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面接で自己PRを効果的に伝えるには? 自己PR例文と作り方

面接 プレゼンテーション

面接では自己PRを聞かれることが一般的です。そこで、面接で自己PRを効果的に伝える方法や、経験や強み別の例文について、組織人事コンサルティングSeguros、代表コンサルタントの粟野友樹氏が解説します。

企業が面接で自己PRを聞く理由

企業が面接で自己PRを聞くはなぜでしょうか。大きく分けて2つの理由を解説します。

入社後の活躍可能性の確認

自己PRを通じて、企業の採用担当者は応募者の強みと仕事との相性を見ています。例えば、過去にとらわれない斬新な企画やアイデアを実現する仕事の募集に対して、「柔軟性」「発想力」などの強みを持つ人材は得意分野を発揮して活躍してもらえそうですが、「堅実」や「継続力」などを強みとしている人材の場合は、入社後にギャップを感じてしまうかもしれません。
入社後の活躍可能性を確認するために、企業は自己PRを確認しています。

入社後の定着性の確認

応募者の人物像が、社風とマッチするかも確認しています。人物像とは、仕事へのこだわりや進め方、信条などが社風や企業の価値観、職場の雰囲気に合っているかどうかです。例えば、縦割りの組織で仕事を進めていた人が、フラットな組織の企業に入社すると、仕事の進め方やコミュニケーションスタイルなどが一変するため、自分らしく働くことができません。
逆に、社風にマッチした人材であれば、すぐに職場に馴染みイキイキと働くことができるでしょう。人物像と社風との相性は、入社後の定着性に影響を及ぼします。

効果的な自己PRの作り方

自己PRは、基本的な構成を理解しておくとまとめやすくなります。自己PRの基本構成と、ポイントをご紹介します。

自己PRの基本的な構成

自己PRは以下の3つで構成すると分かりやすくなります。

  1. アピールしたい自分の強み
  2. 強みの根拠となるエピソード
  3. 強みを活かして活躍できること

1.アピールしたい自分の強み

私の強みは〇〇だと考えております。

2.強みの根拠となるエピソード

現職(前職)では○○業務に携わっていたのですが、○○という課題がありました。解決するために○○を提案し、実行に移したところ○○という壁にぶつかりました。プロジェクトの進め方を見直し、段階に分けて○○を導入するなどの工夫をしました。

課題を解決したことによって生産性が上がり、残業時間を○割削減することができました。

3.強みを活かして活躍できること

この経験を活かして、御社の生産性向上に貢献していきたいと考えております。

自己PRをまとめる際のポイント

1.アピールしたい自分の強み
最初に伝える強みは、自分の経験・実績に基づいた内容に工夫することが大切です。例えば、「チャレンジ精神」を強みとする場合は「現状に満足せず、次の課題に向かい続けるチャレンジ精神」「未知の領域でも積極的に飛び込んでいくチャレンジ精神」など、経験・実績を端的に補足することで、冒頭だけで具体性が増し、他の応募者と差別化を図ることができるでしょう。

2.強みの根拠となるエピソード
エピソードでは、取り組んだことだけでなく、成果や周囲からの評価を客観的に伝えましょう。できるだけ数字を盛り込み、状況をイメージしやすいキーワードを交えると、規模や状況が分かりやすくなります。

3.強みを活かして活躍できること
締めの強みを活かして活躍できることは、応募企業が力を入れていることに沿っていると、さらに効果的です。

未経験者、経験者の自己PR例文

未経験者の場合は、これまでの経験・スキルから応募する求人の業務内容に役立つ要素を見つけることが大切です。扱う商品・サービスが違っても、顧客の業界や属性が同じだったり、仕事の進め方が似ていたりすれば、評価されやすくなります。また、学ぶ姿勢を示して入社後の成長性を伝えることも重要です。

経験者の場合は、経験・スキル・実績を元に、業務で発揮できる強みを具体的にアピールし、採用担当者が入社後の活躍イメージを持てるような内容を意識しましょう。

未経験の例文

私の強みは、顧客のニーズを把握するヒアリング力だと考えております。

前職ではホテルの接客スタッフを務めておりました。多様な宿泊客のニーズに応えるために、顧客の属性や年齢層、状況などに応じたヒアリングのフォーマットやチェックポイントを自分なりに考案しました。リアルな声を改善に役立てた結果、顧客の満足度が向上し、アンケートで感謝の言葉が書かれていたり、リピートの際に声を掛けていただいたりすることが増えました。

