目次
リーダーシップとは
「リーダーシップ(leadership)」とは、組織や団体などの集団を目標に向かって牽引する統率力、指導力を意味します。従来リーダーシップとは管理職・リーダー職のみに必要な能力と考えられていました。しかし、ビジネス環境の変化が速く、個人の価値観が多様化している現代において、従来の強いリーダーシップだけでは変化に素早く対応することが難しくなっています。職位の高い低いにかかわらず組織を構成するメンバー一人ひとりがリーダーシップを身に付けて、周囲を巻き込みながら目標に向かっていくことが組織のパフォーマンスを向上させることにつながります。
リーダーシップとマネジメントの違い
「リーダーシップ」と同じ意味合いで使われる言葉に「マネジメント」があります。どちらも組織の成果をあげるという意味では同じで、ビジネスパーソンにとって必要な能力といえるでしょう。
「リーダーシップ」は組織のビジョンを描き、方向性を定め、メンバーや組織を牽引する能力であるのに対して、「マネジメント」は目標達成に向けて組織に適した手法を考え、メンバーや組織を管理する能力とされています。
リーダーシップの役割
組織やチームを目標達成に向け、牽引するのがリーダーの使命といっても過言ではないでしょう。では、リーダーにはどのような役割が求められるのでしょうか。主な役割を4つご紹介します。
目標を設定する
リーダーの最大の役割は目標を明確にすることです。メンバーに対して具体的な方向性を示さなければ、チームは迷走してしまいます。チームが迷走した状態では、成果をあげられず、そうした状況下では、リーダー自身も明確な指示を出すことが困難になります。
リーダーは常に目標を設定しメンバーとそれを共有することが求められます。
目標設定には“匙加減”が重要です。ハードルが高く達成困難な目標を掲げても、メンバーは達成のイメージが難しく、かえって混乱を招くことになります。
目指すべき理想をメンバーに明確に掲げて、それに向かう道筋を示すことが必要です。
メンバーが活躍しやすい環境を整備する
メンバーが力を発揮しやすい環境を整えることもリーダーの大切な役割です。組織環境の現状を冷静に分析し、メンバー一人ひとりに不平や不満がないか確認することが重要です。
不平や不満がチームに充満している状態では、メンバーが能力を発揮するのは困難です。
目標の達成に向けてチームの力をまとめるためにも、リーダーはメンバーの状況に気を配り、働きやすい環境を整えていく必要があります。
そうしたリーダーの姿勢は、メンバーからの信頼の獲得につながります。信頼関係が育まれているチームでは相乗効果が生まれやすくなり、目覚ましい成果を上げる可能性が高まります。
率先垂範を心がけ、実践する
リーダーはメンバーに対して「率先垂範」が求められます。リーダーが主体となって、組織の規律等をメンバーに守らせなくてはなりません。また、ときには皆が嫌がる仕事や、尻込みしがちなことにも果敢に行う姿を見せることも必要です。
そのようなリーダーの姿を見たメンバーは、おのずとそのリーダーに信頼を寄せるでしょう。難しい部分もありますが、メンバーの鑑となることもチームをまとめるための重要な役割の一つといえるでしょう。
情熱を持ってメンバーに発信し、士気を高める
いくらリーダーが率先垂範に努めても、リーダーが孤軍奮闘しているだけではチームの目標達成は難しくなります。メンバーのやる気を引き出し、目標達成へのモチベージョンを高めることもリーダーの重要な役割です。
ときにはリーダーが自ら、目標達成に向けた意志と覚悟を語り、熱い「想い」を共有する必要があります。
こうした態度は、困難が立ちはだかった場合にもメンバーを奮い立たせ、主体性を引き出すことにつながります。
リーダーシップに関する理論
リーダーシップに関する理論は多々ありますが、ここでは代表的な理論をいくつかご紹介します。
クルト・レヴィンが提唱した3つのリーダーシップ・スタイル
最初に、アメリカの心理学者クルト・レヴィン(K.Lewin)が提唱したリーダーシップ行動理論をご紹介します。「アイオワ研究」としても知られるこの理論において、レヴィンは、リーダーシップのタイプを「専制型」「放任型」「民主型」の3つに分けました。それぞれのスタイルの特徴は以下のとおりです。
専制型リーダーシップ
「専任型リーダーシップ」とは、組織行動の全てにおいて、細かい部分にまでリーダーが指示・命令・関与するというものです。レヴィンが研究した20世紀前半のビジネスシーンでは、このタイプのリーダーシップスタイルが最も多く見られ、日本企業においても、かつてはこのスタイルが主流であったと考えられます。
