「どんなことを聞かれるんだろう?」「どう答えればいいんだろう?」あれこれ考えるほど不安が高まる面接。しかし、安易に面接マニュアルに頼ると、思わぬ落とし穴に落ちることも…
転職成功者に聞きました「どんな面接準備をしましたか?」
自己分析と企業研究をしっかり行っている
面接準備のためにしたことを複数回答で聞いたところ、「事業を理解した」などの企業研究に関するものと、「自分の能力や経験の生かし方を考えた」などの自己分析に関するものがランクイン。1位は「志望動機を考えた」で企業研究と自己分析の両方を必要とするものでした。
どの項目にも回答数の大きな差は見られず、転職成功者は自己分析と企業研究の両面から周到な準備をしていたことが伺える結果です。しかし、せっかくの面接準備も、ポイントがずれていたらあまり役に立ちません。面接に際して何をどう準備すればよいのか、キャリアアドバイザーが解説します。
転職エージェントのアドバイス~面接準備・対策~
自己分析は、自分について「自分の言葉で」話すために行う
自分の言葉で語る、ということに関してよくある勘違いが2つあります。
1つ目は、「素の自分を伝えればよい」と考えて、謙虚な思いからか「こんな私でよければ採用してください」という姿勢で面接に臨むこと。
これでは、相手の目には「受け身の人」と映り、「仕事でも主体性を持って行動できないのでは」という頼りない印象を与えてしまうのです。
2つ目は、「ちゃんと準備する」という意識から「暗記」に走ること。しかし「暗記」に頼るのは逆効果です。転職マニュアル(特にQ&A)の暗記はもちろん、たとえ自分の言葉でまとめたフレーズだとしても。なぜなら、面接で大切なのはコミュニケーションです。言葉を暗記してしまうと、忘れないよう相手を無視して一気に話してしまいがち。さらに、暗記することに注力して準備をしていると、予想外の質問を受けたときにしどろもどろになってしまう恐れもあります。これではまったくコミュニケーションになりません。
面接準備の自己分析は、面接官の質問に対して、自分の言葉で自分の考えを伝えられるようになるために行うものです。なぜ転職するのか、なぜその会社に応募しようと思ったのかを、しっかり見つめ直すようにしてください。
企業研究をしてこそ、「意欲」は伝わる
多くの方は、ホームページなどを読んで、「志望動機」のネタになるような“ほめどころ”を探す傾向があります。しかし、本来の企業研究とは、「自分がこの仕事を任されたら」という“入社後の働く自分”をシミュレーションするために行うものです。自分の経験や能力がどう生かせるのか、足りない部分をどう補っていくのか、事業や仕事のどこに面白みを感じるのかといったことを真剣に考えることに力を注いでください。
そうすれば、入社の意欲が自ずと湧き、志望動機も「自分の言葉」で伝えられるようになるでしょう。経験・スキル以上に「意欲」を重視する企業は少なくありませんが、「何でもやります!」と言うだけでは意欲は伝わりません。面接に向けて、どれだけ会社を研究したか。企業はそこに意欲を感じ取るのです。事業や仕事内容のどこに“面白み”を感じるか。この視点を忘れずに、応募する企業をしっかりと研究してください。