この経験を強みとし、御社の営業の仕事においても、顧客の顕在・潜在ニーズを正確に把握する力を発揮し、顧客満足度と業績の向上に貢献していきたいと考えております。

経験者の例文

私の強みは、組織的な営業を推進するリーダーシップにあると考えております。

現職ではITサービスの営業として大手企業へのアプローチを手掛け、競合によるコンペで受注金額○千万円の大規模案件を勝ち取りました。顧客対応のフロントを務めるだけでなく、営業部署、営業企画、マーケティング、エンジニア、デザイナーなど、部門をまたぐプロジェクトチームを取りまとめました。案件受注後、顧客先のグループ企業も紹介され、売上を○%拡大。また、チームで動く体制が社内で評判となり、成功事例として横展開されました。

個人の属人的な営業ではなく、組織一丸となって売上を作ったこの経験を強みとし、御社に入社後も成功事例を生み出す風土の推進に貢献していきたいと考えております。

アピールしたい強み別の自己PR例文

「向上心」「柔軟性」「リーダーシップ」の3種類の自己PR例文をご紹介します。

「向上心」を強みとする例文

私の強みは、大規模WebサービスのSRE化を遂行した向上心だと考えております。

現職ではECサイトの開発エンジニアを務め、月間〇〇万ユーザーが利用するサービスのSRE(サイト・リライアビリティ・エンジニアリング)を遂行しました。

従来のオンプレミス環境からクラウド環境に移行する方針のもと、手探り状態から情報収集し、導入するサービス・技術の選定やコスト感、セキュリティなどの課題を整理し、ほぼ一人でシステム運用の最適化計画を立案しました。技術動向や他社事例なども自ら学び、関係各所にメリットを説明して協力体制を構築し、段階的に移行を実現していきました。

SRE遂行後は、サービスにおけるエラー数が〇%低減し、月間デプロイ数も〇%向上させることができました。

知見がなく、何が正解かわからない中でも、最適な計画を立てた向上心を活かし、御社のサービスの価値向上に貢献していきたいと考えております。

「柔軟性」を強みとする例文

私の強みは、組織全体への貢献を考え、多様な業務に対応する柔軟性だと考えております。

前職では、総務部門でオフィス設備・機器・備品・文書管理、社内行事などを担当していましたが、IT担当者の退職に伴い、管理部門にRPA導入プロジェクトも担当することになりました。未経験ながらもRPAベンダーや導入コンサルタントからレクチャーを受けて学び、また、事業部門のエンジニアからサポートを受けながら経理部門への導入を実施しました。

導入後、経理部門における業務時間を○時間削減することができ、カスタマーサポート部門への導入計画も推進しました。導入の効果が評価され、総務の業務に加え、社内IT担当チームのリーダーを任されています。

未経験の業務でも自分の成長機会や会社への貢献につながると捉え、柔軟に対応したこの経験を強みとし、御社の管理部門の業務効率化などに貢献していきたいと考えております。

「リーダーシップ」を強みとする例文

私の強みは、ゼロベースから施策を立案・実行し、目標を達成するリーダーシップだと考えております。

現職のIT企業では営業企画部門のリーダーを務め、新規部門の設立を実現する経験もしました。創業時から直販による営業体制で事業拡大を続けてきましたが、3年後の成長と売り上げ目標の増大を見据え、パートナーセールス部門の設立を起案しました。自らパートナー企業の開拓・契約や仕組みの立案、全体のスケジュールとKPIの設計を行った上、現場のマネジャーを兼任し、人材採用なども手掛けて実現に漕ぎ着けました。

設立から2年半でメンバーは○名規模に拡大し、全社における売上の約○%を占めるまでになり、事業成長に大きく貢献することができました。

会社の成長を見据えた施策を自ら立案し、現場マネジャーとして新たな部署の立ち上げから目標達成までを率いたリーダーシップを活かし、御社の事業成長に貢献していきたいと考えております。

【1分・3分・5分】時間ごとの自己PRのポイント

企業によっては、自己PRの時間を区切るケースもあります。時間を指定されることに備えて、実際に話してみてどのくらいの時間が掛かりそうかを、事前に準備・把握しておくと万全です。

1分で自己PRする場合

1分間で伝えられる情報量は、約300〜400文字程度です。自己紹介の主要な要素を短時間で伝えきることが重要なので、構成要素を明確にして事前に練習をしておきましょう。

1分と決められると、早口になってしまうかもしれませんが、落ち着いて話すことが大切です。特にオンラインだと、音声が伝わりにくくなるので注意が必要です。また、書いた文をそのまま話すのではなく、アイコンタクトを交えて相手の反応を見ながら話すと効果的です。