このスタイルのリーダーは、チームを強力に指揮し、部下をコントロールしようとするのが特徴です。基本的にはリーダーは一方的に意思決定を行い、部下の意見をほとんど聴かない傾向があります。
専制型リーダーシップは、積極性や能力が相対的に低いメンバーを率いる場合等にその効力を発揮します。短期的な成功は望めるスタイルといえますが、リーダーが一方的に指示をするため、部下の主体的な行動を阻害しかねません。結果として部下の自立心や判断力・決断力などが育ちにくく、どちらかといえば長期的な人材育成には不向きなスタイルです。
民主型リーダーシップ
レヴィンが提唱した3つのリーダーシップのうち、現在のビジネスパーソンに受け入れられやすいのが、この「民主型リーダーシップ」です。その理由は、「民主型」という言葉の通りリーダーとメンバーが対話をする形式であるからでしょう。
民主型リーダーシップにおけるリーダーは、部下やメンバーに指示・命令もしますが、同時に部下やメンバーの意見にも耳を傾け、その意向を汲み取りながら方針を決定していきます。
リーダーは一方的に指示をするのではなく、メンバーの話をよく聴くため、組織内に友好的な雰囲気が生まれ、集団の団結度が高まりやすくなります。人材育成と高い親和性があります。
短期的には専制型リーダーシップよりも生産性が低くなることがありますが、長い目で見ると生産性が高くなりやすい傾向があるのも特徴といえます。
放任型リーダーシップ
放任型リーダーシップは、現場での判断をメンバーに任せ、リーダーのチームに対する関与が最も少ないスタイルです。リーダーがチームに関与しないため、うまくいかない場合は生産性が低くなりやすく、人材育成とも親和性は低いとレヴィンは述べています。作業習熟度の低いメンバーや社歴の浅いメンバーに対しては、不向きなリーダーシップスタイルだといえるでしょう。
しかし、このスタイルが悪いとはいいきれません。レヴィンはメンバーの能力が高く、知識が豊富な場合、この放任型リーダーシップが機能すると指摘しています。
ダニエル・ゴールマンが提唱した6つのリーダーシップスタイル
現在のリーダーシップ理論に大きな影響を与えたものとして忘れることができないのが、20世紀末期にダニエル・ゴールマンにより提唱された「EQ型リーダーシップ」です。ゴールマンが「こころの知能指数」と表現した「EQ」は、それまでの「リーダーシップはその人が生まれ持って備わった性質である」という概念を大きく変えました。現在では、「リーダーシップは後から身につけることができる」という考え方が、人材開発の前提として受け入れられています。
この理論は、部下やメンバーの「感情」に着目しています。決して一筋縄ではいかない人間の「感情」を上手に方向づけすることで、組織運営をよい方向へ導くという考え方です。
このリーダーシップには6つのスタイルがあります。
ビジョン型リーダーシップ
メンバーにビジョン(方向性)を示すことで、部下の感情をよい方向へ導こうとするスタイルです。
チーム全体で共通の目標を設定するなど、組織としてのルールやコミットメントを生み出しやすいというのは、このスタイルの特徴といえるでしょう。
コーチ型リーダーシップ
部下の性格や長所・短所などを、リーダーが対話を通して上手に引き出し、自らの行動目標の設定をサポートするスタイルです。
リーダーは、一方的に部下に指示を与えることはせずに、対話をしながらメンバーが主体的に行動できるように導くところに特徴があります。
関係重視型リーダーシップ
業務目標の達成よりも、部下の承認や感情面のケアを重視したリーダーシップです。短期的な成果を求めず、組織内のコミュニケーションを円滑にすることを狙いとするため、長期的なプロジェクトを遂行するのに向いているといえるでしょう。
民主型リーダーシップ
メンバーとの対話やミーティングに時間を割き、組織の方向性を全体で決めていこうというスタイルです。
リーダーがメンバー一人ひとりの考えを広く引き出し、アイデアを掘り起こすことを重視します。自分の考えが採用されれば、メンバーにとって大きなモチベーションにもつながるでしょう。
ペースセッター型リーダーシップ
リーダーが部下に対して高いレベルのパフォーマンスを求め、それを自らやってみせるスタイルです。いわば「背中で語る」タイプです。
リーダー自らが率先して動く姿を見せることにより、メンバーはそれに倣って困難にも立ち向かいやすくなります。
