【医療・医薬・バイオ業界】2021年転職市場の展望

医療・医薬・バイオ業界の2021年の転職市場の求⼈・求職者の動きを、業界に精通したキャリアアドバイザーがレポートします。
「2021年の転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。

新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、医療の最前線で感染症に立ち向かってくださっている医師や看護師をはじめとする医療従事者の皆さまに、心より感謝いたします。

業界・企業側の動き

医薬品領域では、デジタル系の引き合いが強く、国内の生産管理・工場関連求人が活発な動きは変わりません。Web面接への切り替えも早かったため、今年は面接が組みやすく採用計画は順調で来期も好調に採用を進めていく見通しです。メディカルサイエンスリエゾン関連職種を積極採用していましたが、採用が順調なこともあり少々ハードルは高くなってきているようです。研究職はピンポイント採用が続いています。

医療機器分野では、８月～９月あたりから回復しており、職種もまんべんなく採用しています。研究開発からマーケティング、営業職も戻ってきています。バイオ関連は、投資先がSaaSへも広がっており、現在は求人も戻ってきている状況です。

また、抗体医薬の開発が注力分野になっています。一部、大手製薬メーカーのミドル・シニアを即戦力として採用する動きも出てきています。ベンチャーはVCからの資金調達も順調で引き続き採用は活発です。新規事業への関心は各社高い傾向にあります。DX推進は引き続き取り組まれていますが、新しい事業が保険適用になるなどの動きもあり、今後さらに注目が集まるでしょう。

また、工場・物流関連では、特殊環境下でも運搬が必要になるなどの状況に合わせて求人需要が生まれています。また業界団体とのやりとりなどアドボカシーに関するポジションも今後増えていく可能性があるでしょう。

求職者側の動き

新型コロナウイルス禍の影響で、病院への訪問ができず時間ができたことで、一時MRの転職希望者は増えていました。異業種への挑戦をされる方もいれば、医療機器・電子カルテ・ヘルステック企業への挑戦をされる方もいました。医療機器営業の方も、病院訪問ができないにも関わらず売上目標が変わらないことや、自社の姿勢に対して疑問を持った方は転職を検討していました。

給与面の条件だけでなく、「将来のキャリア」「働く環境」を重視する求職者も増えているようです。ワーケーションやテレワークができる環境への要望も出始め、完全在宅を中心に転職活動を進める方も出てきました。コロナ禍で価値観が多様になり、キャリアも広く見渡す方が増えてきています。環境の変化は激しいですが、外部要因にとらわれず、自分はどうキャリアを積んでいきたいのか、どう生きていきたいのかをしっかり考えていくことが重要です。

出所：リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析

出所：リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析

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