3分で自己PRする場合

3分間で話せる文字量の目安は1000文字程度です。状況・背景をより詳細に説明しながらエピソードを伝えることができます。基本の構成要素を意識した上で、エピソードでは「状況・課題・行動・結果」をしっかり伝えましょう。

また、3分という持ち時間は、自分が思っているよりも長いものです。事前に練習して、どのくらいのボリュームが必要かを試しておきましょう。面接の場では、相手の理解度や表情を見ながら、説明する内容の厚みを変えていくことがポイントです。事前に練習した内容通りに話し切ることが目的ではないので、伝わるような話し方を意識しましょう。

5分で自己PRする場合

5分間で話せる文字量は1500文字程度です。よりプレゼンテーション力が試されるため、事前準備は必須になります。基本は3分の自己PRと同様に、構成やエピソードの伝え方、相手の表情を把握しながら話すことなどを意識しましょう。

また、あらかじめ1〜2枚のプレゼン資料を作成しておくという方法もあります。資料があると落ち着いて話すことができるし、ビジネスを図解したり実績を記載したりすることで説得力が高まります。

なお、持ち時間が残ってしまいそうなときは、「少し早いですが、以上です。ご質問はございますか?」と切り替えても良いでしょう。時間を稼ぐことが目的ではないので、無理にエピソードを付け足そうとするより、過不足なく伝え切る意識を持つことが大事です。

面接で効果的な自己PRをするためのポイント

面接で効果的な自己PRをするために、どのようなことを意識すればいいのでしょうか。3つのポイントをご紹介します。

応募書類や他の回答との一貫性を意識する

履歴書や職務経歴書などの応募書類と異なる自己PRを伝えてしまうと、採用担当者が困惑してしまいます。面接で伝える自己PRは、応募書類に記載したものをベースにすることが大前提です。

また、面接では自己PRの他に「志望動機」や「転職理由」なども聞かれます。それらの回答も、自己PRとの一貫性に注意を払いましょう。例えば、自己PRで「チームで成果を出すリーダーシップが強み」と伝えているにもかかわらず、転職理由は「前職は社内コミュニケーションが希薄。協力しあえる組織で働きたい」となっていたら、人物像や背景が掴みにくくなります。どの回答も、一貫性を意識しましょう。

具体性のあるエピソードや成果を交える

「事業を成長に導く姿勢や実績があります。入社後は御社の売り上げに貢献したい」など、具体的な実績やエピソードがない自己PRでは、人物像や強みが伝わりません。売り上げ目標や達成率などの実績は、具体的な数値を交えて伝えましょう。また、上司や顧客、同僚、取引先などから評価された事実を書くことも大事です。会社の評価面談や360度評価、1on1などを通じて受けた評価なども振り返ってみると良いでしょう。

他者から評価を受けた経験が思い浮かばない場合は、以前の自分と比較して「1年前より業務領域が広がり、○○などの責任ある仕事を任されるようになった」「分析スキルや簿記の知識を身につけた」などと伝え、根拠を示すこともできます。

応募企業で活かせるイメージが伝わる

自己PRによって、採用担当者が「自社で強みを活かして活躍してもらえそうだ」とイメージしてもらうことが重要です。そのため、求人に記載されている「求める人物像」などを確認して、自分の強みと応募企業が求める人物像に共通点があるかどうかを確認しておきましょう。

もし、全く共通点がない場合は、企業分析や仕事内容の研究を行うと同時に、自分の過去のキャリアを再度棚卸しして、接点を探すことが必要です。この手間を省くと、アピールが企業に響かず、選考通過ができずに転職活動が長引いてしまうかもしれません。面倒でも、企業研究と自己分析を行い、自信を持って自己PRを伝えましょう。

自己PRに迷った場合は転職エージェントに相談を

転職エージェントは、求人の紹介だけでなく、キャリアの棚卸しのサポートや具体的な面接のアドバイスも行っています。もし自己PRの伝え方に迷っている場合は、転職エージェントに相談し、自己PRのポイントについて教えてもらいましょう。一度でも模擬面接をやってみると、思っていたよりも自信がつくものです。事前準備を万端にして、面接に臨みましょう。

組織人事コンサルティングSeguros 代表コンサルタント 粟野友樹氏
約500名の転職成功を実現してきたキャリアアドバイザー経験と、複数企業での採用人事経験をもとに、個人の転職支援や企業の採用支援コンサルティングを行っている。
記事作成日:2021年02月04日
記事更新日:2022年12月29日
記事更新日:2023年10月03日 リクルートエージェント編集部

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