メンバーの能力が相対的に高く、モチベーションが充実している環境下で効果を発揮するといわれています。
強制型リーダーシップ
リーダーがメンバーに対し、一方的に指示をするのがこのスタイルです。
緊急時など早急な対応が必要なケースでは有効となり得ますが、組織内のコミュニケーション不全になりかねず、人材育成やメンバーのモチベーション維持につながりにくくなる場合があります。
出典:ダニエル・ゴールマン「EQ こころの知能指数」講談社
PM理論とは
PM理論とは、元九州大学教授の三隅二不二氏によって提唱されたリーダーシップ理論です。
三隅二不二氏は、リーダーシップの能力は「P機能(Performance function:目標達成機能)」と「M機能(Maintenance function:集団維持機能)」の2つの要素で構成されているとしています。
P機能とは、目標設定や計画立案、メンバーへの指示命令を重視することにより目標を達成する能力であり、M機能とは、メンバー間の人間関係を良好に保ち、集団のまとまりを維持しようとする能力のことです。この2つの能力の大小によって、4つのリーダーシップタイプ(PM型、Pm型、pM型、pm型)を提示しています。
PM型:成果を上げる力も、組織をまとめ上げる力も強いリーダー
Pm型:成果を上げる力は強いが、組織をまとめ上げる力は弱いリーダー
pM型:成果を上げる力は弱いが、組織をまとめ上げる力は強いリーダー
pm型:成果を上げる力も、組織をまとめ上げる力も弱いリーダー
引用: 三隅二不二「新しいリーダーシップ 集団指導の行動科学」ダイヤモンド
この理論においては、PとMが共に高い状態(PM型)のリーダーシップが、理想的なリーダーシップであるとされています。
出典:三隅二不二「新しいリーダーシップ 集団指導の行動科学」ダイヤモンド社
SL理論とは
SL理論とは、1977年にハーシィ(P.Hersey)とブランチャード(K.H.Blanchard)が提唱したリーダーシップ条件適応理論の1つです。
有効なリーダーシップスタイルは、部下の成熟度によって異なる、という前提に基づく考え方です。
SL理論では、縦軸を仕事志向、横軸を人間志向の強さとして4象限のマトリックスを形成し、それぞれの状況でリーダーシップの有効性(指示決定の指導の強弱、説得・参加型スタイルなど)を高めていくにはどうすればよいかを示しています。
SL理論において有効なリーダーシップスタイルは、部下の成熟度のレベルによって次のように規定されます。
S1:教示的リーダーシップ
メンバーに対して具体的に指示し、細かく管理するスタイルです。タスク志向が高く、人間関係志向の低いリーダーシップであり、一般的に部下の成熟度が低い場合に向いています。
S2:説得的リーダーシップ
メンバーに対してリーダーの考えを説明し、疑問があればそれに応えるというスタイルです。タスク志向・人間関係ともに高いリーダーシップであり、主として部下が成熟度を高めてきた場合に向いています。
S3:参加的リーダーシップ
リーダーが積極的に組織メンバーに関与し、メンバーの考えをまとめ、物事を決定できるように後押しするスタイルです。タスク志向が低く、人間関係志向の高いリーダーシップであり、部下の成熟度が十分に高まってきた段階で有効です。
S4:委任的リーダーシップ
リーダーがこと細かく指示をせずに、仕事遂行の責任をメンバーに委ねるスタイルです。タスク志向・人間関係志向ともに最小限のリーダーシップであり、部下が自立性を高め、十分に任せられる状況になった場合に向いているスタイルです。
出典:P.ハーシィ、ケネス・H.ブランチャード「入門から応用へ 行動科学の展開【新版】 人的資源の展開」生産性出版
リーダーシップを発揮するために必要なスキル
では、リーダーシップを発揮するために必要なスキルには、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは例としていくつかのスキルをご紹介します。
主体性と判断力
リーダーには、受動的ではなく主体的に取り組む姿勢が求められます。指示を待つだけでは、リーダーシップは発揮されづらいでしょう。
しかし、自分が部下に指示を出す側の立場で考えれば、おのずと主体性が生まれるものです。ミスの抑制やコスト削減など、指示を出す側としての視点を持ちながら仕事に取り組むことは、主体性を育てることにつながるといえます。
主体性が育まれることで、有効だと思われる方法を選択する「判断力」が身に付きます。
