少なく、採用競合も非常に強いため、各社採用には非常に苦戦している状況です。
PC関連機器は上期ほどではないが継続して需要はあります。ゲーム機、PCゲーム関連は活発で、全体的にゲーム事業は伸びています。半導体関連も好調です。
また、最近ではジョブ型雇用について企業の関心が高まっています。これは、コロナ禍はあまり関係なく、元々ハードからソフトへの事業変化がある中で、内部労働市場と外部労働市場のギャップを埋めるために考えられているケースが多いでしょう。
2021年以降は、さらにIT人材の採用は加速するでしょう。新型コロナウイルスの影響はこれからも読めない部分はありますが、大きな流れとして、ソフトウェア関連の比重は増えていくでしょう。
そのため社内にはいない人材をいち早く獲得できるか否かが今後の明暗を分けるのではないでしょうか。そのためには今まで以上に求職者に寄り添い、必要な情報は開示し丁寧に訴求していくことが求められます。
求職者側の動き
7月くらいから徐々に求職者も転職活動を再開する方が増えており、大体お盆明けくらいから例年通り活動ができています。コロナ禍で家にいる時間も増え、将来への不安から自分を見つめ直す方が増え転職活動に至るケースも多いようです。ただ、技術者の多くはまだ慎重なケースも多い状況です。一部の技術者は、半導体業界が比較的好調なため、転職していくこともあるようです。
半導体業界は若手からも選ばれるようになってきました。特に東海地方では、若手の求職者が増えており、半導体業界への転職が目立ちました。また電子部品メーカーから通信関係への転職も増えています。この傾向は来年も一定続くと考えられるでしょう。
出所:リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析
出所:リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析
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※お申込み時にキャリアアドバイザーの指定はできません。予めご了承ください。
転職市場動向「2021年の展望」|全15業界の新型コロナウイルス禍の動向を解説。
井上 和真
繊維商社を経て、人材業界では約10年以上一貫して製造業における採用支援に関わっている。現在は主にミドル~管理職領域を担当。半導体・自動車業界 H/W,S/W領域が強み。
三宅 英之
入社以降、一貫して製造業、特にエレクトロニクス・半導体業界の企業のリクルーティングアドバイザーに従事。100名単位の大規模採用支援を主としている。