銀行・証券業界の2021年の転職市場の求⼈・求職者の動きを、業界に精通したキャリアアドバイザーがレポートします。
「2021年の転職市場や業界トレンドを知りたい」「納得感のある転職活動のために、採用動向を知っておきたい」という方はぜひご一読ください。
銀行・証券業界の2021年転職市場の展望
・銀行は引き続き採用は活発。中でもDX(IT・事業開発・デジタルマーケ)求人が活発。
・証券は新規事業開発関連求人が出ている。求職者の志向も徐々に変化が。
銀行業界の企業側の動き
引き続き積極採用の状況は変わらない状況です。
昨年から中途採用への注力も顕著になり、今年は採用体制を厚くする銀行も多く、難易度の高いエンジニア職種や、新規事業開発系の職種は今後も積極採用していくでしょう。また、DX推進をより事業別に最適な形で進めていくために、会社全体としてではなく、部門・サービスごとに採用していく流れもあります。
また、スタートアップとアライアンスを組んで新規事業を創出する動きに合わせ、アライアンス系の職種も出てきています。2021年以降、DXの取り組みは、ゼロからサービスを創るというよりも既存の事業部のDXをどう進めるかが中心になってきそうです。また、ブランディング課題への着手も始めており、広報やブランドマーケティングなどの採用も出てきています。
銀行業界の求職者側の動き
積極的に転職活動する方と、まったく動かないという方で二極化が進んでいます。
金融業界全体へのイメージから今は動かないほうが良いのではと感じる方と、その中でも自分のスキルを棚卸し、強みを生かして異業界も視野に入れ活動する方もいます。コロナ禍を経て、考えを深めていく方は自分キャリアの生かし場所を丁寧に探して活躍している印象です。昨今の報道から、銀行は人が余剰になるのではないかという印象だけ持っている方もいますが、一方で足りない職種もあるのが事実。そういったポジションへ自らチャレンジするかどうか、今後のキャリアの積み方を再考する良いタイミングと捉えられます。今後はより専門性を求められたり、社外とコラボレーションしていく力が求められます。
キャリアチェンジを少しでも考えている場合は、状況も変化しやすいため、情報収集だけでも早めに検討に入ったほうが良いでしょう。一部転職先として人気のあったネット業界やSaaS系などは、採用ができつつあり、ポジションが限られてきているのも現実です。また、UIターンや、地方に異動になったものの東京に戻りたいというような勤務地を変えたいという意向の求職者は以前より増えています。
証券業界の企業側・求職者の動き
新規事業開発ポジションが増えてきています。事業開発やマーケティング、セキュリティ関連のポジションが特に活発です。システムの内製化にも本腰を入れ始め、社内に開発・運用保守体制を構築する動きもあり、今後を見据えてアジャイル開発のできるエンジニアも募集しています。従来中途採用では即戦力として30代半ば~40代の採用が多い傾向にありましたが、今後の組織構成を見据えて若手も採用しようとする動きは出てくる可能性があります。そのため2021年には一部第二新卒採用の可能性もあるでしょう。
求職者側は、賞与が下がり転職を考える方も出てきています。よりチャレンジングな環境を求めて大手証券から中小に転職する方も出てきたり、IFA(IndividualSavingAccount)など長くお客様に寄り添うことに興味を持つ方も増えているようです。
注:こちらのグラフは、銀行・証券業界だけでなく、生保・損保業界なども含む金融業界全体のグラフとなっています。
出所:リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析
注:こちらのグラフは、銀行・証券業界だけでなく、生保・損保業界なども含む金融業界全体のグラフとなっています。
出所:リクルート『リクルートエージェント』転職決定者数の分析
転職活動は情報収集から
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※お申込み時にキャリアアドバイザーの指定はできません。予めご了承ください。
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木村 圭
新卒入社以来、5年以上に渡って大手金融機関中心に法人向けの採用支援に従事。現在は銀行やIB(インベストメントバンキング)の領域を主に担当。
水谷 努
金融領域出身。リクルート(旧:リクルートキャリア)においては金融領域専門のアドバイザーとして多数のメガバンク・メガ証券・大手生損保出身者、リースや運用会社出身者まで幅広い転職支援実績を誇る。