リーダーに必要な主体性と判断力を身に付けるに、まずは視座を上げてみることから始めるとよいでしょう。
目標設定・企画立案力
リーダーはメンバーと異なり、目標設定や仕事の指示を自ら行う立場になります。仕事の指示を受けて行動すればよいという姿勢では成り立ちません。
仕事を指示する側の立場になれば、「いつまでに」「何を」「どのような手段で」達成させるのかという目標を設定することになります。目標や計画が設定されなければ、ほかのメンバーに具体的な指示をすることができません。
このように、リーダーには自らで目標を設定し、具体的な計画を立案する能力が求められます。
コミュニケーション力
ある仕事を自分一人だけで行う場合であれば、他者とコミュニケーションを取ることはそれほど必要ないかもしれません。しかし、組織として目標を達成するためには、周囲とのコミュニケーションを無視することはできないでしょう。
リーダーとして組織の目標や計画を実現させるためには、そうした目標や計画をメンバーに理解してもらう必要があります。
そのため「伝え方」を工夫することが重要です。どう伝えればメンバーが理解し実行できるのかという「相手目線のコミュニケーションスキル」が必要になります。コミュニケーション力が低いと、その分計画の実行度も低下し、目標も達成もおぼつかなくなります。
リーダーとして目標を達成するには、コミュニケーション力は欠かないスキルの一つといえるでしょう。
※コミュニケーション力に関しては、以下の記事をご参照ください
コミュニケーション能力とは?高い人の特徴や低い原因、高める方法を解説
課題解決力
目標達成のために立てた計画を、仮にそのまま実行できたとしても目標が達成できない、ということが考えられます。
内部・外部環境は常に変化するものであり、計画したことがそのとおりに進むとは限りません。
当初の設定のままでは目標達成が難しい場合には、目標と計画を修正し、許容できる結果を出せるよう方向修正する必要があります。
まず、計画と実行内容にギャップが生じていることをメンバーに認識させ、解決すべき課題を特定し、解決策を明確に示す必要があります。メンバーのスキル等にもよりますが、解決策まで明示できればスムーズに修正できる可能性が高まります。
常に変化する状況下でチームを目標達成に導くには、リーダーには課題を解決する力が不可欠といえるでしょう。
リーダーがとるべき8つの行動
では、リーダーが組織メンバーに対してよいパフォーマンスを発揮できるようにするためには、どのようなことに留意して行動すればよいのでしょうか。ここではリーダーシップ論者ジョン・アデアが提唱する「8つの行動」をご紹介しましょう。
仕事を明確にする
チームと個人に対しては、仕事の目標を明確にするとともに、何より「SMART」に示す必要があるとしています。
SMARTとは、具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、現実的(Realistic)、期限付き(Time Constrained)の各単語の頭文字を取ったものです。
計画する
実行するにあたっては、行き当たりばったりではなく事前に綿密な計画を立てることが重要です。また計画の段階では、不測の事態に備え複数の代替案を用意することも必要です。
そのためには、チームにリラックスした雰囲気を作り、建設的かつ独創的な方法で行われることが大切になります。
説明する
仕事をするにあたり、仕事の目的や計画を事前に説明することで情報の共有をし、各メンバーの役割を明確にします。事前の説明がなければ、メンバーはどのように動いてよいかわからなくなります。
チーム共通の目的意識を持つことにより、よりよい雰囲気を作ることにもつながるだけでなく、個々のモチベーションも高まることが期待できます。
統制する
優れたリーダーは、チームでの仕事を効率的に進められるよう、分散しがちな個々のエネルギーを一つの方向へ向けることが可能です。
メンバーの業務軌道修正が必要であると判断すれば、リーダーは効果的に指示を与え、ときには規制をしていくことも必要となるでしょう。リーダーには、こうしたコントロール能力を備えることも必要です。
しかし、スパンオブコントロール(管理限界)などの観点からしても、リーダーの統制には限界があります。メンバーが各々で自己管理できるように、リーダーが促していくことも重要です。
評価する
リーダーは仕事の結果からチームの業績を評価し、個々のメンバーの査定を行いますが、そのためには人を正しく見極められる能力が求められます。
