化学業界の2021年の転職市場の求⼈・求職者の動きを、業界に精通したキャリアアドバイザーがレポートします。
「2021年の転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。
化学業界の2021年転職市場の展望
・半導体、ヘルスケア関連の求人の戻りが早く、全体的には年明けには復調するだろう。
・環境への配慮も重要テーマ。新規事業関連求人も増加するだろう。
業界・企業側の動き
半導体、ヘルスケア関連の求人は回復が早く、自動車関連の求人も11月頃から出始め、今後化学の求人は年明けから活発になってくる可能性があります。新型コロナウイルス禍の影響による採用計画修正はほとんどありませんが、採用専任の担当がいない企業も多く課題はあります。半導体、バイオ、ヘルスケア領域では機能性食品や、医薬品の検査装置、医薬品の受託生産(CDMO)などの案件が従来からありましたが、今はいかにその分野で売り上げを作っていくかが重要視されてきています。企業が求めているのは製薬領域や半導体領域の方ではありますが、異業種転職をするには心理的にハードルが高いと感じる方が比較的多く、採用には苦戦する傾向です。
また、同じ業界でも採用が活発な企業とそうでない企業には差が出始めています。
企業が今後も生き残っていくためには、多角的な事業運営が必要だということは各社認識しており、新領域での採用にチャレンジするものの、ターゲットを動かす訴求やそもそも採用担当が専任でないなどさまざまな課題があり、苦戦している印象です。2021年に向けては、環境を意識した求人がさらに増えていくと考えられます。
鉄鋼業界でも、CO2を出さないような製造プロセスの開発など、企業の利益状況に関わらず関心が高い傾向にあります。DX関連の求人も出てきてはいますが、これから活発になるというフェーズです。その他MI(マテリアルインフォマティクス)の技術への投資から、データを使って研究を加速させる動きがあり、技術者の社内育成に力を入れる企業もあります。とはいえ、社内の業務改善に近いDX関連が多く、新規事業はまだまだこれからのようです。一部、VCとの協働部署やアライアンス関連の求人も出てきています。今後、企業はより異業種からの採用に力を入れなくてはいけなくなるでしょう。
そのために必要な人事制度改革(報酬制度改定や地域限定職など)は、動き出しが早いほど他社に差をつけられます。他の業界の方が進んでいるところも多いため、いち早くその課題を捉え動き出せるかどうかが重要になってくるでしょう。
求職者側の動き
Web面接になり活動がしやすくなったのは他業界と同様。
また、コロナ禍で将来について考える時間が増え、自社の将来性や事業について考え転職を検討される方も増えてきています。そういった方は、より事業の安定性(事業の多角化等)を求めている傾向にあります。
また、以前はテレワークなどは少ない業界でしたが、テレワークができるようになり、週数回の出社であれば現住所から遠くても良い、という方や移住という選択肢も考える方が出始め、勤務地の選択肢も広がっています。
出所:リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析
出所:リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析
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※お申込み時にキャリアアドバイザーの指定はできません。予めご了承ください。
転職市場動向「2021年の展望」|全15業界の新型コロナウイルス禍の動向を解説。
足立 絵美
大学では化学を専攻し、リチウムイオン蓄電池の研究。リクルート(旧:リクルートキャリア)入社後は、大手製造業(化学・自動 車・技術者派遣)を中心に法人営業を担当した後、化学の ハイキャリアのエンジニアを中心に転職活動を支援。