2024年07-09月期 転職時の賃金変動状況
リクルートエージェントにおける2024年07-09月期の「転職時の賃金変動状況」を報告します。「転職時の賃金変動状況」では“転職者の賃金は転職前後でどのように変化しているのか”という点に着目し「前職と比べ賃金が明確に(1割以上)増加した転職者数の割合」の経年変化を観察していきます。
「前職と比べ賃金が 1 割以上増加した転職決定者数の割合」は 36.1% 過去最高値※1を更新
(前年同期差:+0.8pt)
全体
7-9 月期の「前職と比べ賃金が 1 割以上増加した転職決定者の割合」は 36.1%。
新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた 2020 年 1-3 月期を起点に大きく水準を切り下げたが、翌年
2021 年 1-3 月期には概ね感染拡大前の水準に復した。以降、最高値※1を更新しながら上昇を続けており、
足元 2024 年 7-9 月期は過去最高値となっている。
※1 「全体」の統計の始点(2002 年 4-6 月期)以降の最高値。
職種別
ITエンジニア
7-9 月期の「前職と比べ賃金が 1 割以上増加した転職決定者の割合」は 41.3%。
2019 年頃より幾分減速感が見られていたが、2021 年に上昇基調に復した。2023 年 4-6 月期からは幾分
弱含むも、足元 2024 年 7-9 月期は過去最高値※2 を更新している。
※2「各職種」の統計の始点(2008年4-6月期)以降の最高値。
機械・電気・化学エンジニア
7-9 月期の「前職と比べ賃金が 1 割以上増加した転職決定者の割合」は 32.5%。
2019 年以降、下落基調が続いていたなか、2020 年 10-12 月期を底として反発。以降は上昇基調を続けて
おり、足元 2024 年 7-9 月期は過去最高値※2 となっている。
※2「各職種」の統計の始点(2008年4-6月期)以降の最高値。
営業職
7-9 月期の「前職と比べ賃金が 1 割以上増加した転職決定者の割合」は 36.9%。
新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた 2020 年 1-3 月期を起点に大きく水準を切り下げたが、翌年
2021 年 1-3 月期には概ね感染拡大前の水準に復した。その後、一時的に弱含むも、以降は上昇基調に復
し、足元 2024 年 7-9 月期は過去最高値※2 となっている。
事務系専門職
7-9 月期の「前職と比べ賃金が 1 割以上増加した転職決定者の割合」は 34.7%。
2017 年以降、弱めの動きが続いていたなか、新型コロナウイルスの感染拡大も重なり、2020 年頃にかけ
ては幾分水準を切り下げた。2021 年 4-6 月期以降は上昇基調に復し、足元 2024 年 7-9 月期は過去最高
値※2 となっている。
※2「各職種」の統計の始点(2008年4-6月期)以降の最高値。
接客・販売・店長・コールセンター
7-9 月期の「前職と比べ賃金が 1 割以上増加した転職決定者の割合」は 39.5%。
新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた 2020 年 1-3 月期を起点に大幅に水準を切り下げたが、その後
は 2020 年 7-9 月期を底として反発し、2023 年 1-3 月期には過去最高値※2 を更新。足元 2024 年 7-9
月期も、引き続き高い水準を維持している。
※2「各職種」の統計の始点(2008年4-6月期)以降の最高値。
調査概要
【算出方法】前職と比べ賃金が1割以上増加した転職決定者数/転職決定者数合計×100(単位:%)
- 前職(転職前)の賃金は時間外労働等の「変動する割増賃金」を含む一方、転職後の賃金にはそれらが含まれないため 「前職と比べ賃金が 1 割以上増加した転職決定者数の割合」は実態よりも低めの値となる傾向があります。
メンドエンジンの開発、人事課題に対する統計分析の適用、⾃社データを活用した経
済指標の作成・発信など、データ起点のさまざまな取り組みの企画・実⾏を担う。