失敗だけでなく成功に対しても改善策を特定するなど、仕事の過程を振り返ってみることも大切です。
またこれらを共有することで、チーム全体が成長していくことにもつながります。
動機付けする
個々のメンバーを動機付ける方法として、奨励や報酬を与えるといった外発的なものだけではなく、メンバーが自らモチベーションを持つ内発的な動機付けが重要であると強調しています。
当然のことながらリーダー自身が高いモチベーションを持っていることも必要不可欠です。
リーダーが部下に動機付けるための指針として「モチベーション8つの法則」を以下のように示されています。
自分自身がやる気になる
モチベーションの高い人物を選び出す
各人を個人として扱う
現実的で挑戦的な目標を設定する
前進はモチベーションとなることを肝に銘じる
意欲をかき立てるような環境をつくる
公平に報酬を与える
認めてやる
引用:ジョン・アデア「英国超一級リーダーシップの教科書」こう書房
組織化する
リーダーには、メンバーを効果的に管理・育成し、チームとしてまとめあげ、一貫性のある組織を構築する能力が求められます。
また組織は、業務や方針転換によって、その都度見直されなくてはなりません。従って、周囲の動向をうかがいながら、臨機応変に対応する柔軟性も求められるでしょう。
※チームビルディングに関しては、以下の記事をご参照ください
チームビルディングとは?目的と効果や自社に適した具体的な手法を解説
模範となる
リーダーはメンバーから見られていること、そして模倣されることを常に認識していなければなりません。
リーダーの姿を見て部下が育つということは、どの世界にもあるものです。
リーダーは自ら先に立ち、個々のメンバーだけでなく組織全体に対して模範を示すことでリーダーシップを発揮することができるのです。
出典:ジョン・アデア「英国超一級リーダーシップの教科書」こう書房
リーダーシップを高める方法
では、リーダーシップを高めるにはどのような方法が考えられるでしょうか。
リーダーが率先して行動する
ただ指示するだけで自ら行動をおこさないリーダーは、メンバーからの信頼を得られにくい傾向があります。率先して行動することで模範を示すことが大切です。
高いコミュニケーションスキルを身に付ける
メンバーとの信頼関係を築くうえで、傾聴やペーシングなどの高いコミュニケーションスキルを身に付けていきましょう。傾聴とはただ話を聞くだけでなく相手の考えや思い、価値観を受け入れ、尊重する姿勢を持つことが重要になります。ペーシングは声のトーンや話すスピードを相手に合わせることで安心感を与え、円滑にコミュニケーションを図るスキルです。傾聴、ペーシングなどより深く相手を理解するのに役立つスキルを積極的に身に付けていきましょう。
メンバーとの信頼関係を構築し、仕事を任せる
リーダーシップの目的の一つにメンバーの育成があります。リーダーが行ったほうが速いと思いがちですが、メンバーに仕事を任せることは、期待の表れです。仕事を任せて、ポイントごとに確認しアドバイスすることでメンバーに主体性が生まれ、組織全体のパフォーマンスが向上します。
リーダーシップを学べる研修
リーダーシップを高めるため、研修を通じて学びを得るのも方法の一つです。リーダーシップを学ぶ研修は管理職向けや新人向け、ワークショップ形式や講義形式など、多彩なプログラムが用意されています。ここではリクルートマネジメントソリューションズのプログラムをいくつかピックアップしました。
研修・社員教育を専門としている多くの企業がそれぞれ独自のプログラムを開発しています。情報を収集して自社に適した研修を検討してみてはいかがでしょうか。
参考:リクルートマネジメントソリューションズ
変革推進・実現の原則を学び実践につなげるチェンジリーダーシップ研修
リーダーシップスキル:理論と実践 ~自分らしさとチームの成功を両立させるリーダーのあり方・行動の仕方~
一人ひとりのリーダーシップを磨く ~自分の強みと主体性を見つけ、キャリアに活かす
本記事では、リーダーシップの役割や理論、リーダーシップを発揮するために必要なスキルやその習得方法等についてご紹介しました。
リーダーが組織を統率し、一定の成果を上げることは簡単なことではありませんが、
各人が自分のリーダーシップスタイルを見つめ直すだけでも意味があるといえます。 リーダーとなるべき人材がリーダーシップの手法について学び、実践していくことは、チームをよい方向へと導いていくことにつながります。リーダーシップ開発について、本記事を参考に検討してはいかがでしょうか。